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大原美術館の感想。

 13~15日で、瀬戸内を巡る旅行をした。(↓徳島・大塚国際美術館の感想はこちら)

 旅の締めくくりは倉敷美観地区の中にある、大原美術館。この美術館の感想について今日は記述していきたい。

 率直な感想としては、大満足であった。外観を見る限り少しこぢんまりとしているのではないかと勘ぐっていたが、一点一点の見応えがあり杞憂であった。

 ここまでの作品を常設していることに驚きが隠せない。今回の展示の中のお気に入りは三点ある。①ジョルディ・ルオー『道化師(横顔)』②パウロ・ピカソ『頭蓋骨のある静物』③関根正二『信仰の悲しみ』、である。

 『道化師(横顔)』は、否応がなしに村上春樹『騎士団長殺し』を連想させた。そう、〝白いスバル・フォレスターの男〟である。主人公がこの人物の自画像を描くシーンがあるが、ここで描かれた自画像とこの『道化師(横顔)』が重なった。あくまで個人的なイメージの重なりであるから参考程度にしてほしいが、僕の中ではこの絵画にインセンティブされたのではないかと思えるほど、表象している様な気がした。

 『頭蓋骨のある静物』は、ピカソが『ゲルニカ』を描いた以後の作品である。シンプルな構図ではあるが、モチーフがはっきりしていて好きだ。(個人的に好みなキュビズム的手法もとられている。)ピカソの膨大な作品群の一部に過ぎないのかも知れないが、偉大な作家の作品を生で鑑賞できたことはとても嬉しかった。

 『信仰の悲しみ』は、なんと関根正二が19歳の時に描かれた作品である。関根は20歳で夭折してしまった、天才的な画家である。名前を知らなかった画家であるが、絵に込められた力と壮大なテーマの奥行きを感じた。しかし、19歳が『信仰の悲しみ』とは…。同世代として、強いインセンティブを受けた。

 敬愛する作家の一人であるカンディンスキーの作品が鑑賞できなかったことは残念だったが、西洋から日本までの素晴らしい絵画を嗜むことができた。各地の美術館を巡ることはとても楽しいので、今後も訪れた際はnoteに記したいと思う。

(今回の戦利品。)

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