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2023佐渡国際トライアスロンその⑤【ラン編】

地獄のラン

当初気温予報が33度前後と聞いた時、まぁ暑いといっても皆生の36度よりマシだからどうにかなるんじゃないの?と思っていた。しかし実際には皆生の場合湿度が割と低めだったのに対し、今回の佐渡は湿度がかなり高かったようだ。そうなると日差しが強いことも相まって恐ろしいことになる。

そしてさらに悪いことにバイクで過去イチきつい状況に陥ってしまい、もう全然脚が残ってない。これはもうランのタイムは全く期待できない。とにかく完走目標に変えるしかない。イノチダイジニ、だ。

公式案内より

ランコースは佐和田のスタートから海岸沿いを西へ4キロ強進んで折り返し、ゴール地点を横目に街へ入り商店街の手前を一旦左折して少し行ってまた折り返し、さらに商店街を進んでさらに左折して少し進んで三度折り返してゴール地点へ戻り次の周回へ行く。

昨年の7キロ6周回よりは「刻み」がわかりやすい印象。まぁ、距離が変わるわけでもないが。救いは沢根付近のごく微妙なアップダウンを超える回数が少なくてすむことだ。いずれにせよ佐渡のランコースは基本ド平坦の部類だ(2019年以前の本来のコースは、知らない)。

今年は五島も皆生も珠洲も、ぜんぶそうだったが、ランではセンシベルトのボトルの水が頼りだ。とにかくエイドで水(できれば氷水)をもらってずっと被りながら暑さを耐え忍ぶ。というかそうしないとタヒんでしまう。昨年、スタート直後焦り過ぎてエイドで水をもらい損ねるという失敗をしていたので、今年はしっかりボトルを満杯にしてから出た。

昨年も何度も何度も走ったコースだから二年目にしてはランドマークや起伏も含めてほとんど覚えている。商店街方面の折り返しは昨年はなかったが、あのあたりはどのみちド平坦だし声援もすごいから距離を気にすることはない。

刻むポイントとしては、スタート地点(本部AS)→ホテル前→ツルハドラッグ前→窪田WS→起伏少々→沢根AS→折り返し(以下繰り返し)という感じだ。

ストビューが古くてツルハドラッグがまだ建ってない

西への往路は、追い風だった(昨年もそうだった)ため、走行速度と風速がだいたい一致してしまって、身体の周囲に熱気がこもる状態になってそれはもう厳しい。しかしボトル水のおかげでなんとか正気を保って走り続けていた。

最初のうちしばらくはエイドで氷をもらえたが、そのうちになくなってしまった。多分後方の選手達がコースにでたころにはもう氷はなかっただろう。折り返しを過ぎると風向きが逆になり、体は冷ませるものの、結構押し戻される感覚があってきつかった。とにかく「次のエイド、次のエイドまで・・・」と唱えながら耐え続ける。

最高のエイド

そんな中、異彩を放っていたのが沢根のエイドだった。元気いっぱいの若者たちが声を限りに選手を励まし、全身全霊でエイド作業に携わっていたのだ。

「つめたいお水あります!体を冷やしてください!」
「おいしい麦茶もあります!飲んでいってください!」
「コーラもあります!!どんどん飲んでください!!」
「選手の皆さん!がんばってくださーい!!」

なんやこの子ら、最高やんけ・・・😭長いことマラソン、トライアスロンやってるけど、こんな素晴らしいエイドは初めて見た。本ッ当に感動した!!

その後の周回から、沢根のエイドに戻るのが楽しみになった。あそこへ行けばまたあの若者達に会える。苦しい苦しいランの間中、それがどれだけ支えになったことか・・・もし機会があるなら、彼らにもう一度会ってお礼を言いたい気分だ。

もちろんそれだけではなかった。沿道ではそこかしこの民家からホースを出して選手に水を掛けてくれる人がいて、どれほど助かったことか。そして特に本部前に差し掛かると、すでにレースを終えたBの選手たち、そして商店街方面に行くと街の皆さんが大盛り上がりで声援を送ってくれた。

仲間

一周目の折り返しを過ぎて戻ってきたあたりで後方から追い上げてきたTomoyoさんを発見。差は15分くらいだろうか。彼女は元気そうで足取りがしっかりしている。油断するとたちまち追いつかれてしまいそうだ。

二周目は少し調子を戻して引き離すことができたが、そこで脚が終わってしまった。三周目には完全にジョグになってしまい、またじわり差を詰められる。四周目どうにかキープし続けられた感じだった。

その他の仲間は、いつものY山さんはなんとバイクの途中でタイムアウト。T2でトイレの後さぁ行くぞってなってるところにひょっこり現れて写真撮ってるから「えーっY山さんなにやってんの?!」「バイクでリタイヤ〜」「えー😭」

撮影:Y山さん

パワー!

ディフェンディングチャンピオンのSohei選手は圧巻の走りで、途中ガーッとラップされた。モノが違いすぎる。そして我らがリーダーは最初会った時はちょっと苦しそうだったが、次の周回には「復活!」と言って力強くハイタッチしてくれた。

一方、Devinは最初会った時はよかったが、その後急に失速してみるみるうちに(自分が)追いついてきて、ついには抜き去ることになった(もちろん彼はバイクが超速かったので一周前にいる)。「Devin! What happened to you?!」「I'm toast!!」どうやらバイクでプッシュしすぎて潰れてしまったようだ。

その後はBの選手も含め、本当にたくさんの仲間とすれ違うごとに声かけをして元気をもらうことができた。「Taiさん元気だな〜」と言われたりもしたが、本当はもうヘロヘロ。でも無理にでも明るく声を出すことで逆に自分に元気が出るのだ(これは本当です)。

困ったのは、向こうはJETTジャージ着てなくて誰かわからないのに、向こうはこっちのこと「JETTのTaiyaki」と知っていて声かけしてくれる人がいたこと。(えっ誰だろう?でも挨拶しないと)「ありがとー!!」(困ったな・・・)何度もスライドするたびに声かけてくれて本当に嬉しかったけど、結局誰かわからずじまいで申し訳なかった(もしここ見てたらお知らせください)。

日没

そんなこんなで三周目も終わりに近づくと日はだいぶ傾き、明らかに気温が下がってきたのを感じる。四周目にはもっと楽になる!しかしもう太陽は西の方に沈みつつある。また今年も陽のあるうちのゴールは厳しそうだ。まぁ、バイクであんな潰れ方をしたら、しゃーない。

案の定、最後の西の折り返しを過ぎたあたりでとっぷりと日は暮れた。もうサングラスは外す(ド近眼になって誰が誰かわからなくなる)。本部前に戻ってきた頃にはすっかり暗くなり、照明が灯った最後の商店街を抜ける。あと3キロ、2キロ、1キロ、、、最後の折り返しのあたりでギター抱えて歌いまくってる人がいた。Bタイプに出場した「歌って斗うトライアスリート」高橋よしあき選手だった。

ゴール

ああ終わる、この長い長い佐渡もついに終わるときが来た。最後の角を曲がればゴールエリアはもうすぐだ。周回に別れを告げ、左へ。歓喜のフィニッシュゲートへなだれ込んだ。

スクショ by Bucci

ランパート 4時間37分18秒 174位

ゴール後、フィニッシュゾーンの裏手に回り込むと椅子に座らせてくれる。ありがたい・・・アンクルバンドを取ってもらい、飲み物も持ってきてくれる。しかし、そのままケツが椅子に張り付いたようになってしばらく動けなかった・・・疲れた・・・

つづく

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