初回合奏までの準備
(この記事は2600字ほどあります)
アマチュアオーケストラに所属する者にとって、そのシーズンの初回合奏練習の日はとても楽しみなものです。
仲間と音を合わせて曲を作る喜びを感じますし、練習後の飲み会で
「このメロディーを弾いている時が楽しい」
「この曲のここが好き」
「あそこが難しい」
「~さんの音がよかった」
と話すのはとてもワクワクします。
(今年は飲み会などはできないかもしれませんが…)
ですが、何も準備せずに初回合奏の日を迎える事はできません。
やらなければいけない事を以下にまとめます。これに沿って今シーズンは準備していきます。
演奏関係
所属しているオーケストラの次の本番は来年の1月にあり、もう1団体ゲストで呼んでいただいたオーケストラは今年の10月に本番があります。そのどちらでもしなければならない準備がこちらです。
①パート譜を手に入れる。
まずは演奏する曲のパート譜を手に入れます。自分が演奏する楽器のパートのみが書いてある楽譜です。パート譜は紙でもらうかPDFデータでもらうかIMSLP(クラシックの楽譜がまとめてあるサイト)で探すかをして手に入れます。
最近ではタブレットでPDFをそのまま見ている人も増えました。ですが、私は「書き込みが思った通りできるか不安」「充電し忘れたらどうしよう」と思い、紙の楽譜を使っています。本当は使ってみたいのですが機械オンチです。データでもらった場合は印刷して使います。
印刷をしたら製本をします。打楽器の中でページ数の多いティンパニの楽譜でも私が演奏する曲は多くて10ページくらいなので作業はそこまで大変ではないです。ちょうどよいサイズに切って糊で貼ってテープでとめます。
②譜読みをする(書き込み)
まずは小節番号を振ります。緊張しやすい性格なので細かく振ります。これがないと合奏で「次は~小節目からです」と言われたときに混乱してしまいます。練習の初期段階では特に重要です。
次に豆譜(影譜?)を書きます。打楽器はとにかく休みが多いです。何分かずっと座っている事も多いです。自分が入るタイミングの目印に他の楽器のメロディーなどを書きます。最初から書かれている場合も多いです。しかし、自分が聞こえやすい楽器ではない場合や合奏にあまり来ない人のパートが書かれていることがあります。自分が絶対に入る事のできる目印を書きます。
③譜読みをする(内容を理解する)
次に自分が叩いている時にメロディーを担当している楽器や自分と同じ動きをやっている楽器を書き込みます。これを調べて分かっていないと私はずれます。
また、自分の音につながるキッカケを出している楽器とフレーズを書き込みます。例えば、ファゴットから「パンポンっ」と渡されてティンパニで「パンポンっ」と続ける時などです。逆に、自分の音が起点となって他の楽器につながる時なども書き込みます。例えば、シンバルを叩いた後に曲の速さが変わる時などです。
あとは、この場面でどんな音を出したいかを書き込みます。「キラキラした音」とか「懐かしい音」とかです。
④曲について調べる
曲の構成やどのような背景で書かれたか、作曲家はどのような人物かを調べます。この部分は本来知っていないとダメなのだろうなと思いつつ今までかなりさぼっていたところです。
⑤練習をする
難しいフレーズはいきなり合奏でやろうとしてもできないので練習します。基礎練習をしてそれから曲の練習をします。
ティンパニ、シンバル、銅鑼などの持っていない楽器は楽器も貸してもらえるスタジオを借りて練習します。自分の行きたい時間に行くために1か月前くらいに予約をします。
手配関係
所属しているオーケストラではパートリーダーなのでそのまとめもします。演奏をするには避けて通る事のできないプロセスです。
①必要楽器と人数を把握する
フルスコアを読み込んで登場する楽器と人数を割り出します。
他のパートの人が「この曲はティンパニとトライアングルとシンバルがあったよ」と言ってきても必ず楽譜を読んで確認します。
「シンバルと全く同じタイミングでバスドラムが演奏することになっている」とか「一発だけ銅鑼がある」などの恐れがあるためです。
必要人数も最終的にはフルスコアをきちんと読んで決めます。まとめてあるサイトもいくつかあって、選曲の時などは参考にさせてもらいますが、実際に演奏する時はもう一度確認します。たまに「こんなに短い休みで持ち変えできない」とか「この動きを素早くやればもっと少ない人数でいけるかも」といったことがあります。
②予算を会計役員と話し合う
打楽器パートはどのくらい合奏練習への参加が必要かと全体の予算はどれくらいかを会計役員とすり合わせます。必要な打楽器もオーケストラ全体で使えるお金も演奏会ごとに全く異なるので必ずやります。
③奏者を探す
ティンパニしかない曲も多いですがトライアングル、シンバル、バスドラム、スネア、グロッケンなど人数が多い曲もあります、団員だけではできないのでゲストとして演奏してくれる奏者を探します。
だいたい友達や以前乗ってくれた人、他のオーケストラに乗った時に一緒になった人などに片っ端から連絡します。
この時に必要人数以上の人に依頼をしないように注意します。もし全員にオッケーをもらったときに誰かを断らなければならず大変失礼になるからです。
④奏者のパート(楽器)を決める
乗ってくれる人が決まったらラインのグループを作成します。そこで楽器の希望をとります。奏者には得意な楽器や苦手な楽器が必ずあるので聞きます。その希望を参考にパートを決めます。
⑤出欠を確認する
運営からもらった練習日程をゲストさんにお知らせして出欠を確認します。この時に「体調不良でない限り絶対に来ることができる日」を確認します。打楽器パートは楽器レンタルをするためしっかりと確認します。
⑥楽器を手配する
全奏者の出欠が決まったら楽器を手配します。私の所属しているオーケストラは、楽器を持っている他のオーケストラから借りる場合と打楽器レンタル業者から借りる場合があります。日程と楽器をお伝えし借りる事ができるかを確認します。この時に金額も確認します。会計役員に確認がとれたら予約をします。
この確認は1ヶ月前にはしておかないと借りる事ができない場合が多いです。
ここまでやってようやく練習初日を迎えても大丈夫な状況になります。一仕事終えた達成感が出てきてしまいますが、練習はここからがスタートです。面倒くさがらずやりましょう。
楽しみはここから始まります。