算命学余話 #R17「乙木とその土壌」/バックナンバー
北方領土の返還合意には至らなかった今回の日露首脳会談の成否について、メディアの意見は分かれているようです。鋭くも愉快な分析を得意とする経済評論家の上念司氏によれば、「確かに今回の会談を成功と見るか失敗と見るかは非常に判断が難しいので、こういう時は第三者の、特に敵対している外国の反応を見れば成功か失敗かがはっきり判る。チャイナの新華社通信は明らかに不快感を伝えている。つまり日露が仲良くタッグを組むと中国にとっての脅威となるので、今回の会談結果に警戒心を示す中国の反応から、日露関係は急速に接近・進展した、つまり会談は成功だったと見て間違いない」のだそうです。なるほど、ユニークですが説得力のある見解です。
日露の接近により、同盟国である米国との関係が冷えるのではないかという懸念も聞かれますが、面白いことに次期大統領トランプ氏はプーチンとウマが合う。更に佐藤優氏の意見によれば、「日米安保の縛りによって北方領土に米軍が進出することを警戒するロシアが領土返還に応じるわけがない、と断定はできない。例えば極東にある半島の北側におかしな国があるが、あの国が北方領土近海にミサイルを飛ばした場合に米軍が出動するのはロシアにとっても悪い話ではない。そうした特別のケースに限定した米軍の出動をロシアに認めさせる交渉の余地はある」。
つまり20世紀の世界を支配した米ソ対立の構図は完全に過去のものとなり、21世紀は日米露が連携して中国を抑え込む展望がありえるというわけです。それほど各国は中国に手を焼いている。しかしこれをどの国も明言はしていません。巨大な中国を下手に刺激していらぬ攻撃を受けたくないからです。その代りに無言のまま各国と示し合わせて中国を村八分にする。それしか方法はないというわけです。TPPも然り。まさに佐藤氏の言う「愛してる、と言わずに気持ちを伝える」外交技術が求められる昨今の国際情勢なのです。
何でも口に出さなければ意図が伝わらないと思っている単純な人は、このような21世紀を渡っていけないかもしれません。年の瀬も迫り、算命学の云うところの年明けも一カ月余りとなりました。来年は丁酉年です。新年の大予想はいずれ書くとして、今回の余話のテーマは日干乙木についてです。
前回の余話は、乙酉日生まれのチェ・ゲバラ氏を半ばこき下ろす内容となりましたが、乙酉はその自然風景からしてアイドルやモデルになるのがふさわしく、実務的な職業には向かないことが理解できたかと思います。乙木は陰木なので草や柳を意味していますが、陽木である甲木が築くような実のある成果は残せないのでしょうか。そんなことはありませんが、甲木とはやはり質が違うので、どういう生き方がより自然に則しているのかという意味で傾向はあります。その辺りについて考えながら、乙木生まれがどの地支に載っているかを比較してみます。
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