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my sister
3/5-7、高円寺ギャルリージュイエで開かれたパクパジャプ個展「新しい町」は大盛況のうちに幕を閉じました。ご来場いただいた皆様に今一度、心からの感謝を。そして、来たくても来れなかった方々の思いにも感謝を。きっと彼にもその思いは届いています。本人でない自分が言うのも差し出がましい事ですが、ご容赦ください。
この三日間、彼が創り出した空間の中で過ごしていたその時を過ぎた後の自分の感覚というのは、どこか、どこでもないどこなのか、違うところから帰ってきたかのような気がします。
寄り添うと言う訳ではなく、彼の中にずっと流れ続けているものにどこか対峙するもの、彼がやってきた異国の地にある異質なもの。それが自分であるような気がする一方で、小学生の友達みたいな感覚ですね。歳は離れてますけど、そういうの一切関係なく。言葉で交わすやり取りって実はあまりいらない気がしています。
この作品についての経緯や自分の思いは、けっこう会期中に書いてしまっているのですが、
音楽について、最後に思うことは、それこそ異国の地の異質なものたちの邂逅。自然と出てくる言葉で紡いでいますが、言葉で表せないから、アニメーションや音があるんですけどね。
高円寺ギャルリージュイエは映像作品を並行して展示できる造りになっているのがとても魅力的でした。
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映像展示の準備やセッティングは最終的に自分にすべて任せてもらったのですが、3分という短い映像を繰り返し流すことは、すなわち、音楽が会期中ずっと会場内にも流れていて、それが立体展示の世界観ともうまく融合してくれていたのでは。
20年の春の上映会以来、見る機会があったのかどうかがわからない、それきりといえばそれきりになったままだった作品だと思うのですが、この三日間で、その中に詰まった様々な想いが、それは彼の想いだけでなく、自分の想いすらも解放されたのかもしれません。
一人でも誰かの心に届いていたら、きっと意味があるというその想いだけ強く、これまでやってきていますが、my sisterでも同様です。
ただ、いつもと違うのは、一人でも誰かの心に届いていたのでは、という実感があることです。それで、少しだけ自分も、救われたような気がしています。
「新しい町」走れない町、止めれない町
それは自分の今の立ち位置にも見えてくる気がしています。
昨年の東北の旅を通して、そして、自分が過去の作品、パクパジャプの作品で作った音楽、それら全てが生命という漠然とした概念でつながりを感じていた頃、様々な形の別れが続き、それは彼がこの後、チベットへ帰ってしまうということも含めて。心は虚になりそうな感覚がありますが、この先に自分がどうしていくのか、どうあがいていけば良いのか、それを言葉にしなければ理解もできずに何も変わられないのかもしれないけれど。
彼が内面から放った光をこの三日間で一番浴びていたうちの一人が自分で。その光の中で、たくさんの人たちとの再会があり、それは恩師の魂が引き寄せてくれたのかもしれないです。
ありがとうございました。
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