沁みる絵本
2022年10月7日㈮ 丸善丸の内本店 滞在時間70分 14冊読了
東京駅OAZOにある丸善丸の内本店。3階にある児童書コーナーに久しぶりに立ち寄りました。メンタルが平静だったころは、定期的に通って、新刊絵本をチェックしたものです。
入口のディスプレイには、酒井駒子さんの画集の展示があり、心が躍ります。これまでなら、とにかくたくさんの絵本が読みたい、一冊でも多く読みたいと気が焦りますが、今日は慌てない。チェックではなく、出会いが肝心なのです。
入り口あたりに置かれている店員さんおすすめ絵本をまず3冊読了。そして新刊絵本コーナーに移動して、直感で気になる本から順に読んで行きます。本日は、滞在時間70分、読んだのは14冊。その中で10冊目に出会った、一番ココロに沁みた一冊を購入しました。
『あのこ』
作:樋勝朋巳 ブロンズ新社 2022年9月25日初版
沁み度数:68%(すこしづつじんわり)
ほっこり度数:80%(まず表紙にやられる)
どう沁みたのか?
そもそも、樋勝朋巳さんの『クネクネさんシリーズ』が私は好きです。絵を見るだけでほっこりします。「凡庸な在り方が、実は何よりも大事」そんなメッセージを私たちに教えてくれるような気がしています。
本書では、主人公の《あのこ》が、いろんなものを持ってきてくれます。《あのこ》は身体が小さくて、どれくらい小さいかというと、ネコよりも小さいくらい。だから《あのこ》が持ってくるものも当然に小さい。鳥やラッパや魚とか、本当にいろんなものをもってきてくれるけど、みんなみんな小さいんです。それは、受け取る側も戸惑ったりするくらい。
そんな《あのこ》とのふれあいを感じながら読んでいると、私がこの半年のメンタルが不調なときやココロがざわついていたときでも受け取ることができた『ちょっとした良いこと』がとてもありがたいものに思えてきました。
例えば、家族が時折見せる笑顔であったり、ありがとうの言葉であったり、飼いネコが自分の側で寝てくれる時間だったり、絵本の活動をしているドンハマ★の話を喜んで聴いてくれる人たちの姿だったり、仕事の成果を分かち合える仲間の存在だったり。
ひとつひとつは些細なこととも言えます。立ち行かない問題の大きさからすると押しつぶされてもおかしくないことにも思えます。それゆえ、そのひとつひとつがなんとも愛おしく思えるのです。
沁みる絵本との出会いに感謝。
ちょっとした喜びをこれからも大切に感じられる自分でありたいと願うのでした。