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【第17回】ゆるゆるM&Aセミナー:ざっくり財務・事業計画分析④C/F
日本一ゆるゆるなM&Aセミナーです。気楽に読んでください。
IMを受けP/L・事業計画・B/Sについての分析を経て、ついに今日は財務・事業計画分析シリーズの最終回、C/Fについてです!
IMは買い手が買収対象の価値を評価し、対価について意向表明できるようにすることが目的です。
買収対象の価値とは、つまり買収対象によるキャッシュを稼ぐ収益力です
ですので、P/L・事業計画・B/Sを元にC/Fを分析することが重要です。
キャッシュフローは開示されないことも多いので、その場合は買い手自身で予測します。
■営業キャッシュフロー
税引前純利益に対し、
✔運転資本増減を加減算
✔減価償却費を加算
✔法人税等を減算
で計算できます。
■投資キャッシュフロー
IMにて開示されていない場合は売り手に投資計画を確認するしかありません。
その上で、投資の水準が、対象事業を事業計画通り遂行するために十分か確認する必要があります。
例えば、直近設備投資を抑えている場合、本来は大型投資が必要なのに、それを事業計画に盛り込むとバリュエーションが下がるため、売り手の心情としてあえて抑え続けた計画を書いている懸念もあります。
財務C/Fは開示されないことが多いですので、なければ無視して良いです。
■現預金
キャッシュフローが計算できたら、改めてB/Sの現預金に反映させます。そこで、将来キャッシュが不足しないか、そのリスクの大きさを見ておく必要があります。
■まとめ
これで財務関係の分析は終了です。
C/Fは基本的には、P/L・事業計画やB/Sの分析結果を整理すれば計算できるので新たな確認事項はあまりありませんが、
投資C/Fの妥当性
はしっかり確認しておきましょう。
では、次回からはいよいよ、財務分析を経てバリュエーションに入ります。お楽しみに☆
■ご参考
以下、営業C/Fの説明です。
自分向けの頭の整理用メモです。
くどい説明になっていますので、飛ばしてくださいませ・・・
キャッシュはどうやって生まれるのか・・・
①製品やサービスが売れたら、その売上として最終的にはキャッシュが生まれますが、一旦は売掛金となります。(P/Lの話)
②製品を自社で作るときは、①で売れるまでの期間、棚卸資産として自社で保有し続けることになります。(B/Sの話)
③売掛金は、一定の期間を経てキャッシュとして振り込まれます。(B/Sの話)
④一方で、売り上げを作るための支出も必要です。(P/Lの話)
⑤これも、経費などは発生時点からそれほど遅れずに支払いますが、仕入れなどは一旦は買掛金として、その後一定の期間を経てキャッシュを振り込みます。(B/Sの話)
さて、②③⑤はB/Sの話です。キャッシュの回収と支払に時期ずれが生じるということですが、もし同額の時期ずれが続くのであれば、キャッシュは 生まれもせず減りもしません。
問題は売掛金や棚卸資産・買掛金の残高が変わる場合です(ふつうは変わります)
■例えば期間の売り上げが1000、売掛金が、期初100、期末に80だった場合・・・
✔期初の売掛金100はキャッシュとして受け取り、売り上げの1000のうち80は売掛金として残るが、残りの920はキャッシュとして受け取る。キャッシュ合計は1020。
✔つまり、売り上げ1000と、売掛金の期末-期初の差額20のキャッシュフローが生まれるということになる
⑥そして、キャッシュを振り込まなくても良い費用があります。投資を行った場合の償却費です。
なぜ費用なのにキャッシュは払わなくていいのでしょう?
答えは、投資した時点で最初に全額払っているからです。(それが、投資C/Fです)
P/Lとしてはそれを使用期間に応じて分割して減価償却費として費用支出としていますが、P/Lから営業C/Fを導くときに償却費を戻すという作業は、つまりすでに投資C/Fで支払ったものを営業C/Fでも支払うと二重払いになるからです。
まとめると、
✔①売上-④支出=純利益
✔②③⑤については、期末‐期初の差額
✔減価償却費
を純利益に合算することで、営業キャッシュフローとしています。
※今後説明するDCFで、税引前利益をノンリコ調整する必要があることから、図では、
✔税引前純利益
✔②③⑤については、期末‐期初の差額
✔減価償却費
✔法人税等
としています。