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vol.188/ なんでも容易いこの時代において

あれからまだローストビーフは作れていない。

今すぐ始めたいこと、“ゆっくり時間をかけて料理を作る”はお預け…、にはしたくない。
でもゴールデンウィークに夫と一緒に時間をかけて料理はできそうになかった。ならば、1人でやってやろうじゃないか。最近創作意欲が沸々と湧いて湧いてしょうがないのだ。



ずっとやってみたくて、でもやったことないし不器用な私には不向きでしょうがない。けれどもやってみたい!そんな憧れがあった“お菓子作り”。パンデミック当初、ローチョコバーにハマり、ローチョコバー作りにもハマって2年くらいは作り続けてはいたものの、材料を揃えることとお店で美味しいチョコに出会ってしまったからそれっきり。後にも先にもお菓子作りはローチョコバーだけだ。そんな今アレを作りたい、憧れのスコーンを。



なんて気高く高貴なお菓子なのだろうと幼い頃から思っていた。

スコーン: scone)は、スコットランド料理バノックより重い速成パン

小麦粉大麦粉、あるいはオートミールベーキングパウダーを加え、牛乳でまとめてから軽く捏ね、成形して焼き上げる。粉にバターを練り込んだり、レーズンデーツなどのドライフルーツを混ぜて焼き上げられることも多い。粗挽きの大麦粉を使って焼いたバノック(bannock)というお菓子がその起源とされ、文献に初めて登場するのは1513年といわれる。19世紀半ばに、ベーキングパウダーやオーブンの普及によって、現在の形になった[1]。現在では発祥地のスコットランドのみならずイギリス全土で食べられており、また大西洋を渡ってアングロアメリカでもよく食べられている。

Wikipediaより

そして私が作りたかったのは、できるだけ身体に優しい素朴で甘くないスコーン。今回は米粉をメインに作ろうということだけは決めていた。

【スコーン 米粉 グルテンフリー】

なんて検索エンジンにかければ、ザーッと、それはそれは大量にレシピが出てくる時代。さらに動画でもっとわかりやすくも出てくる出てくる。ただ見るのと作るのは別の話だ。結果、思った通りにはいかないのである。



どうやら私は米粉の量が多かったらしい。それは計量カップが海外使用なことをすっかり忘れていたことは間違いなく大きい。(計量カップの量は国によって様々、日本のものと海外のものとでは1カップが違うのだ)いつもはそれを頭に入れて料理をしていたのに、突如高貴なスコーンを相手に戸惑いそしてすっかり忘れていた。中々上手く生地がまとまらないしどういうことだ!?と理解できなかったがここはとりあえず焼く。とりあえず出来上がり味見をしたら、うんまずまず。だが私が思い描いていた高貴な品のあるスコーンには程遠い。というか正直別物が目の前にある。さらに食べてみて思ったのはスコーンとクッキーが相まったものであった。そして気付く、計量カップへの気遣いをすっかり忘れていたことに。



スコッキーと呼ばれるお菓子があるらしい。それぞ正しくスコーン×クッキーである。私は意図せずかなりハイブリッドでモダンなお菓子を作っていたらしい。(たまたま)
ほぼ初めてのお菓子作りは、
可笑しなまでに笑えた。
新しい、新しすぎる…でも失敗と思ったのも束の間、そんなハイブリッドてモダンなお菓子があることを今回知ることができたし、お菓子には間違いない。なんなら味はまずまずだし良しとすることにした。

何より時間をかけて自分や家族の為に作るという作業は周りを大切に、そして自分を大切にしている感覚があって良いものだなと思えた。外に出ればもっと美味しくって手頃なお菓子が食べられる。時間もかからないしとても容易いこと。そこをあえて、だ。ちょっとでも身体に良いものをという思いだったり、初めてのことに挑戦してみようという行動だったり。そんなことがなんでも容易いこの時代において大切で、愛だなと思うのです。



ローストビーフはまだまだ先になりそうだけど、粗熱のとれたスコッキーは割と美味しい仕上がりかもしれない。次こそは高貴で美しいスコーンを作るぞ!とスコッキーの出会に感謝を込めて…♡




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