【妄想旅行記②】果ての港
昨日、わたしは最果て島へ行った時の話を書いたが、これはその続きである。散々な目に遭いながらも最果て島に辿り着き、そこで世界の果てを見て孤独な感傷に浸りたいような気分を吹き飛ばされてしまったわたしは、港にもうしばらく滞在することにしたのだ。
宿を見つけ街に出たわたしが最初に向かった場所は街の魚市場だった。港町と言えば魚市場という気持ちもあるにはあったが、なによりわたしはあの島で食べたセキトウウオの味を忘れられずにいたのだ。ここはあの島からほど近い港だからと小さな期待を胸に抱い