ROG Ally X、その後
まえがき
ありがたいことに諸々の制作やライブで忙しくさせていただいていたので、久々の更新になりました。
前回「ROG Ally XをメインPCにする」でたくさんの反響をいただきうれしかったんですが、思うところあり、Ally Xを手放すことにしました。その顛末を書いておこうと思います。
ROG Ally Xは完璧だった
誤解のないよう初めに書いておきますが、Ally X自体に問題があったわけではありません。
実際に約三ヶ月使ってみて感じましたが、ポータブルゲーミングPCとしては現状完璧に近いプロダクトです。このジャンルの端末に求められることは全部高い水準で満たしていると感じます。そこはめっっちゃ良かった。
ゲーム機としての所感を書いておくと、手持ちのゲームでは一番重いスターオーシャン6が最高品質でフレームレート30〜45fpsくらいで安定動作していました。敵の数が多い戦闘などは流石に多少処理落ちが発生しますが、画質を落とせばスムーズに動作します。コントローラーの操作性も良く、自分くらいのライトゲーマーであれば実用十分な性能です。
また単純にWindows PCとしても不足はなく、大抵のクリエイティブワークには耐えられると思います。
実際に直近のM3秋で頒布した新作は、録音からマスタリング、アートワークまですべてAlly Xで完成させたCDです。
それなりにパワーの要るプラグインを複数のトラックとバス、マスターに挿していましたが、Ryzen Z1 Extreamの処理能力は伊達じゃなく、DAWが落ちたりカクついたりすることはありませんでした。
負荷をかけるとファンの音が少し気になるものの、通常のゲーミングノートとは比べ物にならないくらい静かです。
使用環境は前に記事を書いた時から少しだけアップグレードしていて、PD100Wの電源を追加してハブ経由でも30W Turboで動作するようにしていました。
外出時はUSBケーブルを一本抜くだけでOK。
当初の目論見通り、「画面とバッテリーを積んだUMPC」としてばっちり運用できていた訳です。
なぜ手放したのか?
極めて主観的な意見なんですが、「万能性と外観の不一致」が一番の要因です。
PCとして極めて万能なのに見た目が完全にゲーム機なので、使用を控えたい(控えざるを得ない)場面が結構あったんですよね。
ましてや本気で作業しようと思うとサングラス型ディスプレイの補助が要ります。外観が異形すぎる。
十分なスペックと持ち出しに適したポータビリティを備えているのに、結果的に据え置き運用している時間の方が長く、いつしかそれが大きなストレスになっていました。「基本持ち出さないけど、必要なら持ち出せる」という感じ。
それなら据え置き前提のミニPCでいいように思え、手放すに至った次第です。完全に使い方と割り切りの問題ですね…。
念のため断っておきますが、自分ひとりのプライベートな時間では普段から外でもバリバリXREAL Airを使い倒しています。でもTPOってあるよね、という話です。
実際にやってみるとポータブルゲーミングPC+サングラス型ディスプレイの異形感ってかなり「やってる感」が強いんですよね…。遊んでるようにしか見えない。
だからそのあたりを割り切って普通にゲーム機として買ってる人が多いんだなといまさらながら思い至りました。納得。
必要スペックについての気づきと今後
今回ROG Ally Xを所有してみて得たのが、現状の自分の用途だと「RDNA3搭載のミニPCが最適解」という気づきでした。dGPUまでは要らない、でも最低限のゲームもしたいという要件に合致し、持ち出そうと思えば持ち出せるフットワークもちょうどいいです。
そんな訳で注文したのがこちら。
Ryzen 5 7640HS、RDNA3のRadeon 760Mを搭載した絶妙なスペックの超コスパPCです。
品薄のようでまだ手元に届いてないんですが、CPUもグラフィック性能もAlly Xの8掛けくらいなので必要十分と踏んでいます。65WのPDで動くので、引き続きケーブル一本の抜き差しで運用できるのもいい。
そして外出用の端末としては、単純にiPadを買い替えることにしました。
11インチiPad Air(M2)を購入。無印iPad第7世代からの買い替えで、こちらはすぐに届いて早速使っています。PCの代わりとして考えると癖は強いんですが、慣れれば普通にほとんどの作業を代替できますし、M2なので当たり前に快適です。このnoteもハブに繋いだPCライクなスタイルのiPadで書いています。
マルチツールとしてのiPadが好きなんですよね。出先ではXREAL Airでも運用できるし、なんならミニPCのモバイルモニターにもなる。
あと単純にタブレット形状+常時電源オンが前提のモバイルOSというのが自分にとって取り回しが良くて、しっくり来るように感じます。古のWindows使いの方にはご理解いただけると思うんですが、Windowsタブレットだとちょっと気を遣ってしまうんですよね。
結果的にAlly Xの売却費用からちょっと足が出ていますが、所有する経験と自分にとっての知見にお金を出していると考えているので特に後悔はありません。やってみてよかった。
とりあえずしばらくはこの構成で制作したり遊んだりしていこうと思っています。
おわり