XREAL Beamを買った
まえがき
前回、XREAL Airをモバイルモニターとして使いはじめたという記事を書きました。
主にDeX、たまにWindowsを繋いで軽作業をする用途です。
思っていたよりも実用的なデバイスで、「装着時の異形感が強いこと」意外は概ね満足しています。
しかし実際に使い出してみると、やはりというかかなり目が疲れるんですね。頭の動きに画面が付いてくるので端のほうを観ようと思うと眼球運動で見るしかないんですが、これが凄い疲れる。
「見やすい位置に見たいものが来るように頭を動かしていたんだな~」といまさらながら自覚しました。
そんな訳で「画面位置を空間固定する必要がある」という気付きを得たんですが、調べたらなんとできるんですね。純正オプションのXREAL Beamで。
すぐに買いまして、実際に使ってみましたので、使用感などつらつらと思うところ書いていきます。
Neburaじゃダメなのか?
そもそも接続先がAndroidであればNeburaアプリを使うことで3DoF体験ができてしまうんですが(そして単に空間固定という用途だけならこれがなかなか良いんですが)、このアプリが実質ブラウザしか使えないこと、そのブラウザ機能が貧弱であること、操作がスマホ本体をリモコン代わりにしてのポインター方式であることから、現時点ではちょっと本格的なデスクワークには耐えないかなーというものでした。
とはいえ3DoF自体はしっかり効いていて、アプリとしてのポテンシャルはあると思うので、できることが増えてポインターがタッチパッド式になればこれはこれで使いみちがあるように感じます。
ちなみにMacユーザーでMacでしか使わない、という人はMac用Neburaもある。かなり実用的っぽいので、この場合Beamは不要かもしれません。
購入&外観
さておき思い立ったのが休日だったので、これ幸いと札幌のヨドバシカメラへ行ってきました。
QuestとかポータブルゲーミングPCのあたりに陳列してあると思ったんですが、ヨドバシとしてはこれはスマホのアクセサリーに分類しているらしくて、モバイルバッテリーやスマホケースの近くに売り場を発見。
個人的にこれはモバイルモニターの一種だと思っているのでこの配置には違和感がありますが、スマホと繋いで動画を観るようなライト層を想定してるんですかね。でもそもそもライト層はARグラスを買わないと思うので、ポータブルゲーミングPCの隣に置いておくのが最適解のような気もします。
ともあれBeamもちゃんと在庫があり、即日購入することができました。凄いことです。ありがたい。
外観はこんな感じ。柔らかいグレーの本体に、左右のボタンで赤と青のアクセント。好みかと言われるとそうでもありませんが、地味になりがちなガジェットの中で悪目立ちせずにうまく差別化できてるのかなと思います。
10,000mAhのモバイルバッテリーくらいのサイズ感です。重さも同様。
せっかくなのでモバイルバッテリーと並べてみました。厚みもなく、持ち運びはしやすそうです。
良かった点
3DoF運用ができる
シンプルですがこれに尽きます。画面を空間に固定して使えるようになる訳ですが、個人的にはARグラスを使ってみて一番欲しいと思った機能がこれだったのでかなり満足しています。
USB-CかつDisplayPort出力対応の機器であれば入力可能。アダプターを別途買えばHDMIからの変換でも行けるので、かなりなんでも受付できる所感です。自分はこんなのを買いました。
また0DoFに設定した場合も、Beamを繋いでいるとブレ軽減機能が働いて、画面がヌルっと付いてくるようになります。歩きながらでもだいぶ使いやすい(もちろん室内での話です)。
自分はあまり使っていませんが、視界の隅に画面を置いておける機能も便利ではある。常時表示のコンソール的な使い方ができますね。
画面サイズの調整ができる
105インチ~140インチまで自由に設定できます。全体を俯瞰する必要がある作業のときには見切れ対策で105インチに、それ以外はデフォルトの120インチに設定していることが多いです。
Beam単体で動画コンテンツが視聴できる
Beam自体がAndroid11ベースということもあり、単体でNetflixとAmazon Prime Videoに対応しています。ファイルブラウザとVLCを使って、PCから転送した動画ファイルの再生も可能です。
気軽に使えるのが強み。こういう用途は想定していなかったんですが、アマプラを契約しているのでこれはよかったです。アニメ視聴が捗ります。
使いづらいと感じた点
接続が煩わしい
XREAL Airの「機器と繋ぐだけ」という機動力の高さにメリットを感じていたので、Beamを挟むことでこの手軽さが失われてしまう点が悩ましいと感じています。
いや買う前から分かってた。でも実際使ってみるとやっぱり煩わしいですね。出先で使うときに持ち物や手間が増えるのは塩梅が悪いです。
机上がごちゃっとしちゃうのもスマートじゃない。
結局は作業しやすさとのトレードオフだと思うので、ちょっと使いなら直挿し、腰を落ち着けて作業するときはBeamを挟む、みたいな運用でカバーできればいいのかなとは思います。
でも一回画面固定しちゃうと、直挿しで作業する気になれないんだよな~。
無線接続は使いづらい
単に「動画を観る」とかなら大丈夫なんですが、無線接続では明らかな遅延があるのでポインターの動きが滑らかに追従しません。カクカクになる。
デザインワークやDAW操作など、細かなマウス操作が必要になる作業は難しいと思います。テキスト作業くらいならギリギリ大丈夫。
映像入力しながらの充電はできない
そもそもグラス環境でそんなに長時間作業しないとは思うんですが、いつもフル充電でスタートできる状況だけでもないので、Beamと入力機器の双方に給電しながら使えたらよかったなーと感じます。
なお、Beam単体で使う場合はポートが空きますので充電しながら使うことができます。
ポインターのオンオフ機能が欲しい
家事しながらとか、体を動かしながらBeam単体で「ながら見」するときにポインターをオフしたい。ロックできる機能があるといいのかなと思います。
熱対策が必要
あまり気にせずにBeamを上着のポケットに入れて、スマホと無線接続で動画を観ながら家事をしていたところ、「温度が上昇したので停止します」というエラーが出て止まってしまいました。
端末上部が通気口になっているようで、ここを塞がないよう工夫が必要なようです。気にしながら使うようにしてからはハングしていません。
こんなところ。
おわりに
改善してほしい要望はあれど「3DoF化する」という当初の目的は大いに達成できたので満足しています。接続の煩わしさは慣れるしかない。
VITUREがグラス単体で3DoFできると知って気になっていたんですが、実際に使っているガチなユーザーの方からXで貴重な情報をいただいて、Xreal Airと同じような状況なんだなと知ることができました。
現状、VITUREもBeam的な補助装置(ネックバンド)がないと、実用的な3DoF運用はできないようです。
Beamのおかげでかなり使い勝手がよくなりましたので、これなら今後も実用したいなーと感じた話でした。めっちゃいいです。
おわり