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ゲミュート闘争

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夢のなかで泥棒、侵入者と戦って、実際に身体を動かしているらしく(”夢中”になって身体を動かしている実感がある)ベッドから転げ落ちることが続いている。泥棒相手ではベッドから落ちて床に頭を打った。これは痛かった。侵入した不審者との闘争ではベッドから落ちた結果、左足首に軽い傷を負った。今夜からはベッドの下に厚い布団を敷いて安全策をとるつもりだ。しかし長い人生でこれまでベッドから落ちた記憶はない。

今朝も夢で戦った結果ベッドから転げ落ちた。相手に対していうべき言葉も発していたが口が金縛りにあったように不自由で音声にならない。状況は不可解ではあるが、例えてみれば、皆で「寝たまま」労働組合のピケを張っているところにスト破りの右翼が一名殴り込んできたと思えばわかるか。

ナチスの軍用ピストルを金ピカにメッキしたようなものを取り出したので、これはいかんと思い乱闘になった。ベッドから転げ落ちたのは今回で三度目になる。以前の教訓で今はベッドの下にかけ布団と冬用寝袋を置いて寝る習慣なので痛みもなく怪我もしなかった。ベッドにもどっても覚醒した意識とイメージは続いた。われわれはたしかに赤い人間にはちがいなかった。

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夢を見た。古びた家を買って引っ越してきたらしい。家のなかを探索している。暗い家のなかは手すりや桟に埃がたまっている。下方に続く階段の弱い照明の先に地下室もあることを知って驚く。地下室は後回しにして階段を上っていくと右側にインターフォンのある室の開いた入口から光が見える。

旅館で部屋に案内されているような気分になってきた。ともかく広い部屋だったが、そこはまだ普通の和室だった。しかし、その奥にはさらに大きな空間が広がっていてある種の会場になっている。これなら自宅でいろいろな催しが開けるだろう。

会場という考えに反応したのか、その会場の先に空間がつながっていたのか、明るい近代的なホールに出た。高校生くらいの集団が音楽会を開いている。その脇を通り過ぎてホールの外に出て振り返ると、門柱のある街の入口のような作りの外観が眼に入った。

こんな豪儀な家を買ってしまって税金はいくらかかるだろうと考え始めたところで目が醒めた。門柱に「街」の名が刻んであったが意識が離れてしまって読めなかった。

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「アストラル体×自我」が「生命体×肉體」から半分抜けかかった状態における真実かあるいはわたしの弱い心のアジールか。ゲミュート不可解。

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