ググるなカス
ggrks(ググレカス)というネットスラングがある。
2ちゃんねる(今の5ちゃんねる)を中心に使われた言葉で、詳しくは知らないが20年くらい前から既に使われていたような気がする。
「大人は質問に答えたりしない」
と利根川大先生も仰っていたが、ggrks(Googleで調べろ!)は、自分で調べもせずに質問から入ってんじゃねーぞこのダボ!という乱暴な、けど時には共感してしまうような言葉で、確かに自分の普段の行動を省みてみると、分からないことはとりあえずGoogle御大に聞いてみよう、とノータイム脳死で行動を選択してしまうことは、ままあるのだ。
そんな中、先日、旧知の友人と数年ぶりにお茶をする機会があった。
コロナで暫くゆっくり話せてないこともあって、ちょっとお茶をするつもりが気が付けば8時間近くお喋りを楽しんでいた。
コロナの間はどうしてたか、や、あの頃はどうだの、この頃はどうだの、まぁアラフォー特有の昔話が中心なのだけれど、この二人の間には適度にggrksが入ってこないのが、私にとっては非常に心地良かった。
Googleで調べればものの数秒で分かることなのに、あれに出演してたあれ誰だっけ?とか、あの劇場のあの公演ってどうだっけ?とか、情報の正確さなんてそっちのけで曖昧な昔話をし合うのがなぜか楽しかった。
「あ、じゃあGoogleで調べますね」って流れになってしまえば、確かに話は早い。早いが、今の言葉で言えばタイパやコスパが良いのだろうけど、上手く言葉に出来ないが、それよりもお互いの曖昧な記憶のカケラを紡いで重ねていくのが、旧知の友人との付き合いで一番楽しい瞬間なのではないだろうか?
こういう友人とこそ、お互いの葬式では涙の一つも流しながら「あの時こいつはさぁ…」なんて話も出来るのかな、とふと思った。
それはもしかしたら、Google大先生には中々出来ない仕事なのかもしれない。