IRONMAN Malaysia 2023 詳しすぎるレポート【その④レース当日・スイム編】
起床
明けてついにレース当日、10月7日の朝を迎えた。3時半にバチーンと起床。睡眠はまぁまぁ。4時の朝食までにトライスーツへの着替えやタトゥシール貼り付けなど最後の準備をしておく。
昨年の教訓を生かし、足首に巻くタイミングチップのところには「幅広」のテーピングを巻いておく。
ゼッケン番号のタトゥシールは、今年は番号だけだった。確か昨年はエイジクラスごとにアルファベットをふくらはぎに貼った気がしたけど、気のせいかな?(いや、貼ってた。昨年のレポートに記載あり)
この時はよくわかってなかった(スタートリストが公開されてなかったこともあり)が、どうやら国籍・男女・名前関係なく、ただひたすらに「年齢順」でゼッケン番号が割り振られていたようだ。
あとは忘れ物をしないようにダブル・トリプルチェックをして、すべてをストリートギアバッグに詰め込み準備完了。では朝飯にいきましょう。
朝飯はいつものアジアンダイニングのバッフェで。何を食ったかよく覚えてないが、食欲はあまりよくなく、若干「詰め込み」感があった。でも体調としては特に気になることもなくまぁまぁ。
出発
懸案の軽量化は遺憾無くこなし(笑)、5時にホテルロビーにてYongさんのお迎え。今回は嫁さんはスタート見届けにはこない。昨年そうしたところ、帰りのシャトルバスがなかなか出ないうえ、交通規制で渋滞してホテルまで何時間もかかって酷い目にあったためだ。
ナディアスにてWKさんとA木さんを拾う。もう一名、同宿の若者(T中さん)をついでに拾っていくことになった。なんと彼もコナチャレの人だった・・・!!緊張感高まる当日の朝だが、車内でコース攻略についてあーじゃこーじゃと話し合ってすこし気分がほぐれた。
ほどなくT1へ到着。ここでYongさんとはお別れ。「皆さん頑張って!」「ハイッ」ゲートの前で待機していると、そこにいるのは藍ちゃんじゃないか・・・!!そこらじゅうの選手たちから声をかけられている。なんと、さっき同行したT中選手は偶然会って、一緒にライドしたりしたらしい。いいなぁ・・・
最終準備
ゲートオープン。バイクの最終セットアップへ向かう。ラックへの架ける向きを変えて、ガーミンとサングラスとジェルボトルをセット。エアロボトルに水を入れ、念のためホイールの回転(シューのスレとか)に問題がないか、確認しておく。OK。
昨年は割と照明が少なくて懐中電灯が無いとちょっと厳しかったので今年もランタン型の懐中電灯を持ってきていたが、ほとんど不要だった。
ウェットを着る必要がないので、あとはもうあんまりやることはない感じ。とりあえず最後のトイレに並んでおく。横の道路に出てトイレを済ませて元の場所から戻ろうとしたら係員がここはダメ、入口へ回れという。選手なんだから入れてくれてもいいじゃんよ・・・まぁいいけど。
では覚悟決めてメガネやら要らんもんをストリートギアバッグに入れて(ド近眼だがスイムのメガネ預けはしない。度付きゴーグルでトランジションまで走ってしまう)スイム会場へGo!・・・昨年もそうだったが、ギアバッグ預けトラックの案内がイマイチなんだよなぁ。あったあった、スペシャルニーズトラックの後ろだった。
試泳など
スイム待ちのエリアはすでに選手たちでごった返していた。水をミニペットボトルで配布してるのでいただいておく。これでスタートまでは安心。7時40分のローリングスタート開始までまだ1時間近くある。
昨年もその脇のあたりで試泳したことを思い出した。行ってみるとあんまりたくさん人はおらず、ぼちぼち泳いでる人がいるかな、という程度。日本だと試泳エリアが大混雑ですごいことになってるのが常なのだが・・・そしてまた「どうやらこの辺で試泳すればよし」という感じで、時間もよくわからない。
ちょっと泳いでみて直感した「今日は大丈夫」。さすがに今シーズンもう5戦目ともなると(しかもアイアンマンはローリングスタートだから)落ち着いたものだ。五島のスタート前に死にそうな気分になってたのが嘘のようだ。
上がってくるとちょうどA木さんと、WKさんチームメイトの女性(F70!!)がいたので話に混ぜてもらう。緊張のピークのスタート前にこうして少し雑談ができるのはとても助かるものだ。そうこうしてるうちにWKさんも合流した。お互いの健闘を誓って「ゴールで会いましょう!」。
いよいよローリングスタートの開始。まず黄色キャップ(1時間15分以内)がコールされ、選手が続々とスタート地点へ移動していく。ついで自分たちの紫キャップ(1時間30分以内)、そしてオレンジ(1時間45分以内)、緑(それ以降)と続く。
スタートエリアでは派手なロックがガンガン掛かってMCのオジサン(昨年と同じ)が煽る煽る。いいね、この感じ。そして5秒おきに5人ずつ整列してどんどんスタートしていくので、順番は割とすぐに回ってくる。1分で60人だから10分以内に全員スタートする計算だ。
スタート
スイムの目標は1時間25分だが、できればなるべく1時間20分に近いタイムになれば・・・というものだった。そのためにはいつもの「まぁいいか」という泳ぎではなく、しっかり泳がないといけない。
ローリングスタートだし、泳力別にクラス分けされているとはいえ、1時間15分と1時間30分というのは結構な違いがある。いわゆるバトルのようなことは全くなかったが、前のひとにちょいちょい詰まったり、後ろから突かれたりということは割とよくあった。
とにかくしっかり泳ごう。練習でちょっと気合い入れているときのストロークを思い出して、息継ぎの時の水面がザーッと前から後ろに流れていく感覚が続くように意識していた(とはいえ、ぜんぜん速くはないんだが・・・)。
ブイはどうやら100mに一個ずつ浮いているようだった。これを着実に数えながら行けば大丈夫。最初のコーナーブイが400m。
赤のコーナーブイを右に曲がり、次が岸と平行に700m。これが割と長く感じた。泳いでいるうちにポツリポツリと黄色キャップの選手を捉えることも出てきた。おっもしかして俺調子いいのかな?と思うが、いやいや黄色が落ちてきているだけだ、ぬか喜びは禁物だ。
それにしても「時々平泳ぎ」で一息つくとか、方向確認するとかならわかるけど、完全に「平泳ぎ一本」で進んでる選手がいるのには参った。しかもこっちのクロールとほぼ同じ速度で進まれた日にゃぁ・・・凹む。まぁ、泳法は好き好きだからいいんだけど(蹴りを入れられるのだけは勘弁)。
ようやく第二コーナーブイに到達。一周目の半分を過ぎたわけで、気分的にはもうイタダキ(生きて上がれそう、の意)である。ここから残り800m。当たり前だがこれがまたさらに長い。特に、ゴールの白い2本のブイが見えてきてからがなかなか進まない感じがした(まぁいつもそうだけど)。
水温は29度前後ということで全体的にぬるま湯のようでだいぶ参った(ウェット着ていいよ、と言われても断るレベル)が、このあたりだけなぜか所々冷水が流れてくるゾーンがあって、そこだけは気持ちよかった。
最後焦らず落ち着いて進み、一周目着岸。砂浜をザザッと駆け上がりながらガーミンを確認。42分台!!うーん悪くはないけど良くもない、て言うか一周2キロの佐渡んときとおんなじってどういうことよ?割と頑張ったつもりだったんだがなぁ。ほとんどロクに練習してないからしょうがないか。
二周目
エイドで水をもらって気合い入れ直して速攻二周目へIN!二周目は疲れもあるから手を抜くとさらにタイムが落ちてしまう。一周目にもましてストリームラインを意識してしっかり水を捉えることと、周囲の人と競り合ったときに気合い負けしないように気をつけた(いつも「あっ、お先にどうぞ」とヒヨることが多い)。
二周目に入り、ちょくちょく「チクッ」「チクッ」イテテテ・・・クラゲ来たか、という感じで何回か刺された。でも珠洲のときみたいに「イテーッアツツツ」というほどではなく、佐渡のとき同様「ちょっと針で小突かれた程度?」という感覚でことなきを得た。
もう後半分もない、これが済んだらあとはバイクとランだけか・・・というおかしな思考が出てきて自分で笑ってしまう。「だけ」じゃねーだろうよと。
とはいえ、やはり二周目も700m区間と最後の800m区間は忍耐の時間だった。やっぱり普段からもっと(5年前やってたように)ちゃんと距離泳ぎ込みしないとダメだな・・・と改めて反省しながら。
スイムアップ
二周目終わり着岸!スイムゲート付近でガーミンを確認、1時間25分台・・・!!良くはないけどなんとか大タレせずに目標タイム付近で戻れたようだ。落ち着いてラップボタン押してT1モードへ。
スイムラップ公式記録 1時間25分21秒 176位/出走578人
このタイムでこの順位?国内だとあり得ないよな・・・やっぱり制限時間が緩いからなのか・・・?
ともあれT1へ。ロングとはいえ、トランジションは「動いてない時間」だからこれをできるだけ縮める努力をしなければならない。メット被ってソックス・シューズ履いてジェルとBCAA吸ったら火急的すみやかにトラバッグをケージに放り込んでグローブをはめながらバイクラックへ突進する。
周囲のバイクはちらほらなくなっているが、思ったよりは残っている印象。バイクのガーミンを起動、ロードモードで待機、サングラスかけてラックから下ろし、スタートゲートへ走るべし走るべし!マウントラインを越えたところで腕とバイクのガーミンをスタートして乗車!あー何とか今回もこの一番ややこしい儀式を突破した・・・
T1公式 4分37秒 よし!目標の5分切った。あとはバイクでどの程度ブチかませるか・・・(と、この時はそう思っていた)
【その⑤バイク編】につづく