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算命学余話 #R12玄「夫婦の相性」/バックナンバー

 昨今は性的マイノリティーの人権擁護を叫ぶ声が随分声高になって、同性間の婚姻さえ認める地域も珍しくなくなりました。再三申し上げている通り、陰陽論で組み上がっている算命学の見地からすれば、同性婚など全くのナンセンスであり、この世の役に立たない行為です。なぜなら算命学の認める婚姻とは男女の婚姻以外になく、それは男女が陰陽を表しているからです。
 人間社会は、宇宙の営みが作り出す昼と夜、光と影といった自然現象に代表される陰陽世界の縮図であるので、陰と陽のどちらかに偏るという不自然な状態は長く維持できません。いかに性転換技術が発達して男性が女性になろうとも、女性が男性になろうとも、それは「女性に近い男性」に過ぎず、「男性に近い女性」であるに過ぎない。つまりまがい物に過ぎないのです。その端的な証拠は、同性の間に子供ができないことでも明らかです。

 算命学がなぜ男女の婚姻しか認めないかといえば、答えは単純で、両者の間に子供が生まれる最低条件だからです。もちろん男女の夫婦間でも子供ができないケースはありますが、それは物理的な条件がそぐわないからであり、通常の健康な夫婦であれば、普通に考えて子供は自然に生まれます。そして子供が生まれるという生産活動が未来という時間軸に正しく乗っているからには、陰陽の合一が正しく行われた男女の婚姻は自然に則したものである、という認識につながるのです。
 婚姻を単なる行政上の手続きであるとか、それにまつわる金銭問題であると考える人にとっては、同性婚も意味があるのでしょうが、算命学は時代や地域によってころころ変わる当てにならない行政や法律、財産のやりとりについては、持続時間の非常に短い一過性の事象として取り合いません。もっと普遍的で、宇宙規模の時間幅を当てはめてもそう簡単には変わらない事象にこそ真理を認めている算命学は、数年もすれば廃れてしまうトレンドまがいの同性婚には、結婚を前提としない男女の恋愛より更に冷ややかな視線を向けています。

 こんなトレンドが持て囃される時代に生まれてしまったり、思春期を迎えてしまったりしている子供たちの将来の結婚観が、自然の摂理から離れやしないか危ぶまれますが、算命学の考える婚姻関係、すなわち夫婦というものが何を意味しているか、この辺りではっきりさせておいてもいいかもしれません。
 夫婦というのは上述の通り、男女の陰陽が一緒になった形態を指します。生態的には男性が陽で、女性が陰であることは普遍ですが、性格的にとか、実生活の主導権をどちらが握っているかという視点に変えるならば、女性が陽で男性が陰という夫婦関係もあり得ます。むしろこちらの方が多いくらいです。なぜかというと、男女は生態的に陰陽を明確に分担しているため、その他の陽的側面を女性が、陰的側面を男性が担う方が、陰陽バランスが偏らなくて済むからです。陰陽バランスのとれた状態は長続きする。逆に陰陽どちらかに偏った状態は長続きしない。従って、かかあ天下の夫婦の方が、亭主関白の夫婦より婚姻状態は長続きするのです。
 皆さんの周囲の夫婦を眺めてみて下さい。だいたいこの通りになっているはずです。男女の夫婦であってもこのようであるので、愛情やら依存やらといった曖昧で主観的なメンタル問題は脇に置いておいて、同性の婚姻が物理的・生物学的に「存続」しえないことは、理解に難くない。その最たる現象が子孫が生まれない=未来がないという事態なのだと、算命学では考えています。もっと突き詰めて言うならば、現在このような同性婚がトレンドになっている原因は、ずばり世界人口の増加です。子孫繁栄の真逆を行く同性婚は、ずばり増えすぎた人口を抑制するための、人類自身による人類に対する間引きである、というのが算命学の見立てです。

 これ以上この話を進めても不毛なので、もう少し鑑定の話題に近付けましょう。算命学は夫婦関係を陰陽で判断することは得意ですが、結婚に至らない恋愛相談には不向きです。なぜなら恋愛状態は夫婦状態とは違って男女の結びつきが不安定であり、容易にくっついたり離れたりするので、そのような短期的な人間関係が人ひとりの人生に影響する力は小さいと考えるからです。要するに恋愛は取るに足らない事象であり、人生の大事ではないから、命式に当てはめる重要項目としてカウントしないということです。

 一方、夫婦ともなれば、まず社会的な制約を受けることで容易に離婚できなくなります。子供が生まれればますます離婚へのハードルは高くなり、実際に、夫婦の愛情はとっくに冷めているのに子供のためだけに離婚しない夫婦というのはざらにあります。熟年離婚はこうした愛の冷めた夫婦が子供の独立を契機に踏み切るもので、人生における「婚姻」の優先順位が低下したことにより、離婚への踏切りハードルが低くなったと判断されて断行されるものなのですが、そのハードルを下げたのはまさに子供の不在です。従って、夫婦の運命すなわち未来を左右する重要な鍵として、ここでも子供は際立った役割を果たしているのであり、未来そのものである子供・子孫を肉体として生じさせるに至らない恋愛には未来を論ずる資格はないと、算命学はドライに切り捨てているのです。
 もちろん、結婚に至らずに子供が生まれる事態もよくあることですが、これは「出産と育児」が女性の側の運勢上の大事に当たるのは確かながら、その子の生物学的父親である男性にとっての運勢上の影響力には、残念ながらなりません。男性が自分の子供に対して父親であるという権利を行使したい、社会に対する責任を果たしたいというのならば、子供の母親と正式に結婚するなり、その女性に正妻同様の扱いをするなりしなければならないのです。このように、男女を問わず自分の子供とその未来に対してコミットしたいのなら、手っ取り早い手続きは結婚だ、ということになるので、算命学は男女の結婚を、及び女性にとっての出産を、人生の一大事として重視しているわけなのです。

 数年で廃れてしまう寿命の短い世間の、多くは海外から持ち込まれたトレンドに惑わされて、結婚や出産の意味をはき違えている人が多いように思われるので、これを正すべく以上のように長々と、当たり前のことを論じてみましたが、今回の余話のテーマは夫婦についてです。具体的には夫婦の相性についてですが、「男女の相性」とすると恋愛に当てはめる人が続出して誤った認識が広まってしまう恐れがあるため、先に恋愛と結婚の違いの何たるかを述べさせてもらいました。
 未来の無い恋愛などに人生の大切な時間の多くを費やすのは馬鹿げている、というガツンとした前提に立って、そんなヤワな恋愛を乗り越えて腹を据えた結婚に踏み切る意欲のある方々のために、夫婦関係を持続しやすい男女の相性を、命式から紐解いてみます。要するに、その人にとって結婚相手としてふさわしい異性の命式とはいかなるものか、という話です。
 但し、周知の通り算命学は人間の感情に対しては極めて冷淡なので、愛情の濃淡などという曖昧で移ろいやすいものは歯牙にもかけません。運勢の力学的観点から、質的、量的な話に終始するので、ロマンチックな結婚生活を夢見ている人にはつまらない内容になります。そもそも結婚生活自体がロマンから遠く離れたリアリズムの連続だというのに、そこにロマンを見出だそうとする不毛に気付かない人が多すぎます。以下の話はまさにその不毛を浮かび上がらせる内容なので、ロマンの海から出たくない若い女性などは読まない方がいいかもしれません。恒例の玄番なので購読料にご注意下さい。

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