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「子どもゾンビしか出てこない洞窟へ(マインクラフト小説)」#毎週ショートショートnote

「子どもゾンビしか出てこない洞窟があるんだって!」
 アレックスがまた変なことを言い出した。その手は既に僕の手を引っ張り始めている。
「やばいところなんじゃないの? ゾンビスポナーの前で、子どもゾンビ以外を延々と狩り続けるやばいプレイヤーがいるってことでしょ」
 ゾンビはには大人ゾンビや様々な装備を着けたゾンビや、小さくて可愛い見た目だがすばしこくて厄介な子どもゾンビがいる。子どもゾンビだけがスポーンするはずはないから、意図的な間引き者がいるのだ。ゾンビよりよっぽど怖い。

「『お子様ランチ』っていうレアアイテム落とすらしいよそいつら! 中身は腐った肉と一緒! 行くよスティーブ!」
「いらないよ!」
 この間は「ゴールデンゴーレム倒しに行こうぜ!」だったし「太陽三つ出てる!」なんてこともあった。大病を患って以来、めったに外に出なくなった僕を、アレックスは何かと誘いに来てくれる。始まるのは大冒険なんかじゃなく、外でお弁当とかそんなところだ。
「あまり長くは遊べないよ」
「分かってる!」
 アレックスは慣れた調子で僕の車椅子を用意してくれた。

(了)

マインクラフトは、スティーブやアレックスがあれこれなんやかんやするゲームです。

毎週ショートショートnote

【洞窟の奥はお子様ランチ】のお題で【冒険小説風】

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泥辺五郎
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