Domoではじめるビジネスの健康診断 - データドリブン人事編
DomoのテクニカルコンサルタントのTatsuです。
前回の投稿では、Domoを利用して顧客のデータを集約・可視化することで、カスタマーサクセス の業務をデータドリブン に変革する事例をご紹介しました。さて、今回は同様の考え方を人事領域に応用すると何ができるのかをご紹介したいと思います。
データドリブン人事
「データドリブン人事」や「ピープルアナリティクス」という言葉の流行が示すように、様々な領域でデータの収集・分析が可能になっている現在、人事に求められる役割も変わりつつあります。優秀な人材の採用・教育・評価・定着化によって企業の戦略的目標の実現を支援するためには、人事業務プロセスの全てにおいて社内外のデータを有効に活用し、意思決定の質を高めていく必要があります。
事例:人材マネジメント ヘルススコア
本事例のコンセプトは、部門ごとのパフォーマンスを左右する要因を人材観点から計測・可視化することです。いきなり高度な分析や改善に取り組む前に、まずはデータに基づいた現状の把握を行える基盤を作ることにフォーカスしています。
より具体的には、各種勤怠傾向や退職率、エンゲージメントサーベイ結果などを部門ごとに集計し、スコアリングします。こちらが、人材マネジメントダッシュボードのうち、スコアをランキング化して並べた例になります(データはサンプルです)。
<人材マネジメント スコアランキング>
このように、まずはデータを集約して並べてあげるだけでも、大きな効果が得られるケースが多いのではないでしょうか。この一覧で全体を把握しつつ、気になる部門があれば、特定部門の詳細を照会可能なページへドリルダウンしていきます。
人事・経営としては、これまで感覚(もしくは個々バラバラのレポート)で把握していた各部門の実態と強み・弱みを一元的に把握することが可能になります。それは事業目標設定やリソース配分の意思決定にあたり、重要な情報となるはずです。
また、以下のように各部門を集計したリスクスコア・人数・人件費でバブルチャートにプロットすることで、人材マネジメントのリスクが高くなっている、且つ事業へのインパクトが大きい(人数や人件費が大きい)組織を特定することができます。これにより、テコ入れすべき部門の優先順位をつけることができます。
<各部門のリスクスコア・人数・人件費バブルチャート>
さらに、これらのデータを現場のマネージャー向けに最適化して可視化すれば、事実に基づき且つパフォーマンス改善につながるフィードバックを提供しつづけることができるようになります。マネージャーに自部門の強み・弱みを継続的に説明することができれば、マネージャーがそれを自ら改善し、パフォーマンス向上に向けた施策に取り組むトリガーになるかもしれません。
課題:データの散在
さて、ここまで人事のデータ活用事例をご紹介しましたが、多くの企業では人事関連データの活用はなかなか進んでいないのが実態ではないでしょうか。そして、それを阻む大きな理由の1つが、「データの散在」なのではないでしょうか。
従業員や組織にまつわるデータは以下の通り非常に多岐にわたっており、通常それらを一元的に管理・活用するのは困難を極めます。
多くの企業では人事領域の業務をカバーするために複数のシステムを併用していおり、それらを一箇所に集約して活用することは容易ではありません。また、仮にHR領域の統合的なERPやSaaSで運用できている会社であったとしても、結局エンゲージメントサーベイや人件費の実績・予算など一部データは別システムやファイルでの管理にならざるを得ません。
しかし、Domoを利用すればこれらのデータを全てクラウド上のDBに自動的に連携・統合し、可視化することが可能になります(もちろん、人事データを扱う際にはアクセス権限の制御を厳重に行うことが前提となります。その点についても、Domoにはユーザーの所属や役職に応じて行レベルでアクセス権限を制御する機能があるので安心です)。
Domoの強み:柔軟なデータの接続と加工
Domoはデータが散在している時ほど圧倒的な威力を発揮します。驚くほど簡単・スピーディーにデータの集約と可視化が可能なんです。その強みの秘密は、データ接続と加工の柔軟さ・簡単さにあります。
前回の記事でもご説明した通り、Domoには1,000以上のクラウドサービスと接続するためのコネクターが標準装備されています。また、オンプレミス・サーバー上のDBやファイルから直接データをアップロードするためのアプリケーションも用意されています。
さらに、粒度や仕様の異なる複数のデータを加工・集計処理をノーコードで定義して自動実行する機能を備えています。これらの機能を使えば、ほとんどのケースでシステム開発なしで、データの連携から加工、可視化までを自動化することが可能です。
最後に
さて、今回は前回の投稿でご説明した「カスタマーサクセス向けのソリューション」を人事領域に応用した例をご紹介しました。全く異なる業務領域であっても、Domoを利用して課題解決ができることを実感いただけたでしょうか?Domoを使いこなすことで、企業のあらゆるデータを最新のクラウドベースのBIに統合しながら、データドリブン な文化を作っていくことができます。無償トライアルも可能ですので、興味をお持ちの方はぜひ一度触ってみてください。
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