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④婚活への道 古傷が痛んだ日

車中での話もだんだん雲行きが怪しくなって
きました。
前の妻はキ〇ガイだっただの、職場の上司が
嫉妬深く、才能も無いのに笑わせる、などなど。
時折笑顔になりながら、口調も穏やかなので、
その時は?となりながらも、感情が停止して、
当たり障りなく受け答えをしていたと思います。
後で思い返せばとんでもない内容でした。

おしゃれな洋菓子店に寄ってケーキを調達し、
着いたご自宅は、庭にバラが咲き乱れる瀟洒な
白壁の洋館でした。
中に通されて室内を見渡すと、インテリアも
シックなヨーロッパ調で、自分で作ったという
家の模型とスケッチが飾られていました。

キッチンは好きに使って下さい。欲しい家電など
何でも言ってもらえれば、購入します。

確かに広くて素敵なお家ですが、次の違和感に
気が付くのに、そう時間はかかりませんでした。

最近まで家族が住んでいた気配がまるでない家。
何かにつけて前の奥さんがいかに精神を
病んでいて、たびたび泣きわめき奇行に
走っていたという話。
帰宅してからずっと大音響でお好きな音楽を
繰り返し流されていました。会話もし辛いほどで、
いくら戸建てとはいえ、非常に気になった矢先、

前にここに来た女性は、この音がうるさいから
止めてくれと言ったんですよ。失礼だと
思いませんか?全く考えられません。

!!!
しかしここまで来ても、馬鹿な私は自分から
早く帰りたいと言い出せずにいました。

お相手は私の事をずいぶんと気に入っていました。
夕方に用事があるので、そろそろホテルに
送りましょう、ということで、駅の方面に車で
向かったのですが、急に、

用事はキャンセルします、今から食事に
行きましょう。


と言われて半ば強引にお相手の行きつけの
お店に行くことになりました。

食事の時に、すべての結論が出ました。
私は心を通い合わせることができる方と
お互いを思いやりながら暮らすのが希望です、と
いう趣旨の事をきっぱりお伝えしました。
決して相手を咎めるつもりも無かったのですが、
(当たり前や!)どこかで地雷を踏んで
しまったのでしょう。

徐々にお相手の表情が停止し、まるで下から
上まで品定めするように私の顔を覗き込んだ後、

全く理解できない。

と言われ、席をたたれました。
借りを作りたくないと思って、自分の分は
払わせてくださいと、申し出たら、

じゃ、よろしく(!?)

と言われ、食事代すべてを支払うことに・・・。
土砂降りの中、ホテルの車止めから少し離れた
ところで下ろされ、一言の挨拶もありません
でした。

数時間で別の人生を体験したような
ひどい疲労感でした。
遠方でよかったと思いました。
あるタイプの人を引き付けているのは、自分自身の
優柔不断さと自尊心の無さなのだ
ということを
改めて思い知った一日でした。














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