裏山借景 日本庭園のある古民家
平屋の立派な古民家の家主様からご相談をいただき、香美市へやって参りました。2017年8月11日の記事
お庭には大きな鯉が泳ぎ、庭は山へと続く山水庭園です。
お家は、なかなか立派な伝統細工を凝らした欄間や障子のある豪邸でいらっしゃいます♪
ご心配は、雨漏りと変な虫🐜の件でした。
①漆喰壁から雨水がシミ出ています。
②客間へ入ると、床の間の柱を黒いデッカイ羽アリが帯状に登ってました😨。白い卵もせっせと運んでいます。
急ぎ仲良しの瓦屋さんに連絡したら、早速、信頼の置ける老舗シロアリ駆除会社の2代目若大将さんに連絡して下さり、本日は高知のお町は「よさこい祭り」の真っ最中ではございましたが、急きょ診断に来てくださいました。有り難い!
さすが、ササッと問題の場所の床下と全体をくまなく見て下さいました✨✨👌
結果、シロアリには食べられてない事がわかり、安心しました。ホッ(^_^)v
原因は、雨漏りによって木が湿り、その湿り気を虫🐜がなめにきているとの事でした。
良心的なシロアリ駆除会社の若大将さんは、「市販のアリの巣コロリを置いておけば退治できますよ!」とのことでした。ひとまず安心。
昔の日本家屋には当然のごとく存在した「おくどさん(=ご飯を炊くかまど)」の煙が、床下から天井裏へ至るまで周ることで、シロアリ駆除になっている事が多いようです、
これぞ、先人の知恵です!
ですから、古民家探検で黒光りのする柱や梁を見たら、ああ、このお家は「おくどさん」があったんだなって、そして、シロアリ被害は少ないかも!という推測を立てることができるのです。
でも、雨漏りはいつまでも放置しておくわけにはいきません。後世に残すのであれば、すぐにでも屋根の修理は必須です。
伝統的日本建築は、現在のハウスメーカーの家とは違って職人技を必要とし、多額な費用も掛かります。
さて、ここで問題なのは、空き家にそんなに修復費用をかけられない事です。
都会で暮らす子供達にとっては、誰も住まなくなった親御さんのお家は、固定資産税を延々と払い続けるだけで使う事もなく、そのうち帰省する足も遠のき・・・、でも壊すにはもったいないし思い出もある。
といったところが、だいたいの空き家保有の理由です。
どんどん年数が経ち、どんどん家が痛んでいく、修復費用を払う気もない
悪循環ですね…。
伝統的日本建築は、現代建築とは違い職人技を必要とし、費用も掛かります。その職人技を発揮して対応してくれる職人さんも数少なくなってきました。
そこで、どんぐり不動産は、古民家を残すために平成30年に「高知県文化財課が組織するヘリテージマネージャー・サポーター制度」の勉強会にて研修を受け、登録しました。
しかしながら、安心して古民家の修復を任せられる職人さんにお繋ぎしようにも、どんどん職人さんが引退されて後を継ぐ技術者が居なくなってしまいました。人づてに探してもらって頼んでいた大工さんも90歳近く、危機的状況です。
試しに「古民家再生」を謳う建築屋さんを検索してみると、SNSを駆使している所ほど、修行年数が浅く実が伴わない事が多いものです。
当たり前っちゃそうですよね、昔ながらの大工さんがSNSを駆使しているわけがない・・・。
本日は、仕事とはいえ、高知の「よさこい祭り」の喧騒から離れて、静かな庭園を眺めながら、鯉にエサをあげさせて貰いました。案外かわいいです…♡
ありがとうございました。