🟦NIO 廉価版新ブランド『ファイアフライ』発表

中国のEVメーカーNIOが小型車『ファイアフライ』を含む新製品ラインを発表。自社開発の5nm半導体搭載により、技術面での進化と市場競争への挑戦が注目されています。

🟦NIO 廉価版新ブランド『ファイアフライ』発表 ― 自社製5nm半導体で次世代EVを牽引

　NIOは、新ブランド『ファイアフライ（蛍火虫）』を2025年4月に市場投入することを発表しました。このモデルは、小型で機敏な動きを特徴としたホタルをイメージしており、価格は14万8800元（約320万円）という手頃な設定で、BMWの「MINI」に対抗することを目指しています。『ファイアフライ』は、既存の高級ブランド「NIO」やファミリー層向けブランド「楽道（ONVO）」とともに、NIOの3ブランド体制をさらに強化する役割を担っています。

　さらに、4人乗りの最高級車種「ET9」には、自社開発の5nmプロセス技術を採用した半導体「神璣(Shenji)NX9031」が搭載されています。この半導体は、運転支援システム（ADAS）の精度を飛躍的に向上させるだけでなく、エネルギー効率を最適化する革新的な技術です。『ファイアフライ』だけでなく、高級車種「ET9」もこの最先端技術を搭載することで、次世代EV市場での競争力を確保しています。

🟦 半導体技術の革新がもたらす競争優位性

　NIOが自社製半導体を採用する背景には、急速に変化するEV市場での技術競争があります。5nmプロセス技術は、既存の半導体よりも消費電力を抑え、高い計算能力を実現することが可能です。これにより、運転支援や自動駐車といった高度な機能が精度良く実現されるだけでなく、車両全体のエネルギー効率が向上します。

　また、NIO独自のプラットフォーム「SkyOS」との統合により、ハードウェアとソフトウェアが緊密に連携。この統合技術は、EV全体のパフォーマンス向上や使いやすさに貢献し、他ブランドとの差別化を図っています。

🟦 まとめ

NIOの新ブランド『ファイアフライ』は、小型EV市場での競争において大きな役割を果たすと期待されています。同時に、自社製の5nm半導体「Shenji NX9031」を通じた技術革新は、運転支援の精度向上やエネルギー効率化など、次世代EVに不可欠な要素を提供しています。

　手頃な価格とされる320万円も、欧州連合（EU）の追加関税が適用されればさらに高額になる可能性があり、欧米市場での競争が一層厳しくなるでしょう。