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焚火(改稿#4)

夜の終わりまで
リハビリに励む
詩的障害者
過冷却の夜が凍りつく朝
言葉の焚き火で暖を取る

 もう行かなければ 
 仕事の時間だ
 しかしこの火は消さないでおいてくれ

空の断片が 空の無数の断片が 黄色くなって落ちてくる 
風のなかを舞って 土着の神々に逢いに 
神話の断片 黄色い言の葉が落ちてくる
天の魚の鱗が 光りながら 剥がれ落ちてくる
神様が一行の釣り糸を垂らしている

詩に対してそっぽを向くこと
が詩に対してもっとも誠実な態度であるような
そんな時代にぼくは生きている

   *

放射状の嘆きを嚥下する
二枚の翼が眼を
もう二枚が耳を
最後の二枚が口を塞いでいる
異形の天使が眠っている
黒いミクロコスモス

のっぺりした顔

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