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Domoではじめるビジネスの健康診断 - カスタマーサクセス編


Domoのテクニカルコンサルタント のTatsuです。

様々なお客様にDomoを導入する中で、BI構築・データ活用に取り組むお客様が共通して抱える課題があることに気がつきます。

私からは、クラウドベースのModern BIであるDomoが、それらの課題に対して提供できる価値・ソリューションについてご紹介していければと思います。

Domoがいかにビジネスの仕方を変革できるサービスであるか、実感していただくことができれば幸いです。

初回のテーマは Domoではじめるビジネスの健康診断 - カスタマーサクセス編

Domoを使うことで、社内に散在する「顧客にまつわるデータ」を集約し、顧客ごとの課題を定量的に評価・可視化し、データドリブンカスタマーサクセスを実現できます!というお話になります。

Domoのことを知っている、知らない、問わずカスタマーサクセスに少しでも興味がある全ての方に、是非読んでいただきたいです。

カスタマーサクセスとは

昨今注目を集めるサブスクリプションサービスを支えるための中核的なビジネス手法がカスタマーサクセスですね。積極的に顧客の成功を支援することで、顧客の解約率が下がり、アップセル(追加契約)が増え、結果的に自社のビジネスが成功していくという考え方です。Salesforce創業者のマーク・ベニオフが最初に提唱し、その後、SaaSとサブスクリプションビジネスの流行と共に一気に浸透していきました。

計測すべき指標と取組み

カスタマーサクセスの担当者が計測するべき代表的な指標は以下の通りです。これらはビジネスの成否を評価するための「結果指標」であり、サブスクビジネスを展開する企業であれば、ここまでは可視化できているケースも多いと思います。

・総更新数
・リテンションレート(既存顧客維持率)
・チャーン(解約率)
・アップセル
・ダウンセル
・ネットプロモータースコア(NPS)

しかし、この結果指標を眺めているだけでは将来のビジネスは成長しません。これらの指標の改善のためには、ボトルネックの早期の特定とそれらを潰していくための具体的なアクションの積み重ねが必須です。求められるアクションとして代表的なものは、例えば以下になります。

・顧客ヘルスチェック
・四半期ビジネスチェック(QBR)
・教育、トレーニング
・ヘルススコアの計測
・リスク評価、リスク低減活動

しかし、これらの活動を定量的・継続的に計測・評価していくのは容易ではありません。

課題① データの散在

例えば、顧客のヘルススコアはどうやって測ればいいでしょうか?SaaSであれば、アカウント数増減、ログイン率、利用時間数など顧客別の利用データをサービス保守部門に依頼して出力してもらう必要がありそうです。また、カスタマーサポートへの問い合わせ状況はCS管理システムから出す必要があります。これら外部のシステムから自動的・継続的にデータを出力し加工するのは簡単ではありません。

課題② 定性データの定量化

BtoBのSaaSビジネスの成否は定量データだけでは語れません。NPSのようなアンケート結果はもちろん、例えば、以下のような定性的な事象も実は大きな解約要因となり得ます。

・顧客との定例ミーティングを実施していない(課題をキャッチできない)
・契約している部門の担当者や役員が交替した
・別の部門で競合製品を利用している

これら重要性の高い定性データをどう定量的に評価し、ヘルススコアの構成要素とするのかも課題となります。


Domoによるソリューション

以上のような課題を解消するためにDomoを活用した事例をご紹介します。
こちらは実際の事例をデモ版として簡略化した「カスタマーヘルススコア」というダッシュボードの一部になります。このダッシュボードは、これまで列挙した顧客の健康状態を測るために必要なデータを全てDomoに連携し、それをスコアリングするためのデータ加工を行い、可視化したものです。

1.顧客別リスクレベル・リスク要因一覧

顧客リスト

顧客ごとにリスクスコアとレベルづけがされています。リスクスコアは、前述の各種指標(ログイン率、利用時間数、NPS、定例ミーティングの有無など)をスコアに落とし込むための定義を行った上で、Domoのデータ加工機能で点数化と合算を行っています。カスタマーサクセス担当者は担当顧客の利用状況とリスクレベルとその要因を一覧で確認し、優先順位をつけながらプランニングすることが可能になります。さらに詳細を確認したい顧客があれば、顧客名称をクリックすれば顧客詳細ダッシュボードが開きます。

2.契約変更スケジュール

契約更新スケジュール

今度は各顧客を、X軸が次回契約更新日、Y軸がARR(Annual Recurring Revenue・年間定額収益)のバブルチャートにマッピングしたチャートです。バブルサイズはUpsellの見込額、色はリスクレベルを表しています。カスタマーサクセス担当者は担当顧客の契約スケジュールと契約規模、そして継続リスクの有無を一眼で把握することができます。

上記のチャートは一部ですが、このダッシュボードによって担当者は常に最新のデータを基にリスクのある顧客やUpsell見込みが把握できるようになると共に、マネジメントや関係者にも同じ情報が共有されることで、意思決定のスピードと質が向上するという効果も得ることができました。

最後に、本事例の実現にあたりDomoが提供できたメリット・強みを説明したいと思います。ポイントはデータの接続と加工の容易さです。

ポイント① データ接続の容易さ

今回の事例では以下のシステムからデータを接続しています。これだけの数のシステム・ファイルからデータを接続し、それを継続的にUpdateし続けるシステムを構築しようと思ったらかなりコストがかかりそうです。

・CRM:顧客情報、契約情報
・プロジェクト管理:コンサルティングサービスの稼働データ
・カスタマーサポート管理:カスタマーサポート利用状況
・自社サービス:自社サービスのアクセス解析データ
・Google Sheet:顧客別Upsell目標
・Excel:NPSスコア

しかし、Domoは1000以上のクラウドサービスと接続するためのコネクターという機能を標準で備えています。標準的なクラウドサービスであればそのデータを驚くほど簡単にDomoに自動連携することが可能です。

コネクタ

ポイント② データ加工の柔軟さ

今回様々なシステムからデータを接続しましたが、それらを集約・計算してスコアリングを行う必要があります。Domoのデータ加工機能は非常に強力でありながら、ビジネスユーザーにも利用可能な操作性を備えています。最近流行のノーコードです。IT部門や外部ベンダーによる開発は最小限に抑え、ビジネス部門主導でスピーディーにデータ活用プロジェクトを進めていくことが可能になります。

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最後に

いかがでしょうか?Domoを活用することで、最小限の開発コストでデータドリブンな業務を実現できることがイメージいただけたでしょうか?次回はカスタマーサクセスをベースに取り組んだ事例を他の領域にも応用するとどうなるのか、ご紹介したいと思います。お楽しみに!