2020年東京都知事選挙レポート
2020年6月18日、注目の東京都知事選挙が告示された。7月5日の投票日に向けて17日間の選挙戦の火蓋が切って落とされたのである。緊急事態宣言は解除されたが新型コロナウィルスは相変わらず深刻である。2011年の都知事選以降、私は出来るだけ多くの候補者を実際に見るように務めてきたが、今回それは難しいだろう。もちろん、近所や通勤途中のターミナル駅での街宣活動は出来るだけカバーしようと思っているが、街宣そのものを控えたり、人が集まるのを避けるために街宣の日程を伏せる候補もいるようで、果たしてどうなるだろうか。
とはいえ、それでも都知事選を楽しんでいこうと思っている。
■都知事選立候補者一覧
東京都知事選挙に立候補したのは次の通り。
4年前の2016年は史上最多の21人が立候補していたが、今回はそれを上回る22人が立候補した。
■小池百合子候補
最有力は間違いなく現職の小池百合子都知事である。現職の都知事が任期を満了して選挙戦に臨むのは2011年の石原慎太郎都知事以来ということになる。無所属で政党の推薦は受けていなかったが、都民ファーストの会の荒木千陽代表が選対本部長に就任。公明党は山口那津男代表が支援する方針を表明。自民党も二階俊博幹事長が小池都知事を応援すると述べるなど実質的に国政与党が支援するかたちとなった。
小池都知事は街宣は一切行なわなかった。都議補選北区に都民ファーストの会が候補者を擁立していたので、私はその応援演説はあるのではないかと予想していた。2011年都知事選で石原慎太郎都知事が4選した際も、都議候補の応援演説だけは行なっていた。しかしその応援演説も結局は行なわれなかった。それでも毎日のように新型コロナウィルス対策でテレビに出演し続けていたのである。
■宇都宮健児候補
野党陣営からは、過去に2回都知事選で次点となった宇都宮健児・元日弁連代表が立候補した。立憲民主党、日本共産党、社会民主党、新社会党、緑の党の各党が推薦する野党統一候補となった。
宇都宮候補は、密を防ぐために街宣の場所を出来るだけ明らかにしていなかった。そのため、残念ながら今回は宇都宮候補自身に会うことは出来なかった。
公職選挙法により投票日当日の投票呼び掛けは禁止されているが、Twitter上では「#宇都宮」を用いての投稿が相次いだ。
一見して宇都宮候補を思わせる投稿であるのだが、よくみると違うというもの。ギリギリセーフではあるのだが、立憲民主党の枝野幸男代表がそれをやってしまったのはまずかったのではないか?
■山本太郎候補
野党の中でもれいわ新選組は野党共闘に加わらず、代表である山本太郎・前参院議員が立候補した。山本代表の立候補によって野党の票が分裂する事態も懸念され、れいわ新選組内部でも立候補には異論があったとされている。
やはり山本候補にも今回会うことが出来なかった。
山本候補は動画で選挙にかかった費用を1億2500万円だと公表していたが、これが公職選挙法に違反するのではないかと囁かれている。
東京都の選挙運動支出制限額は6050万円(固定額2420万円+人数割額3630円〈有権者数×7円〉)であるそうだ。ところが山本陣営の支出はその倍以上かかっている。もっとも制限の中には事前運動分は含まれていないため、山本陣営の支出にもそれらが含まれているのだろう。確かに動画でも「選挙に関する支出額」となっていた。もっとも有力候補で制限額に収まっている候補がどれだけいるかは疑問である。小池都知事は街宣をまったく行なっていないので収まっているように思うが…。
■小野泰輔候補
小野泰輔・前熊本県副知事は日本維新の会とあたらしい党が推薦する。小野候補は、2008年に東大時代の師である蒲島郁夫・熊本県知事の選挙を手伝ったことから2012年に38歳で全国最年少の副知事に就任。くまモンの著作権フリーに尽力するなど、くまモンブームを牽引した。日本維新の会の柳ヶ瀬裕文参院議員とは海城高校の同級生とのことである。維新の会は昨年の参院選東京選挙区で音喜多駿・前都議が当選するなど勢いに乗っている。都知事選と同時投票の都議補選にも2人候補者を立てており、都知事選との相乗効果で支持を伸ばしたいところ。同じ改革保守である小池百合子都知事とは支持層も重なるため、足下を脅かすことにつながる可能性はある。
この小野候補に立川で会った。日本維新の会の参院議員らが運動を手伝っている。
例えば女優でもある石井苗子参院議員(比例)。
東京選挙区選出の音喜多駿参院議員。
司会は柳ヶ瀬裕文参院議員(比例区)。
小池百合子都知事が前回都知事選で掲げた公約「7つのゼロ」には実現したかどうか怪しいものが多いのであるが、その中でも検証することが難しいのが「多摩格差ゼロ」。今回の都知事選で私はどの候補にも多摩格差ゼロをお願いしようと思っていた。さっそく小野候補にお願いすると、「自分も多摩生まれなので」と前向きであった。演説でも「多摩の票は全部取るつもりだ」とのこと。46歳と若くまだ知名度も低いが、熊本県での行政経験も豊富で、頼もしく感じる。
小野陣営は握手はせず、お互いの肘でふれあう「ひじタッチ」をしていた。
■立花孝志候補(齊藤健一郎候補・服部修候補)
立花孝志・NHKから国民を守る党代表は当初N国党からの立候補を表明していたが、実際にはホリエモン新党公認・N国党推薦という形で立候補した。
立候補が取り沙汰されていた堀江貴文・元livedoor社長は結局立候補せず、代わりに堀江氏の秘書の齊藤健一郎候補がやはりホリエモン新党公認・N国党推薦で立候補した。ホリエモン新党からはもう一人、服部修候補が立候補している(N国党推薦)。異例の定数1に複数の候補者が立つというのは極めて異例である。立場代表が公言していた小池百合子都知事と同姓同名の人物の立候補は結局実現しなかった。立花代表は「堀江貴文と同姓同名を探したがいなかった」とも発言しており、「堀江貴文」擁立にも動いていたようだ。確かに、いくら頼まれても同姓同名というだけで選挙に立候補しようなんて人はそうはいるまい。
ホリエモン新党は、候補者3人を連続する形で立候補させ、ポスター掲示板3ヶ所に3枚のポスターを並べるという作戦を取った。
齊藤候補、服部候補のポスターは堀江貴文氏の写真だけを使っており、確かにインパクトがある。このポスターを見て、選管への問い合わせが相次いだという。
ちなみにこれは2016年参院選での「支持政党なし」のとった作戦のアレンジである。
ただでさえ立花代表の当選は難しいところに、他に2人の候補者を立てたのでは、票が割れてしまう。しかしそもそも立花代表は当選は目指していないのだという。
その事は立川で行なわれた立花代表の街宣でも本人が口にしていた(写真右は久保田学・立川市議)。ホリエモン新党の知名度向上が主な目的であり、総選挙や他の選挙を視野に入れているというのである。都知事選の供託金は1人300万円なので、今回3人分の900万円が没収されるのはほぼ確実。N国党と立花代表が返済不可能な程の借金を抱えていることは以前から指摘している通りであるが、彼らは宣伝のためだけにさらなる借金を重ねているのである。
立花代表は政見放送でもやらかしてくれた。
今回はホリエモン新党の公認なのだが、話したのはNHK問題、それも「不倫路上カーセックス」事件のことばかり。当事者2人の真似をして事件を再現し、喘ぎ声をしてみせた。一応「テレビの前の良い子のみんなはすぐにテレビの電源を切ってね」とは言っているのだが、当然子供が見ることもあるだろう。この政見放送が家族団らんの最中に流れた時の気まずさも想像出来る。だいたい職員個人の問題でなぜNHKを「ぶっ壊す」必要があるのか、そもそもこれのどこが都政と関係あるのか。立花代表の意図はまったく理解できない。
マスコミの報道では上記の小池、宇都宮、山本、小野、立花の5人を“有力候補”としていた。
■七海ひろこ候補
その他の候補者としては前回に続き幸福実現党の七海ひろこ・広報部長がいる。
都知事選告示日の夕方、立川駅で七海ひろこ候補の街宣を見かけた。ただ、残念ながら演説はすでに終わった後であった。
七海候補はビラを配っていたが、相変わらず華やかだ。
コロナが収束したわけではないが、相変わらずハグはしているようである。もっとも私自身はさすがに遠慮した。
多摩格差については七海候補は「選挙初日に多摩に来れて嬉しいです。」と述べてくれた。
その七海候補が6月25日になって突然都知事選からの撤退を表明したのである。七海候補は、マスコミ報道において主要5候補だけが取り上げられ、自身を含むその他の候補が無視されていることに対し、「民主主義が消滅してしまっている」と憤っていた。選挙戦からの撤退という形で、一石を投じたいというのだ。
しかし、幸福実現党の候補者がマスコミから「黙殺」されるというのは今に始まったことではない。また、撤退すること自体がマスコミに報道されることが少ないため、その影響も限定的である。だいいち死亡を除いて告示後に候補者が辞退することは認められていない。
七海候補の撤退は、それ自体が戦術であったのではないだろうか。2009年総選挙に幸福実現党が初めて進出した際も同様の作戦を行なっている。幸福実現党の支持はまったく広がらず、一旦選挙からの撤退を表明したが、継続すべきとの声が多くあったため幸福実現党は選挙に復帰しているのである。ところが今回は、撤退表明自体がほとんど話題にも上らず、マスコミも七海候補を候補者として扱い続けていた…。
■桜井誠候補
前回の都知事選で約11万票を獲得する健闘を見せた桜井誠・日本第一党党首も前回に続いて立候補した。
ポスター写真が、本人と違いすぎるのでは!?こちらは前回の都知事選の時の写真。
■後藤輝樹候補
注目は前回に続いて立候補する後藤輝樹候補。前回は政見放送で放送禁止用語を連呼し、NHKによって音声を削除された事が話題となった。
今回の都知事選に際してもTwitterでは、放送されなかった場合表現の自由を守るため自害して訴える予定だったと呟いていたことから、なんだか嫌な予感がしていた。
そして、放送された政見放送。まずは民放版。
冒頭で「笑ウせえるすまん」の喪黒福造の真似をしたかと思うと、カメラの前から出ていってしまう。そして、帰ってきたかと思うと、またまた下ネタを連呼して、見事に音声をカットされてしまっていた。
続いてNHK版。
いきなりジャケットを脱ぐとTシャツには「ちんこ主義」の文字。前回の政見放送でカットされた言葉だ。さらに、そのTシャツとスボンを脱ぐとオムツ姿となる。そしてついにオムツまで脱ぎ捨て全裸(に見える)姿となる。
後藤候補は前回の政見放送で音声をカットされたことに触れているのだが、今回は音声を一切カットされなかった。始まってから終わるまでの5分間、私は呆気に取られてテレビの前から身動き出来なかった…。
さらに選挙戦終盤には私は見ていないがとんでもないポスターをも掲示したという。まさかコラではあるまいか。
■関口安弘候補
「姫路けんじ」こと関口安弘候補も前回に続いての立候補。このところ「姫路けんじ」という名称が使えないのか、本名での立候補が多いようである。(写真は2016年参院選)
■内藤久遠候補
内藤久遠候補は3回連続の立候補。「都の人口を半分にする」という公約にインパクトがあった(写真は2012年都知事選)。
今回は色物的な候補者が多いため、しっかりと政策を主張している点に好感が持てる。
■込山洋候補
ニューフェイスとしては込山洋候補。名物候補だったマック赤坂・スマイル党総裁の元秘書とのことである。マック総裁が港区議に当選した事から後任として立候補。スマイル党が推薦している。これはひょっとするとマック総裁の応援演説が見られるかもしれない。
彼の街宣を見たが、オーソドックスな形で、マック総裁のように奇をてらうようなことはなかった。
■平塚正幸候補
国民主権党の平塚正幸候補はYouTuber「さゆふらっとまうんど」として活動。参院千葉選挙区にN国党公認で出馬したが、その後N国党を批判して離党している。
「コロナは風邪」という主張をしているそうで、もし街頭で会っても近寄りたくない(笑)
■竹本秀幸候補
竹本秀之候補は「日本はアメリカに情報支配されている」と主張。いわゆる陰謀論を唱えている。
ポスターを割合よく見かけたので、しっかりとした選挙戦を行なっていたようだ。なんでも「東京都知事選のブルース」なる曲を作ったらしく、都庁前で弾き語り街宣も行なっていたらしい。
■西本誠候補
西本誠候補はラッパー「 スーパークレイジー君」として活動。政治団体名もそのまま「スーパークレイジー君」なのだそうだ。
街頭で踊ったりと何かと話題となった。
しかし身なりは派手だが主張自体はかなりまともである。
■市川浩司候補
市川浩司候補は「庶民と動物の会」公認。「庶民に優しく動物にも優しい世の中を実現させる」ことをモットーとしている。
立川で街宣を行なっているのに出くわした。動物問題を扱っているので、小池百合子都知事が唯一実現したとされる「殺処分ゼロ」の真偽について聞いてみた。やはり、実際には実現とは言えないものであるとのことであった。
Twitterではイラストのポスターを貼っていたとのことであったが、残念ながら本物はついに見かけることはなかった。
■石井均候補
石井均候補は フリージャーナリスト。参院愛知選挙区に無所属で出馬し破れている。
選挙公報に「新型コロナウイルスの治療薬と予防薬を発明しました」というのがあったので気になっていた。もし事実ならノーベル賞級なので、当落とは関係なしに是非とも実用化してもらいたい。ところが、政見放送を申し込んでいなかったので真相は不明である。
石井候補は、この治療薬が都民の間で話題にならなかったことから、選挙公報に改竄があったと主張している。彼のところに届けられた選挙公報には彼の公報が載っていたため、改竄される前のものであったという。ちなみに私のところにも改竄されてないものが届いていた。
■長澤育弘候補
長澤育弘候補は34歳の薬剤師で、池袋の薬局の店長。今回は街頭演説を行なっていなかったようである。
■押越清悦候補
押越清悦候補は、国家権力による「集団ストーカーテクノロジー犯罪」撲滅を目指している。
ただ、彼の主張にある「集団ストーカー」なのだが、いったいどういうことなは、彼の選挙公報を見ても政見放送を聞いても今一つよくわからない。
八王子での街宣を見たのだが、終始「創価学会員に謝罪を要求する」と話しているだけ。どうも私には彼は妄想が入っているとしか思えない。精神的な病を抱えた人がしばしば自分が監視されていると主張するが、この人もそんな類いに思える。いわゆる“電波系”なのだろう。
■澤紫臣候補
澤紫臣候補はゲームクリエイター。「しおにく」というハンドルネームで知られている。
政見放送等ではしっかりと主張を述べていて、かなり好印象であった。
■牛尾和恵候補
牛尾和恵候補は33歳の元製造会社社員。ホームページを見ると医療問題を重視しているようだ。
しかしながら街宣やポスターはおろか、政見放送や選挙公報すら申し込んでいない。
告示日に行なわれたニコ生の演説会でもたった一言しゃべっただけだった。
■立候補しなかった人たち
事前に立候補を表明しながら結局立候補しなかった人もいる。山口節生先生もその1人。このところ出馬表明だけして届け出をしない「出る出る詐欺」を繰り返していたが、今回もやはりそうなった。もし出馬していれば2007年都知事選以来だったので期待していたのだが…。
前回都知事選で話題になった高橋尚吾氏も、直前まで立候補を検討していたが結局断念した。(写真は2017年都議選)
■開票結果
7月5日都知事選の投票が行なわれた。新型コロナウィルスの影響があったものの投票率は55.00%で、前回の59.73%は下回ったが、思っていた以上に高かったように思う。
即日開票され、得票結果は次の通りとなった。
20時の投票締め切りと同時に現職の小池百合子都知事に当確が出た。最終的に得票の約6割を獲得する圧勝であった。366万票というのは、猪瀬直樹元都知事の433万票に次ぐ歴代2位の得票数となる。
宇都宮健児候補はまたしても次点に泣いた。しかも得票は過去2回を下回っている。山本太郎候補との間で野党の票が分散したこともあるだろう。もっとも山本候補の票を足しても小池都知事の得票の半分にもならないのだが…。
3位争いは山本太郎候補と小野泰輔候補の激戦となった。勝ったのは山本太郎候補。とはいえ、かつて参院東京選挙区で彼が獲得した66万票とほぼ同じであったことを考えると、支持は今一つ広がらなかった印象だ。
一方の小野泰輔候補(日本維新の会、あたらしい党推薦)は得票率10.0%にあと700票ほど足りず、まさかの供託金没収に終わった。途中で都議補選が告示され、陣営の中心にいた音喜多駿参院議員が北区、柳ケ瀬裕文参院議員が大田区とそれぞれの地元に取られてしまった影響もあったのかもしれない。それでも昨年の参院東京選挙区の音喜多駿・現参院議員の得票52万票を大きく上回っていたのだから健闘したともいえる。
5位に入ったのは桜井誠候補。“有力候補”の一角である立花孝志候補を押し退けてのこの順位はすごいが、驚くべきはその得票数。4年前を上回る約18万票で大健闘だといえる。日本第一党は地方議員選挙では惨敗が続いているが、これだけの得票があれば、今後都内で区議・市議を獲得するのも夢ではない。
一方、立花孝志・NHKから国民を守る党代表も4年前より票は増やしたのだが、ホリエモン新党の他の2人の得票を併せても6万票に届かなかった。昨年の参院東京選挙区の大橋昌信・現柏市議が獲得した12万票の半分以下である。知名度が上がり、有力候補としてマスコミでも盛んに報道されていたにも関わらずこの結果は厳しいだろう。ふざけた政見放送や、定数1に3人の候補者を立てるという戦術が有権者の反感を買ったのかもしれない。ホリエモン新党の候補者が桜井候補を攻撃する動画を盛んに挙げていたことから、立花候補は桜井候補を強く意識していたように思える。
私は今回、事前にTwitterで得票の順位を予想していた。1位から6位まで的中していたように、ほぼ順当な結果となっていた。
前回2016年都知事選の得票は次の通り。
4年前の都知事選から引き続いて立候補している候補者は小池都知事含め7人いるがそのほとんどは前回よりも得票数を増やしている。唯一減らした候補者は幸福実現党の七海ひろこ候補のみであった。前回とほぼ同じレベルの得票に留まり、選挙戦撤退はまったくといっていいほどの影響がはなかった。
後藤輝樹候補も前回より3倍近く票を増やしている。
澤紫臣候補が2万票を獲得したのは意外だった。
スーパークレイジー君こと西本誠候補も1万票を超えたが、色物と見られてしまったのが幸いしたのか災いしたの…。
スマイル党推薦の込山洋候補は伸び悩んだ。私は立花候補に次ぐ7番目に入ると予想していたのだが、結果は11番目。マック赤坂総裁の初立候補時の4,598票は上回っているが、前回の51,056票を大きく下回る。もっとマック総裁が前面に出ていれば結果は違ったのかもしれない…。
国民主権党の平塚正幸候補は「コロナはただの風邪」という主張が有権者の反感を買うと予想していたが、意外と健闘している。極端な主張にはそれなりに票が集まるということだろう。古巣のN国党の友好団体であるホリエモン新党の候補者の得票を上回っていた。
そのホリエモン新党の2人の候補、服部修候補と斉藤健一郎候補は共に5千票台と延び悩んだ。両者は国政政党であるN国党の推薦候補であることから東京青年会議所主催のネット討論会にも出演していたのだが、まったく支持は広まっていない。だいたい選挙ポスターに顔写真も名前も入れていないのだから当選する気がないと有権者に判断されたのだろう。
内藤久遠候補、関口安弘候補も前回の得票を上回っている。特に関口候補は最下位だった前回の1,326票から3倍以上も得票を延ばしている。少しずつ知名度があがっているようだ。
押越清悦候補はポスターも掲示していて街頭演説も行なっていたが、ブービーに沈んだ。
最下位は私の予想通り牛尾和恵候補だった。実質的に選挙活動を何もしていないのに1,510票を集めているのは凄いことかもしれない。
■これからの都政に
新型コロナの感染者数は依然として衰える様子がない。来年の東京オリンピックが実施されるかどうかも不透明である。こんな時期だからこそ、都知事を代えるべきではないという意見がある。そういう意味では小池都知事が再選したことは幸いであったかもしれない。だからこそ、小池都知事にはより一層都政に邁進してもらわなければならない。史上最多となる21名の落選者の思いを真摯に受け止めて欲しいと願うばかりである。
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