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時間がない…と嘆きがちなマネージャーに読んでほしい、割り込みタスクをなんとかする方法

時間がない!!

マネージャーの皆さん、マネージャーではないけれども割り込みタスクに忙殺されているみなさん、おはようございます。
先日、友人と会話しているときに「いつもレスが速いけど、どうやって処理してるのか」と聞かれました。何って…ただ目の前にきた問い合わせを素早く処理してるだけだが?と思いつつ会話を進めていくと、ああ自分がやっているタスクのさばき方は一つの技術なのかもしれない、と思い至ったので書き記しておきます。なお、基本的にはGTDの考え方でやってます。

前提:人間はシングルコアである

まず前提として、人間はシングルコアです。同時に二つ以上のことはできません。(じゃあギターボーカルはどうなるんだとかそういう話は今回のスコープじゃないので置いておきます。)
では、シングルコアしかない人間は、どうやって割り込みタスクに対処すればよいのか。
簡単に捌けるもの(自分が知っていることに関する質問)であれば、やってきたものを順にやっつけるFIFO(First In First Out)で処理していけばよいでしょう。
けれども、中には処理に時間がかかるものもあります。また、割り込みタスクが来た時点で別のタスクを抱えている場合、すぐに対応することは難しくなります。
マネージャーという役割を担っていると割り込みがやってくるのは日常茶飯事なのですが、マネージャーは得てして重ためのタスクをもってたりするものです。なので素直にFIFOでやっていると、どんどんタスクがスタックしていき、「俺が…俺がボトルネックだ!」となってしまいます。せつない。

じゃあどうやってさばいていくといいのか。以下で解説します。

技術1: 割り込みタスクの重さをざっくり見積もる

まず、やってきた割り込みタスクの重さを見積もります。見積もるにあたって最初に確認するのは以下です。

  • それは自分にとって既知のもの/やったことがあるか否か

未知のもの、やったことがないものであれば見積もりは不可能です。けっこうかかるかもしれないし、サクッと終わるかもしれないやつです。
ここで既知のもの、やったことがあるものであれば次のステップにいきます。

  • 数分で終わるものか

数分で終わるなら、サクッとやっちゃいます。そうでないなら、さらに見積もっていきます。

  • 数時間程度か、1日仕事か、数日かかるか、それ以上かをざっくり判断する

これでざっくり見積もりは終わりです。

技術2: 「タスクを承ったよ」ということを素早く伝える

見積もりができたら、割り込みタスクを依頼してきた人に返答します。これはなるべくすぐやりたいところです。なぜかというと、割り込みタスクを依頼して来た人はその依頼が受け取ってもらえたのかどうか気になっている状態なわけです。「受けつけたよ」ということを伝えることで相手のマインドシェアからいったん割り込みタスクのことを取り除いてあげられるのです。

どのように返答するかは、タスクの規模感によっても変わってきます。

数分で終わるものだったら、やっつけてしまってから「やっておきました」と回答しましょう。これで、その割り込みタスクに関してのやり取りはクローズできます。

数時間〜数日のものなど見積もれているものは、「だいたい◯◯までにできるとおもいますが、それでいいですか?」と返答します。

数週間規模になってくると、そもそも一人でやるべきか?という点や、そもそもそこまで手間をかけてやるべきか?を確認したくなってきます。
「わかりました!ところで数週間仕事になる見込みなんですが、想定通りでしょうか?」と、相手が想定している規模感なのか確認しましょう。もしかしたら、サクッとできるならやってもらいたい、時間がかかるならやるべきか検討したい、という類の割り込みかもしれませんので。

やったことない、知らないものについては素直にそれを伝えるとよいでしょう。
「そこ知見がないので、どれくらいかかるかわかりません。どなたか有識者ご存知ですか?」と尋ねてみましょう。相手はあなたを有識者だと見込んで依頼している可能性があり、有識者じゃないことを明示することで「だったは他の人に頼みます!」となるかもしれません。

技術3: 優先順位をつけてさばく

上記で割り込み依頼に回答する際に、いつまでにやってほしいかも聞いておきます。期日が後ろのものから、カレンダー上に並べていきます。(これはリアルカレンダーでも脳内カレンダーでも、どちらでもいいです)
ざっくり見積もりで、最も悲観的な見積もりで並べていき、期日を超過するリスクが高いもの(期日が近い、作業規模が大きいなど)から優先的に取り組んでいきます。

技術4: 割り込みを減らすテクニック

上記の技術1-3では割り込みを全て捌く想定ですが、そもそも割り込みを減らしていくこともやりたいところです。
以下のような割り込みは減らすことができる可能性が高いです。  

  • 別々の人から何度も聞かれること

  • 自分以外でもできること

別々の人から何度も聞かれること

セルフFAQみたいなものをつくっておいて、聞かれたらそこからサッと回答を取り出すといいでしょう。
また、どこかにドキュメントでまとめておいて、聞かれたときに回答しつつ「ここのドキュメントにまとまってるから、詳しく知りたかったら読んでみてください」と促すのもおすすめです。
ポイントはいきなり「ドキュメント読め!以上」としないことです。聞かれたことには答えつつドキュメントを提示することで、「あなたの話を聞く意思があります」というメッセージを送ることができます。逆にいきなりドキュメントを読めと言ってしまうと突き放す感じになってしまうので要注意です。(関係性によっては大丈夫な場合もあります)

自分以外でもできること

まあ、大体のことは自分以外もできますよね。なんなら依頼してきた人自身ができたりもする。
そういうものは、依頼されたときに「ちなみにこういう作業って今後もありそうですか?」と聞いてみましょう。それがイエスなら「よかったら一緒にやってみませんか?サポートしますよ」と声をかけます。
それでその人が出来るようになったら、今後サポートすることはあれど、割り込み作業の負荷は確実に下がります。
そしてもう一つ重要なのが、他の人からその依頼がきたときに「◯◯さんもそれできるんですよ!きいてみてください!」と委譲することができるんです!

技術5: 近接したコンテクストのものを束ねる

世の中に「全く同じ」というものはなかなかありませんが、「だいたい同じ」ものは結構あります。たとえば別々の人から似たような依頼が来たときに、少し抽象化して、誰にとっても「だいたいあってる」なアウトプットを作って渡す、といったアクションは、複数の割り込みを一気にかたすことができたりします。
たとえば社内のナレッジマネジメントツールに書き出したり、ブログに書いたり。
これの副次的効果としては、別のタイミングで「だいたい同じ」依頼がきたときに、「あるよ」とすぐ出せる、というものがあります。

技術6: みもふたもない話だけどスキルを磨く

最後は超正攻法。自分のスキルを磨いてタスクにかかる時間を短くすれば、割り込みも怖くなくなります。

で、この「スキルを磨く」に時間を割くためには、割り込みタスクにかける時間を短くしたいわけです。1-5のテクニックを使って割り込みを減らし、自分を磨いていくのが大切です。

スキルを磨く、については磨きたいスキルによってアプローチが異なるのですが、一例を書いておきます。

インプットする(ストック)

書籍やオンライン講座など、体系的にまとめられた知識をインプットします。書籍に関しては、ざっと読むだけでも良いのですが、要所要所でメモをとったり、読んだあとブログにまとめてみたりすると学習が定着しやすいのでおすすめです。
なお、同じ分野でスキルアップしたい同好の士がいるならば、輪読会やABDなどを実施するのもよいでしょう。

インプットする(フロー)

SNSやブログ記事からトレンドの情報をキャッチするのも非常に有効です。ただ、基礎的な知識がないとフロー情報の背景にあるものがわからなかったりするので、まずはストック情報のインプットに当てるのが個人的には好きです。

手を動かす 

プログラミングなら実際にコードを書いてみる。マネジメントなら、学んだことをロールプレイしてみる。現場で試すことができるとベターです。
現場で試す場合は「初めての取り組みだけどチャレンジさせてほしい」と一言伝えておくと、周囲も協力しやすくなります。

言語化する

学んだこと、手を動かして試してみたことをブログやスライドなどにまとめてみましょう。自分がまだやんわりとしか理解していない部分に気づけたり、言語化する過程でより学びを深められたりします。

割り込みは怖くない

というかんじでやっていけば、割り込みもそんなに怖いものではなくなっていきます。多忙極まるみなさんのお役に立てれば幸いです。

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