ポストコロナ時代、地方に住む私が感じるローカル経済の展望。(前編)
コロナの影響で各企業がITによる業務効率化を押し進めることになることになることになりそうです。わたしが暮らすローカル都市においても、この流れはきていると実感します。
私の会社ではITサービスの導入が遅れており、これまで導入を訴えようも経営陣や上司に対して理解が得られず、情報漏洩などをかさに導入が見送られていました。そんな変化を受け入れない上司らに対して、みな不満をそれぞれ持っていました。そのような体質に、会社に未来を託せず辞めていった若い社員もいた程です。
しかし、コロナ禍ではさすがに効率が悪いということで、ようやくシステムの導入が実現されることになりました。最近までかたくなにスマホを使わなかった上司もとうとうスマホを所持するようになり、LINEを使うようになった程です。半年前では想像もつかなかったことです。
とにかく、こんな遅れている我社でもIT化が進んでいることを考えると、日本社会全体がシフトチェンジの局面にいることは間違いないかと思います。コロナも第二波、第三波が予想されており、感染症のリスクに配慮したテレワークのスタイルは、今後定着していくことと想像します。また、テレワークが出来ない業種であっても形を変えて、仕事と新しい関わり方をしていくことになると思います。
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このような状況の中で、わたしはローカル都市で働いている者として、今後どうなっていくか考えてみたので、ひとつずつ思うところを書いていこうと思います。
ITリテラシーのある中堅・若手社員にはメリットが多く、いよいよ俺たちの時代が来たぜということなのかなと思っていましたが、単純にメリットだけではないなと思いました。むしろ不安な部分も多いなとも思っています。
なお、本文章は、雰囲気で書いてますのであらかじご了承ください。ファクト至上主義の方はご注意下さい。
ボーナスを始めとした給料が目減り。都市部で暮らす方が減る。
まず働く上で最初に起こるインパクトとして、多くの企業でボーナスが減っていく、あるいは無くなることではないでしょうか。
すでに外食、エンタメ・レジャーなどの不要不急な商品の業種は、4月の月次実績が8~9割減しているところがほとんどです。4月、5月は緊急事態宣言が発令されていましたので、極端な落ち込みは限定的かとは思いますが、今後も生活必需品以外の消費は冷え込む傾向にあると思われます。
あらゆる業種で無駄な出費は出来ないというマインドが蔓延し、連鎖的に経済が鈍くなっていくことが想像されます。一方で活性化する業種もあるとは思いますが、全体として景気が後退していくことは残念ながら避けられないと思います。
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各業種で売上が下がっていく状況で、自社を維持してくために固定費の削減に迫られます。まずは交際費を筆頭に各種経費の削減が迫られ、ボーナスが減額される企業も多くなるでしょう。中にはオフィスの引っ越しもあるかと思います(あるいはオフィス自体がなくなる?)。
そして、人員整理も行われ、個人の手取りに影響する様々な手当などにもじわじわと影響が及んでいくのではないでしょうか。このようにして毎月の給料がジリジリと目減りしていく可能性があると思います。
そうなってくると、今度は生活のための固定費の支払いがきつくなります。個人としても毎月の固定費を削減しなければなりません。給料が低いであろう若い方にとってはキツイ状況です。
固定費の大きな点で言えば、住居です。これまで交通アクセスの利便性などで選んでいた方は、コロナ禍においては会社に出社しないテレワークスタイルはコスパが悪いです。生活コストが高い都市部のメリットは下がっていくと考えます。ライフスタイルはさまざまあるので一概には言えませんが、家賃の安い郊外に住む方が多くなるのではないでしょうか。
これまでのキャリアを見直して、地方に転職をする人が増える。
都市部で働いている方にとって、コロナの影響を機に転職して地元に帰ろうかなと考えた方もいるのではないでしょうか。私はいつも以上に、親・家族の事を考えました。親は幸い同じ県に住んでいるので安否確認程度なのですが、親と離れて暮らす方にとって今回の騒動は、今後の働き方を考えるきっかけになったと思います。
10年後、20年後、30年後に親はどうする?このまま東京で仕事を続けてていいのか…消耗してていいのか。今の仕事に、不安や不満のある方にとっては尚更です。外出自粛の際に、自分にとって大事なものは何なのかと自問自答した方もいらっしゃるのではないかと思います。
とにかく全体としてテレワークが可能な方は郊外へ、転職する方は地元へという流れが出てきて、都市部の一極集中というのはじわじわと分散されていくように感じます。
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ただ、個人的には勢いあまって会社を辞めるのは控えたほうがいいと思ってます。さまざまな会社で先行きが不安の中、正社員などの条件の良い転職は結構難しいかも知れません。ここは、嫌でも今いるところにしがみつきながら、じっくりと腰を据えて次のキャリアを模索するのが良いと思います。
まずは今の仕事を続けながら、生活の固定費は出来る限り削減する。数年後レベルの長いスパンで考えるのであれば郊外に身を移すなど、お金を貯めながら次のステージに備えることが得策かなと思います。ただ、明確に次のステージが見えているようでしたら、たとえ条件が悪くても、転職で良いかと思います。
ローカル経済圏における人材の質がアップする!?しかし地元の人にとっては驚異。
そう考えると、地方には東京クオリティ(!?)の仕事が出来る方が増えてきて人材のレベルが上がるのではないでしょうか。都落ちとは違った形での人材の流れとなるので、地方の仕事レベルは底上げされるかもしれません。
しかし、もともと地方で仕事をしていた方にとっては驚異です。強力なライバルが現れることになるからです。これまでの人脈で東京の仕事を受ける機会もあるでしょうし、地元でも東京での経験をアピールして新規に仕事を取っていくような動きが想像できます。
また、これまで小さい仕事に見向きもしなかった大企業が、ローカル経済圏に食い込んでくることも見込まれます。仕事単価で考えると、東京で仕事をしていた方が効率は良いはずですが、みんな背に腹は代えられません。
レベルの高いサービスが享受されることは良いことですが、もともと地方にいる人間としては、このことにビクビクしてます。未開のアメリカ大陸にヨーロッパ人が開拓にやってくるということです。鉄砲を持つヨーロッパ人に対して、トマホークの我々では勝目がありませんからね…。
こう考えると、都市部の方がローカルに、ローカルの方がローカルローカルに仕事を探す傾向も出てくるのではないかと思います。
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あと、蛇足ですが著名人、芸能人やアーティストなども地元に移る方も増えると思います。コロナ以前でも一部ではそのような流れはありましたが、加速するのではないでしょうか。
わかりやすいところでいくと、テレビなどのメディア露出が増えてくると思いますし、ローカルのテレビCMなどにも出るのではないでしょうか。え、なんでこんな人が〇〇不動産(地場企業)のCMに?など出てくると思います。単価もある程度は度外視で仕事を受けられると思います。本人にとっても故郷に錦を飾れますし、貢献できますからね。この点はちょっと楽しみです。
ちょっと文章が長くなってしまったので、続きは後半に。後半は、現場レベルでの仕事や生き残るための戦略などを考えてみたいと思います。
後編です。
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