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iPad Air (M2)をPCライクに使う

まえがき

iPad Air(M2)を購入しました。iPad 7(2019)からの買い替えですが、iPadの買い替えというよりはむしろノートPCの代替としての購入です。
結果とても良かったので、使ってみての所感など書いておこうかと思います。


ノートPCに飽きちゃった

人生初PCから15年くらいThinkPadを買い続けて、ここ最近はCHUWIのノートPCを使っていましたが、ぶっちゃけ「ノートPC」というフォームファクタに飽きちゃってるんですね。
そこで数年前からタブレットでノートPCを代替できないかちょこちょこ試行しています。Androidタブレットだと最終的に音作業が満足にできなくてどうしてもWindowsノートに戻ってきちゃうんですが、新しいiPadならやりたいことが全部できるんじゃないかと考え、今回の購入に至りました。

手持ちのiPad 7(2019)ではスペックが厳しく動作が緩慢だったため、これを買い替えてタブレット+ノートPCとして使ってみることにします。

用途とモデル選定

自分のタブレット端末の用途は主に「電子書籍閲覧、WEB作業、デザイン制作、ライブでの同期音源再生」です。
まともにデスクワークするには最低でも10.5インチ以上のディスプレイが必要と考えているので、iPad miniは除外。更に出先で使うことが前提なので、機動性を考慮すると11インチモデルが自分としてはベストでした。

iPad 10やiPad Air 第5世代、iPad Pro…とか色々考えたんですが、調べれば調べるほど新型iPad Air(M2)のコスパが光るんですね。なので普通にApple Storeで新品を購入することにしました。128GBモデルで9.9万円。注文して数日ですぐに届きました。

タブレットとしての使用感

わざわざ書くまでもないことですが、単体のタブレット端末としては当たり前に最高です。
電子書籍ビューワーとして、動画鑑賞用のメディアタブレットとして、映像も音も充分なクオリティで非常に満足度が高い。
タブレットってデジタルTCGと相性がいいんですよね。なのでたまにシャドウバースを遊んだりもしています。

ノートPCとして使う

さてここから本題ですが、周辺機器を繋いでPCライクに使ってみました。
キーボードは夏ごろに買って以来愛用しているMOBO Keyboard 2、マウスはMagic Mouse 2を用意。

キーボードは英字配列(101/102)として認識されます。大事なことなんですが、PCライクに使おうと思っている人はCommandキーのある(iPad対応と謳われている)キーボードを用意したほうがいいです。
キーの機能を入れ替えて…とか、なんとか半角/全角キーで変換できるようにするには…とか考えだしてしまうと、もうそれだけでiPadOSが嫌になりかねません。
WindowsやMacと違う部分に関しては「そういう作法なんだ」と納得するのがiPadOSと付き合っていくポイントだと思うので、きちんと対応したキーボードを選ぶというのも重要かと思います。

慣れてしまえば普通に快適です。
設定面では、ハードウェアキーボード→「自動大文字入力」と「自動修正」はオフ、「スマート全角入力」はオンで使っています。
ライブ変換は好みが分かれるところかと思いますが、自分はいまのところオンで使っています。

マウス操作は結構癖があるように思います。デフォルトだとポインタが近くにあるボタンに吸い寄せられる動作になっており、これはちょっと癖が強すぎるので、アクセシビティ→「ポインタアニメーション」からオフ。
Magic Mouseじゃない場合は、トラックパッドとマウス→「ナチュラルなスクロール」をオフでホイールのスクロール方向が一般的なものになります。Magic Mouseの場合はオンのままを推奨。

あとはトラックポイントとマウス→「軌跡の速さ」からポインタの速度を、アクセスシビティ→ポインタコントロールから「スクロールの速さ」をそれぞれ速めに設定しました。この辺は好みがあると思うので、使いやすい設定を探すといいと思います。逆に言うと、繋いだだけでは使いにくい可能性があるということですね。ちゃんと自分好みに調整してやりましょう。

余談ですが、最初ポインタが丸いのが地味にきつかったです。もう慣れましたが、要するに「ポインタは矢印」という先入観が邪魔してくる訳ですね。でもそういうもんなんだと思うしかない。丸いポインタもある、丸くてもいいじゃない。自分を変えればスムーズに事が運ぶこともある。iPadを使っているとそういうことを思い出せてもらえます。柔軟に生きていきたい。そもそもWindowsに飽きちゃったからわざわざiPadを使っている訳で、そう考えると丸い方がいいに決まってる。むしろ丸であれ!

自分は使ってみたかったので用意しましたが、別にMagic Mouseは必須ではないと思います。好みのBluetoothマウスで大丈夫です。
ただタッチスクロールは快適ですね。画面をタッチした時と同じ、吸い付くようなスムーズなスクロール体験が得られます。スワイプ動作での「戻る・進む」も便利。ガラス素材でかつ少し重いのが残念ですね。落としたらたぶん割れるので、モバイル向きではなかったなと。

ケースも好みが分かれるところかと思いますが、自分はProCaseの風呂フタタイプを愛用しています。

風呂フタタイプはスタンドなしで自立してくれるのがいいですね。自分は気になりませんが、角度調整できないのが難点といえば難点かも。

画面のほうは、作業内容に合わせて切り替えながら使っています。
デザイン系の作業は全画面で、テキストベースの作業はSplit Viewかステージマネージャのどちらかで行うといった感じ。

出先での使用例

基本はSplit Viewで左右にアプリを置いて使うことが多いですが、Split Viewに対応していないアプリの場合でもステージマネージャならマルチウインドウで使えることがあったりするので、従来のiPadより柔軟に作業できます。さっと手を伸ばしてタッチ操作できるのも当たり前に強い。

据え置きのコンピュータとして使う

映像出力とPD電源に対応したUSBハブを使えば、ケーブル1本挿すだけで自宅でもiPadをメインのコンピュータとして使えてしまいます。Type-C化の圧倒的な恩恵ですね。
自分はROG Ally Xを使っていたときに買ったUGREEN Unoを流用しています。

HDMIで外部ディスプレイに出力。マウスとキーボード、オーディオインターフェースをUSB接続。100W対応のPD充電器で給電しながら、デスクトップPCスタイルで使えます。
この時、いわゆるバッテリーケアモードが使えるのがうれしいポイント。バッテリー→バッテリーの状態から「上限80%」をオンにすることで、バッテリーへの負荷を回避しつつ、電源を繋いだまま使うことができます。
この機能があるので、安心して据え置き運用ができるんですね。めっちゃいい。

外部ディスプレイはあくまでステージマネージャ用に拡張されるという扱いです。なのでiPad側のディスプレイはオフできず、2画面を併用するのが基本となります。iPadのディスプレイをオフできたらよかったと思いますが、外部ディスプレイ接続中も普通にiPad側の操作ができるので、これはこれで便利。

オーディオインターフェースも普通に動くので、外部ディスプレイでDAWアプリを全画面表示すると見た感じは完全にPCと遜色ありません。
画面が広いので、マルチウィンドウでのWEB作業やデザイン制作も捗ります。ステージマネージャの使い勝手を覚えてしまえば、なかなかに快適です。

iPadはPCの代わりになるか?論争

よく「iPadはPCの代わりになるか?」という記事を見かけますが、個人的には「2024年現在であれば、明確に代わりになる」と思いました。クリエイティブ系含め、コンピュータでやりたいことは大抵やれる環境とスペックが揃ってる。WEBでかなり多くの作業が完結できるようになったのも大きいです。
Type-Cで周辺機器もほとんど十全に動きますし、さすがにここまで進化すれば、PCがなくても大丈夫なんじゃないでしょうか。
少なくとも自分は、二週間ほどiPadのみの環境で過ごしてみて、全然なんとかなるな〜と感じました。

こんな感じで、既存楽曲の動画投稿に使ってみました。
PCからの移行であれば、独特な操作感に慣れる必要はあります。そもそもが違うOSだし、タッチ操作が前提なので当然ですね。あとは使いたいアプリがない場合の代替策が打てるかどうか。
自分はWindowsで本格的なDAW環境を構築してしまっているので併用が前提ですが、仮に「iPadしか使えない呪い」にかかったとしても、iPadに対応したDAWで一から構築すればなんとかやっていける気がします。

デフォルトの「ファイル」アプリがかなり柔軟になったのが強いですね。今後はアプリ間のファイル受け渡しがD&Dでできるようになればよりいいなと思います。

おわりに

iPad Air(M2)というより、最近のiPadの使い勝手の所感を書き散らした記事になってしまいましたが、本当にいいコンピュータだと思います。
使いたい時にさっと使えるカジュアルさを保ちつつ、M2を積んでるので腰を据えての重たい作業にも対応できる。周辺機器を揃えてメインのコンピュータとして使ってもいいし、今回書きませんでしたが、XREAL Airと組み合わせても面白いです。

Windowsと併用できて腐らないのもいいですね。
これ別途記事を書きたいくらいなんですが、メイン機としてのポテンシャルもさることながら、補助ツールとして見た時にもめっちゃ万能でいい。
PCの外部ディスプレイとして使うとかボイスチャット端末として使うとか、アンプシミュレーターにするとかMIDIキーボード代わりにしちゃうとか、用途が無限にあります。そういう意味でも買って良かった感が強いです。

自分は今回iPad Airがフィットしましたが、用途に合わせて機種選びできるのも強みですね。
無印かAirか迷うならひとまずステージマネージャが要るかどうかで判断してもいいと思いますし、Apple Pencilを使ってiPadをメイン使いする瞬間が多いならProも選択肢に入ってくると思います。

使い込もうと思うと覚えなきゃいけないことも結構あるんですが、直感的に使えるので、お子さまのファーストコンピュータにも良さそう。簡単に使えるし、深くも使える。とりあえず安易に予算に合うものを買っちゃってもいいと思う。

万能コンピュータとしてのiPad、総じて全方位的におすすめです。

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神宮カミト
いただいたお気持ちはコーヒー代となり、また次の記事となってこの世界を輪廻します。

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