ドーナツと祖父の夢の話
20.1.2019 / どいちぇん日記 nr.8
Ich habe von den Donuts und meinem Opa geträumt.
わたしはドーナツと祖父の夢を見た。
デュッセルドルフはドーナツ砂漠だ。わたしが知る限りでは専門店はダンキンドーナツしかない。なので、密かにおいしいドーナツ屋さんができたらいいのにと願っている。見た目はムチムチしているけれど、中身はふかふか、ミルクチョコレートがコーティングがされたシンプルなドーナツが食べたい。誰もやる予定がないなら、わたしが店を開きたいくらいである。そんなことを考えながら、頭の中のドーナツをこうして絵に起こしてみる。
先週はいろいろなことがあって、気持ちがせかせかしていた。そんななか、土曜の朝にうたた寝しながらある夢を見た。ぱっと場面が切り替わると、わたしは浅草にある母の実家の前に立っていた。1階は事務所なので、わたしは2階に続く階段を駆け上がった。2階にたどり着く前から祖父の声が聞こえてくる。階段を上りきり居間に目をやると、冴えた藍色の半纏をまとった祖父が上機嫌で話しているのが見える。早口で何を言っているかはわからなかったけれど、わたしは祖父に抱きついた。しかし、次の瞬間に「祖父は死んだはずだ」と思い、つい突き放してしまう。そして、祖父はしゃべり続けながら3階へと上がっていった。そこで目が覚めた。昨年11月に祖父が亡くなってから、はじめて祖父の夢を見た。葬儀には行けなかったので、やっとドイツまで会いに来てくれたのかもしれないと思った。そして、昨晩遅くに父から連絡があり、父方の大叔父が亡くなったことを知った。わたしたちきょうだいを孫のようにかわいがってくれた大叔父だ。昨年5月に石巻で会ったときはあんなに元気だったのに、急な知らせだった。もしかしたら、天国にいる祖父が夢に出てきたのは、その知らせだったのかもしれないとぼんやり考えながら眠った。
memo:絵を描いてすっきりするのは、たとえば「ドーナツが食べたい」ということ以外の煩悩がなくなるからだと思う。でも、マグカップの青は祖父の半纏の色。