見出し画像

桜を撮るということ

清少納言は、「絵にかきおとりするもの」―つまり絵に描いたものよりも実物の方がずっと良いもの―のひとつに桜を挙げています。
確かに桜って、綺麗に撮るのが難しい。

私の職場の付近には、ソメイヨシノに限らず、さまざまな種類の桜が咲いて毎年目を楽しませてくれています。
先日の退勤時のこと。街灯の光を絶妙に浴びた桜が夜空に浮かび上がり、さらには三日月が出ていました。
何とも風流な光景。この絵面を何としても目に焼き付けておきたい、そう思って鞄からスマホを取り出しカメラを起動させます。
ですが、ただでさえ写真はド素人の私。そして暗い場所での撮影が苦手な私のスマホのカメラでは桜も月も、ただ白くぼやけて何なのかよく判らない代物になってしまいました。
そう、月も、写真に撮るのが難しいものです。

行きの明るい時間帯ならばまだ撮りやすいのですが、タイミングを逃して明日撮ろうと思っていたら次の日は空模様があいにく―そんなこんなで気付くと葉桜になっています。

また、来年ね。次こそ、綺麗に撮りたいな。
……って毎年同じことを思っているような気がします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?