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何もないかもしれないけど行かない後悔はしたくない

写真のような道が好き。
昔から、こんな道があったら行こうとするどろんこ少年がいた。今でも、知らない道を進むのは好きで、北海道に来てからも林道とかあまり使っていないだろう道を進んだりしている。その冒険心のおかげで、冬道でスタックしたのはいい思い出。後から地元の人にしっかりと怒られましたが。

妻と沖縄旅行に行った際に、私の冒険心に火がつきナビにはない道を進み、車では行けなくなると更に歩いて行こうと提案した。勿論、断られる。じゃあ1人で行くと言ったら、1人で待つ方が怖いからと渋々着いてきてくれた。その先に何があったか。残念ながら何もなかった。

翌日、急遽島に行くことにした。
その島でも道なき道を進もうと冒険心はおさまっていない。渋々ながらも着いてくる彼女と見たのは、誰もいない広大なビーチだった。観光パンフレットにでもなっていそうな青い海、青い空、少し先に見える島。どこを切り取っても素晴らしい景色。しばらく2人でゆっくりとした時間が流れた。
あっという間に2〜3時間経っていて、帰ろうかとなったときに一台の車が近づいてきた。車を止め、ツカツカと勢いよく近づいてきたその男性は明らかに私たちの方に向かっている。サングラスとアロハシャツに白短パン。来てはいけないところだったのかな、と思いながら先手を取る。
「スミマセン、すぐ帰りますので!」
すると
『あんたら、ちょっと待ちーや!』
そう言うと、降りた車に戻って行った。仲間でも連れてくるのだろうか。待つふりをしながら、私たちも車に向かった。すると小走りに走るサングラスの男。私はエンジンをかけ、いつでも出られるように準備。窓をコンコンされ、開けろのサイン。よく見ると、私たちの行き先に相手の車があり通れなそうな状態。観念し、車の窓を開ける。

『甘いもんいけるか?これ、どうや?』
渡そうとしているのは、完熟マンゴーだった。


私たちは戸惑った。
おっさんはまた車に戻った。次に取り出したのは包丁。もしかして、対応間違ったかな。と思っていたらおっちゃんはマンゴーを切り、一口食べた。うん、大丈夫や!

ただの優しい地元のおっちゃんだったことが確定した。

マンゴーを切ってもらい、かぶりつけ!と言われた。うますぎる!今の今まで、あのマンゴーを超える味には出会ったことがない。それだけ美味しかった。かぶりつくと顔にはマンゴー、汁がこぼれるほどだったが気にせず食べる。私たちは水着を着ていたのだ。

満足げに食べる私たちを見て満足したのか、サングラスのおじさんはいつの間にか帰ろうとしていた。車の音がしたので走って駆け寄ると、窓から手を出しクラクションを鳴らして去って行ってしまった。私たちはいただいたマンゴーを全て食べ、そのまま海に入った。

この話は、向かう先に何もないかもしれないけど行かない後悔はしたくないというお話。

あなたが向かう先はどんな道になっていますか?

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