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ぬいぐるみ絵本の描き方講座「はいきょで おはなしを かきつづける ねこ」販売開始

ぬいぐるみ絵本第二弾「はいきょで おはなしを かきつづける ねこ」が販売開始されました。現在無料キャンペーン中です。

表紙デザインは前回を踏襲しつつ、文字色を変えてみました。


というわけで今回は、絵本の作り方を振り返ってみようと思います。

まず原案を用意します。今回は「ぬいぐるみ小説集」の中の一編「廃墟の屋根で詩を書く猫」です。

「ぬいぐるみ小説集」では、「カメラを持つ旅人がぬいぐるみを写して回っている」という設定ですが、絵本化の際には単独のお話にするのでその設定は一度忘れます。

原案を絵本化に合わせて換骨奪胎していきます。
文章は全てひらがな表記にするため、表現として分かりにくくなる言葉は置き換えます。
たとえば「詩」である必要性はなくなったので「おはなし」に置き換えました。
文章は可能な限り簡潔に。読みやすさだけでなく、他言語への翻訳も容易なようにです。

お話作りにある程度目星がついたら、noteの下書き機能を活用します。

kindle出版にnoteの下書き機能? と思われるかもしれませんが、画像の置き換えなどに便利なのです。

約20ページほどと考えて、文章を区切っていきます。区切りごとに番号を振ります。

区切った文章に合わせた画像を生成します。画風は「写実的に。ぬいぐるみはかわいく」と指示。生成サイズは正方形にしています。kindle向けには縦長の画像の方が良いのかもしれせんが、上部に文章を入力する空白を作るためです。

画像加工の際に使用しているのは、Windows付属のペイントソフトのみです。


生成された画像は1024x1024なので、ペイントソフトで画像のサイズを縦に伸ばし、1600x1024にしています。この時、文章はまだ入力せずに保存しておきます。後に翻訳版を制作しやすくするためです。

文章を入れます。

書いてるものを見せたくない猫

絵本に添えられている文章は、長くて五行、平均的には三行くらいが理想かな、と思っています。


てめえ何言ってんだごらぁ? 的な猫

フォントは「Segoe UI」を使用しています。フォントサイズは55。文章量が多くなってスペースに収まらない際は、少しフォントサイズを小さくしています。

今回は語り手としてロボットが登場しているのですが、彼のキャラクター作画が安定していません。一定のキャラクターで統一する方法もあるにはあるのですが、敢えて不安定のままにしています。


ねえ何書いてんの見せて見せてと迫りくるロボ


めっちゃ首を振って拒絶するロボ

それはそれで、味があるからです。

どうしても描いてもらいたい絵が生成されない場合、話の方を変える時もあります。この辺りは、自分は原作者でもあり校正者でもあり編集者でもある、という強みです。

まとめると。

前段階
毎日創作する。

準備段階
絵本化に向いている話を選ぶ。

絵本化作業
1.選んだ話を絵本向けにアレンジ。
2.約20シーンに分割。
3.各シーンに合わせた画像を生成。
4.文章、内容、画像の適宜修正。
5.文章入力。
6.あとがき作成。著者略歴は使い回し。
7.表紙作成。

といった感じです。お話が出来上がった時点でChatGPTに貼り付け、第一読者になってもらって感想を聞いたり、話の欠点を指摘してもらったりもします。でも今のところアドバイスを受け入れたことはありません。

この後Kindle Comic Creatorでmobiファイルを作成し、Kindle Direct Publishingからkindle出版申請し、という流れがあるのですが、そちらは解説サイトが多くあるので割愛します。

以上、絵本でKindle出版を考えている方へ向けての、私なりの方法論と製作方法の解説でした。なるべく簡単に、シンプルに、というやり方です。「まず原案を用意します」のところは、各自でお願いいたします。


入院費用にあてさせていただきます。