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神崎桃子|顔を売らずに文章を売る女
2023年7月14日 19:12
第5話:厳しい現実・後編情熱しか持ちあわせていない人間は正真正銘のバカものだ。出版社に足を運んだわたしは現実を突きつけられる。持ち込んだ原稿を引き取ってはくれたものの、読んでもらえるわけがないと察知した。担当者が笑みもなく放った「一応、預かりますが……」という言葉、社交辞令ってやつ!「一応」とか、「とりあえず」ってワード、「また今度」とか「そのうちね」と同様それは相手を黙ら
2023年7月4日 17:49
第4話:厳しい現実・前編「善は急げ、だ!!」ノリと馬鹿さで情熱と勢いでわたしは出来上がった「逃げられる女」の原稿を”茶封筒”に入れて出版社の門を叩く。自動ドアだから勝手に開いたけども……。しかし業界のことを知らないということは知識を持たないということは無謀だった。出版社のことも、取次店や書店との絡みも、無名の人間が本を出すということがどんなことなのかなんて素人にはわ
2021年4月20日 20:57
第1話:突然の別れ~プロローグ恋がこれほど人を変えると思わなかった。酒でもないのにこんなに人を酔わせるものとは思わなかった。しかし、酒なら朝になれば抜ける。が、恋は一晩寝ても抜けやしない!相手への思いを寝て忘れることができたらどんな楽であろうか……。恋は人を翻弄させる。嫉妬、不安、憎しみを抱かせる。人を惨めにさせ、そして脆くさせる。“恋愛”は人間のあらゆる感情を引き出すもの
2021年5月6日 19:54
第2話:人には「文章にしなければ伝えられないこと」もある彼は何も言わずにいなくなった。消化不良の恋……。わたしはその恋を上手に葬ることもできずオロオロしていた。「なぜ突然私の前から消えたの?」「どうすれば彼に会える?」このままだと相手の職場に乗り込んでいってしまいそうな自分がいた。もう一度、話をしたい。きちんとサヨナラを言われたい。自分もサヨナラを言ってちゃんと終わらせ