視座、視野、視点をゆさぶる
ロールチェンジの落とし穴
ここ数年、新米マネージャーのメンターを担当させてもらっている。
それぞれ置かれている状況、バックグラウンドは千差万別だが共通した課題が見えてきている。
1. 以前のロールにへばりつく(視座が低い)
2. ミッションではなくチームにフォーカス(視野が狭い)
3. コミュニケーションが内向き(視点が固定化)
ひとつひとつみていきたい。
1. 以前のロールにへばりつく(視座が低い)
新しい役割で求められていることがあるにも関わらず、以前得意としていたことにばかり時間をとってしまう。
これは、新しく求められているミッションへの理解が足りていなかったり、それまでの「プルリク出した」「デプロイした」というわかりやすいアウトプットから離れることへの恐怖感などから生まれる行動ではないだろうか。
2. ミッションではなくチームにフォーカス(視野が狭い)
どうしても「今のチームでできること」で考えてしまう。
求められていることは「今のチームでベストエフォートの成果を出す」ことではなく、「ミッションを完遂する」ことだ。
そのためには「今のチーム」の外側からの補強、「今のチーム」自体の強化、チームが抱えるタスクの取捨選択などあらゆる手段を講じる必要がある。
それまで「マネージャーの仕事でしょ」と思っていたことを自分がやる番だ。なぜなら、まさにそのマネージャーなのだから。
3. コミュニケーションが内向き(視点が固定化)
それまでの、ほぼエンジニアしかいなかった環境と比べ様々な職種の人と触れ合う機会が増える。
また、常に行動を共にしているわけではない別チームとのコミュニケーションも増えてくる。
そのときに、もといた場所でのコミュニケーションスタイルだと意外なほどうまくいかない場合がある。
例えば大学院の研究室のような率直なものいいをするチーム出身だった場合、そのコンテクストでファーストコミュニケーションをとると周囲からは攻撃的なマネージャーのようにうつる。
ここがある意味一番難しいが、相手にどう伝わるか、どう伝えるべきかという視点が必要になってくる。
それってマネージャーだけが必要なこと?
上記要素はマネージャーだけがもっていればいいのか?
答えはノーだ。
しかし、現実問題として視座を上下させ視野を広げ、相手の目線から物事をみつめるということを誰もができるわけではない。
(ほとんどの人がそれをできる組織は、それこそティール組織に近づきマネジメントの必要性が薄れるのかもしれない。)
メタ認知でロールチェンジの谷を越えよう
「君はマネージャーだ」「君はテックリードだ」そういわれた瞬間に人が変わるわけではない。
なぜわざわざ新たな看板をあなたに与えるのか?
それは実績や期待値から、新たな役割を全うしてくれる、してくれるように成長できると期待しているからだ。
であれば新たな役割がなにかを捉え、行動を、マインドを変えていく必要がある。
これまでの方法論をいったん床におき、鳥の目で自分をみつめ、新たな役割でどう行動するのか考えてみよう。