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HUMBLE PIEのアルバム

HUMBLE PIEは1969年にイミディエイトレーベルよりデビューした英国ロックバンド。
スモールフェイセズのスティーヴマリオットとハードのピーターフランプトンが結成したバンドという事で当時はスーパーバンド出現と騒がれたらしい。
デビューシングルの「A NATURAL BORN BOOGIE」は大ヒット!
個人的にはスティーヴとピーターの相性はあまり良くないと思う。私はとにかくスティーヴマリオットが大好きなのだ。
でもピーターが嫌いと言う訳では無い。好きと言っても良いだろう。レコードも沢山持っている。
当時の英国ではR&Bルーツの素晴らしいボーカリストがたくさん活躍していたけどマリオットはその中でも格別だった。ロッドステュワート、ポールロジャース、フランキーミラー、ジェスローデンなどのライバルを蹴落として堂々1位なのだ。(私の好みね)
スティーヴの何が素晴らしいかと言うとまるで首を絞められた鶏のような独特の素晴らしいシャウトだ。スティーヴはオーティスレディングになりたかったのだろうな。
後期のパイのアルバムはR&B臭がプンプンする。

AS SAFE AS YESTERDAY

1969年度発表作品
このデビューアルバムは予想に反して大したセールスにはならなかったそうだ。
全体に地味な印象のアルバムだな。
ヒット曲のNATURAL BORN BOOGIEが入って無いのも寂しい。
一番好きな曲はDESPERATION!
ステッペンウルフの曲というのも寂しいのう。

TOWN&COUNTRY

このアルバムも1969年に発売されている。
ファーストとセカンドを同時にレコーディングしたらしい。ファーストと違いセカンドはアコースティックなサウンドが中心。
でも悪くはない。
ピーター主導の作品だが、とにかく曲が良いのだ。
しかしイミディエイトレーベルの倒産騒ぎで全然売れなかったそうだ。

DOWN HOME AGAIN

HUMBLE PIE

1970年発表作品

イミディエイトレーベル倒産騒ぎを無事乗り切りA&M移籍後第一作だ。
プロデュースはグリンジョーンズ。
このアルバムは素晴らしいぞ!アコースティック色が減退したハードなサウンドだ。そしてマリオットのボーカルが大幅にフューチャーされている。そしてずっしり重いサウンド!ハンブルパイ快進撃のスタートなのだ。
ジャケットの奇怪なイラストはオスカーワイルドの戯曲「サロメ」のオーブリービアズリーの挿絵だ。読んだ事無いけど。

IM READY

ROCK ON

1971年度作品

マリオット主導でますますハードでソウルフルになったハンブルパイ。
でも1曲目はピーターの名曲「SHINE ON」
これも良いんだな。オルガン弾いてるのはマリオット。

フランプトンはこのアルバムを最後に脱退する。そしてA&Mと契約して大成功を収める。
フランプトンの才能に気付いたA&Mがパイからフランプトンを切り離す工作をやったかもしれないという噂があった。結果ピーターはA&Mのドル箱スターになったのだ。

マリオットも絶好調!

STONE COLD FEVER

ROCKIN’THE FILLMOR

1971年発表作品

フィルモアイーストでのライヴ録音だ。2枚組レコード。
素晴らしい演奏が詰まっている大名盤なのだ。米国チャート21位の大ヒットとなる。
彼ら初の米国ゴールドディスクを獲得した。

STONE COLD FEVER

SMOKIN

1972年度作品
ピーターフランプトンが脱退してスティーヴマリオットが主導権を握ったアルバムだ。
ピーターの後釜にはコロシアムのクレムクレムソンが参加。
サウンドはとてもヘヴィだ。そしてマリオットのボーカルも絶好調。
これが間違いなく最高傑作なのだ。
ビルボードチャート6位でこれまたゴールドディスク獲得!

HOT“N”NASTY

EAT IT

1973年発表

このアルバムは2枚組になっており、A面がファンキーなロック、B面がソウルミュージックのカヴァー、C面がスローテンポな曲でD面がライヴ録音だ。マリオットはますます黒人音楽に傾倒しており黒人女性3名のコーラス隊ブラックベリーズが参加。マリオットの高音ボイスとの相性もピッタリだ。
圧巻はライヴ音源だ!
ちょうどこの頃伝説の来日公演が開催されている。私はまだ幼くてパイどころかストーンズも知らない子供だったので当然行っていない。ステージに花道が設置されておりマリオットはツバを吐きながら観客を煽りまくったらしい。とにかく凄かったそうだ。コーラスのブラックベリーズも一緒に来たそうだ。
観たかったな。当然映像もありません。

GET DOWN TO IT

もう1曲!素晴らしい映像が発掘されていた!

THUNDER BOX

1974年発表

このアルバムも最高に素晴らしいぞ!
しかも半分以上はソウルミュージックのカヴァーだ。ますますマリオットの黒人化が進行しており大好きなアルバムだ。何故か英国では発売されていない。私にとっては最高のアルバムなのだが、チャート的には前作の勢いが無くなってきている。

THUNDERBOX

STREET RATS

1975年発表

この頃にはパイの人間関係は修復不可能なほど悪化していたらしく、このアルバムはパイとマリオット個人のセッションを寄せ集めたもの。評判のあまり良くないアルバムだが、私は大好きだ。マリオットの歌が聴けるだけで幸せなのだ。このアルバムは英国盤と米国盤の収録曲が少し違う。
これがラストアルバム。

STREET RATS

ON THE VICTORY

1980年度作品

マリオットはパイ解散後ソロアルバムを1枚発表した後にスモールフェイセズを再結成したのだが2枚のみアルバムを発表して解散。
ドラムのジェリーシャーリーと共に再びHUMBLE PIEを結成する。
ギターはハミングバードのボビーテンチ。彼は歌も上手い。でも2月に亡くなってしまいました。ベースはセッションミュージシャンのアンソニージョーンズ。
このアルバムってほとんど話題に上がる事って無いけど素晴らしいよ。
まず私の大嫌いな80年代サウンドでは無い。
しかも歌も演奏も最高なんよ!

FOOL FOR A PRETTY FACE

GO FOR THE THROAT

1981年度作品

このアルバムもマリオットファンなら絶対気にいる筈。まさに70年代サウンドそのまま!
アルバム発表後ツアーに出る筈だったのだが、マリオットの怪我や病気で中止になり契約不履行でレコード会社から解雇されバンドは解散。マリオットはソロで活動するが1991年4月にタバコの火の不始末により焼死。
ちょうどピーターフランプトンとバンド結成の話が決まりそうになっていた矢先の出来事だった。
なんて不幸な人生なんだろうか。

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