「ペチュニアの咲く丘に」#1 部屋探し
自分の部屋に戻った咲良は頭に血が上り、沸々とした感情をエネルギーにして、部屋探しを始めた。
といっても、人と話すのが好きで、営業職に就いた咲良が、一人暮らしを始めたら、寂しくなりホームシックになるのは目に見えている。
一度出ると決めたらそう簡単にぬくぬくと実家には帰りたくない。
とすると、昔から憧れていた、心許せる友人とルームシェアするというのはどうだろうか… いや、正直そんな都合よく一緒に住んでくれるなんて難しい。
そうだ、シェアハウス。
咲良は昔から、一人で考え一人で完結してしまう性格だ。良くも悪くも。
こうして「都内_シェアハウス」で探した。
100部屋完備のシェアハウス、映画が観れるシェアハウス、ヨガスタジオ完備のシェアハウス… 探してみると都内には多種多様なシェアハウスが存在していた。
寂しがり屋と言えども、仕事で疲れたり、一人になって部屋に籠りたい時もあだろう。矛盾だか、少人数のこじんまりしたシェアハウスを探し求めた。
咲良が決めたシェアハウスはこじんまりとした、丘の上の閑静な住宅街の中にある一軒家だ。