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架空書籍紹介(141冊目~147冊目)

141冊目「滅びたデザイン資料館」

様々な事情があって、発売中止になったりそもそも発売されなかったり、制服として採用されたが即取り消しになったデザインの服などを網羅した一冊。表紙は「クレーム率100%」を目指して倒産したフライト会社「デスフライト」のデスメタル風CA制服。

※一時「絶対売れないデザイン集」的な画像生成に凝っていた。また始めよう。

142「遅刻の言い訳小説集」

遅刻した際に300字~1200字の「言い訳小説」を書かせることで、遅刻を帳消しにする制度のある学校で書かれた小説集。「宇宙創成のため」「筋トレを止められず」「遅刻の言い訳小説を書きたかったから」といった様々な作品が集められている。実質遅刻数は世界一。

※筋トレしない言い訳を記す「今日も筋トレしなかった」の遅刻の言い訳版。「今日も~」は掌編小説化。

143冊目「N原さんのこと」

食品工場で働く彼は不器用で、単純なこと以外はできなかったが、朴訥な喋り方で愛されるキャラクターの持ち主でもあった。体調を崩して休んでいた彼が久しぶりに出社した際、顔色があまりに酷くて帰らせた。それが彼の生きている最後の姿とは知らずに。実話エッセイ。

※具合が悪くて寝込んでいた時に、頭から離れなくなったN原さんについての思い出。突発的にエッセイとして仕上げて投稿。

144冊目「タピオカミルクティーからタピオカを抜く仕事」

タピオカミルクティーからタピオカを抜く仕事に従事していた方へのインタビュー集。かつての大流行時に一時出現した仕事であり、今は存在していない。深刻なミルクティー不足のため雇われたタピオカ抜き職人たちの悲喜劇が垣間見える。

※タピオカミルクティーを欲しがった息子に買い与えたところ、タピオカを抜いてくれと頼まれた私の心境を表したもの。

145「オムライスのケチャップ剥がし」

オムライスのケチャップを剥がす妖怪と、オムライス専門店の店員との戦いの記録。ケチャップ塗りのテクニックがどんどん神業化していく店員に対抗するため、ケチャップ剥がしは眷属全てと融合し巨大化していく。客足はどんどん遠のく。味は不味い。

※タピオカミルクティーからタピオカを抜く仕事があるのなら、オムライスのケチャップを剥がす妖怪がいてもいいじゃないかという発想。

146「ノートPCを持ち歩く山頭火」

山頭火はノートPCを持ちながら放浪の旅を続けていた。山の中でも通じる携帯Wi-Fiも携えて。自由律俳句を詠むたびにAIにイメージ画像を生成させた。現在残されている山頭火の句に画像は添えられていない。原因はノートPCの水没である。彼はPCを放棄して、紙と筆に戻った。

※山頭火も自分の句のイメージ画像を生成して遊んでいたという話。シロクマ文芸部へ投稿。

147冊目「シンプル・ストーリーズ」
極限まで絞った文章で書かれた物語たち。どの言語に翻訳されても伝わりやすいように書かれている。読みやすく単純な文章ながら、それゆえに際立つ異常な世界観の話が多く収められている。最終的には一行しかない話ばかりとなっていく。最終話は「そんな話は、なかった」。


※ぬいぐるみ絵本の英訳の準備段階として「文章を極限まで簡素化する」という作業中に思いついた話。



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泥辺五郎
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