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🟦TSMCがインテルの米国工場運営を検討

半導体受託生産最大手のTSMCが、米インテルの工場運営への参画を検討していることが報じられました。


🟦 TSMCがインテルの米国工場運営に参画? 

 世界最大の半導体受託生産(ファウンドリ)企業である台湾積体電路製造(TSMC)が、米インテルの米国内の半導体工場運営に関与する可能性があると報じられました。この協議はまだ初期段階ですが、TSMCがインテルの工場運営を主導する案が浮上しており、トランプ政権の要請を受けたものとされています。

 インテルはこれまで、自社で設計・製造を行う「IDM(垂直統合型)モデル」を貫いてきましたが、近年の技術競争でTSMCに後れを取る場面が増えています。特に先端プロセス技術の開発では苦戦しており、財務的にも厳しい状況が続いているため、TSMCの技術と資本を取り込むことで、競争力を取り戻したい狙いがあると考えられます。

🟦 なぜTSMCがインテルの米工場に関与するのか?

 TSMCがこのような動きを見せる背景には、いくつかの重要な要素があります。

1. インテルの苦境

 近年はTSMCやサムスンに技術面で後れを取り、特に5nm以下の先端プロセス開発では遅れを取っています。インテルは2024年に製造部門を子会社化し、外部資本の導入を可能にしましたが、まだ具体的なパートナーは決まっていません。

2. 米政府の関与

 トランプ政権(およびバイデン政権も同様に)は、米国内での半導体生産を強化する方針を掲げています。インテルが外資との協業を進める場合、完全に外国企業に依存する形を避けるたに、米国の半導体設計企業が出資する可能性もあります。

3. TSMCの戦略的拡張

TSMCは従来、台湾を中心に生産拠点を構えてきましたが、地政学的リスクを回避するために米国や日本に工場を建設する動きを強めています。インテルの米工場に関与することで、TSMCは米国市場でのプレゼンスをさらに強化し、政府支援を受けやすくする狙いがあると考えられます。

🟦 まとめ

今回の報道によると、TSMCがインテルの米国工場運営に関与する可能性があり、協議が進められているとのことです。背景には、インテルの技術的・財務的な課題、米政府の国内生産強化策、そしてTSMCの戦略的な拡張が絡んでいます。

 補助金ではなく米国に投資を呼び込むというのは、まさにこういうことだったんですね。米政府が単なる補助金政策に頼るのではなく、TSMCのような世界的な企業を巻き込んで、実際に米国内での半導体製造を強化しようとしているのがよく分かります。


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