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PCも使えなく 飛行機も乗れなかった私
10数年前まで、私はデジタルの世界とは無縁でした。とりあえずの連絡用でスマホは持っていたものの 最低限のメールのやり取りくらいしか使っていなかったスマホ。いやもしかしたらその頃はガラケーだったかもしれません。
パソコンなんて 怖くて触れない。
見たことない画面が出ようものなら、どうしたらいいのかわかりません。
超アナログ人間でした。
それがある時 推しができました。
彼のSNSを見たくて、Twitter(今の X )のアカウントを作りました。
彼がFacebookをやっていると知れば Facebookのアカウント。Instagramとくれば Instagram。
パソコンは相変わらず怖かったので ガラケー、はたまたスマホ、で 彼の活動の様子をひっそりと応援する日々。
あ、これは虎視眈々と 彼に近づいチャンスを狙っていたわけではありません。そんなの怖すぎます。第一、そんな勇気なんて全然ありません。
あぁ…それなのに。いつの日か『彼のライブに行ってみようか』そんな思いが湧いて来ます。
ライブに行くには...
ライブ会場がどこにあるのか?
そこへの交通手段は?
予約はどうやったら取れるのか?
これらのことを調べたり行うには 断然 PCを使うことが近道になります。
いち早くデジタル化していた子供たちに まずPCの起動の仕方から教わりました。何をするにしても、アカウント、や、パスワードを作る必要があること。これを忘れないようにノートにメモしていきました。
キーボードにも慣れなくて「ぢゃ」なんて、どれを打てばいいん?(これは今でも苦手です)
そんなPCとの出会いでした。
スマホはそれに比べると、指でササッと操作できるので PCよりは使いやすかったように思います。
ライブ会場の場所、ジョルダンの使い方、予約サイトの手順。それらを段々と使いこなせるようになって ライブに行っていると「電車ではなく、車で行くのはどうだろうか」の考えが浮かびました。
というのも、ライブのスタート時間が 19時前後、終わって帰ろうとすると23時近い。
都内や神奈川にあるライブ会場から、私の最寄り駅までは終電ギリギリが、それを越える時間です。
なので、ホテルに宿泊していたのでした。
ホテルに関しては、その予約の仕方も覚えられたので 無駄ではありませんが、代わりに宿泊費がかかります。
車で行けば、終電も宿泊費も気にせず楽しむことができるはず。
かくして、スマホにカーナビのアプリを入れました。当時乗っていた車には ナビが付いていなかったのです。
しばらくしてその車が故障で動かなくなって買い替え、の時。それまでは軽自動車だった私は普通車に格上げをすることに。
『高速道路を走るなら、軽よりも普通車が良いのでは?』夫のことばにも後押しされ、MAZDA デミオへ。
今思うと、軽自動車で往復 280km走ってた私、すごいな、と思います 。
高速道路なんて、一生 走らないと思ってました。通勤や買い物だけなら 高速には乗りませんもの。
その軽自動車と一緒に初めて高速道路を運転して行った先が、横浜の桜木町の駐車場でした。
うわぁ…この前までは電車できていた場所に車で来てしまった…。不思議な高揚感。
片道 約 140km。
家と桜木町、道で繋がってたんだぁ...。地図上ではそれはわかっていても、体感できた喜び。もう感無量でした。
首都高のカーブの多いこと!
そこを、そこそこのスピードで走り抜けなければいけないこと!
かなりビビっていたことはここだけの話。次の日は足が筋肉痛でした。アクセルとブレーキしか踏んでないのに (笑) それくらい緊張してたようです。
さて、推しの活動の場は関東だけではありません。北海道から沖縄まで。
関西なら新幹線でも行けますが、北海道や九州、となると、やはり飛行機が便利です。
そうなると、はい、勘の良い方ならお分かりかと。飛行機の予約の方法を調べます。
そして、飛行機での移動手段も手に入れました。
ただ飛行機に乗ってまで、推しの演奏を聴きに行く、にはかなり決断までの時間を要しました。
これは飛行機に乗ることが怖い、落ちそう、と思っていたのではありません。手続きが大変そう、難しそう。私の手には負えない、そんな思い込みがあったためです。
私は高い所が大好きです。
出かけた先に○○タワー、とか、○○展望台、があると知ると、上がりたくなります。ただコースターのような落下系は苦手なので、そちらには行きませんが…。
飛行機には興味がありました。富士山を上から眺めてみたい。地形をこの目で確認してみたい。
こうして、飛行機に乗れるようになった私。次はいよいよ海外か?となりますが、今のところそれはないかな。
私は逆流性食道炎やら、過敏性腸症候群やら、の 消化器系疾患があり、食べられないものがあります。
現在もあちこち行きますが、行った先のグルメを楽しむ、なんてことはしません。だいたいコンビニや、チェーン店のご飯。食べなれているものをいただきます。
海外ならヨーロッパに行きたい気持ちはありますが、多分食べるもの(食べられるもの)に困るんでしょうね。
それに 私の移動の原点は推しの活動です。現時点で海外での活動はなさそう、と言うことは、私は日本を出なくても良いのです。
推しがいなかったら、SNSを積極的に始めなかったでしょう。
PCにさわること、高速道路を走ることなんてなかったでしょう。
そして、飛行機になんて絶対乗っていなかった!
田舎の小さな街で 平穏にのんびり暮らしてたであろう私の人生。
それも悪くはないけれど『こんな人生もあるよ』のきっかけをくれた推し。
ある時友達に言われました。『推しがいなかったら、どんちゃん、高速道路に乗ってなかったよね』私は首をぶんぶん縦に振ります。
推し抜きでも、この高速道路に乗れていたおかげで『助かった!』なことも実際起きています。これはまた別の機会に書けたら、と思っています。
10年前は想像できなかった今。
人生って何が起こるかわかりません。