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ぬいぐるみ小説集「病院の廃墟でたたずむペンギン」

※こちらを含む「ぬいぐるみ小説集」をkindle出版しましたので、公開済のものの内容を半分程度にしております。

 大きな病院は頑丈に造られているので、長い年月を経て廃墟となっても、中身がほとんどそのまま残っていることも多い。旧世紀に絶滅した幽霊でも写せないかとカメラをあちこちに向けていると、大きなペンギンのぬいぐるみとでくわした。誰も寝ていない空のベッドをじっと眺めていた。

「何してるの」
 私の急な声かけに驚くこともなくペンギンは「待っている」と答えてくれた。
「何を」
「人が最期を迎える時を」
 人の最期を看取るためだけのぬいぐるみがいた、という知識がある。そういえばカメラのメモリの中には、旧世紀の画像もあった。しばらく探していると目当ての画像を発見した。

以下こちら



(了)


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