ドルショック竹下
有料のと無料のがあります。
2011年頃からmen's nowというサイトで連載していた漫画です。
「特選小説」(綜合図書)という雑誌で2011年から掲載されていた埋め草4コマ漫画を集めました。 タイトルなかったので適当につけました。
過去のイラストをテキトーに置いときます。
「挿れるモノ拒まず~旦那がいてもシてみたいんです~」 めちゃコミック版 https://sp.comics.mecha.cc/books/112352 Amazonキンドル版 http://amzn.asia/d/ayO0857 がレビューで(主に外見を)けちょんけちょんにけなされながら発売中です♡
わたしには幼馴染がいる。 保育園から同じ小中学校に通い、高校では離れてしまったが母親同士が仲が良かったのもあって度々会っては近況を報告し合う関係が続いた。 彼女はクラスでも利発でリーダー的存在だった。ダンスや歌が上手な上に明るくて元気、ハキハキとした受け答えで先生からも気に入られる、分かりやすい学校の人気者。当時、どちらかというとボンヤリしていたわたしからすると、言い出しっぺを買って出てくれる彼女は一緒にいるだけで遊びやイベントに巻き込んでくれるので都合がよく、また楽
いつからかわたしの心の中には深い深い湖がある。なにかにつけ、縄ばしごのようなものでそこまで降りていって、静まり返った湖面を見つめている。 湖から拾い上げるのは大抵失ったものの思い出で、心通った記憶はないけれど最期はわたしが作ったクマのぬいぐるみを抱いて幼子のように死んでいった祖母だとか、わたしが部活の大会に出ているあいだに母に看取られて死んだ飼い犬だとか、生まれなかった子供だとか、離れていった友人だとか、そんなようなものの記憶を角度を変えたり日光に透かしたりして眺めている。
スイミングから帰ってきた娘が、小さいビニール袋の包みを渡してきた。中身は焼き鳥である。 近所のスーパーの軒先に週3回現れる、焼き鳥の屋台。この町に引っ越してきた当初は物珍しくて何度か買っていたが、味が普通なのと店主の爺さんが無愛想を通り越してもはや失礼なんじゃないか、と買うたびにモヤモヤが募り、最近は足の向くことがなかった。 ただ娘はやっぱり食べたくなる時があるようで、スイミングの帰りにスクールから我が家まで送るミッションを遂行中の父親、つまりわたしの元夫につくね串をねだっ
↑のエッセイに画像を添えたいなと思って実家のアルバムを漁ってみたが、祖母は写真も好きじゃなかったらしくほとんど見つからなかった。 旅行も嫌いで、行く約束してたのにキャンセルするくらいだったらしく、人生の喜びみたいなものをすべて拒否するかのような頑なさを改めて感じた。 奇跡的に一枚、近所の公園で撮った写真を。 春の朗らかな光の中で、こんな優しい顔をした人だったっけと。
父方の祖母はいつもテレビで相撲を観戦しており、贔屓の力士は寺尾だった。 炭鉱で働く男に嫁いだ祖母は、やがて炭鉱を後にし建設作業員となった祖父に付き従い、関東に移った。子供は一人死んで七人。長男と末息子は親子ほどの歳の差で、六番目の父が30代半ば、つまりわたしが物心のついた頃には祖母は70代だっただろうか。共働きの両親の代わりに保育園に迎えに来るのは祖母の役割だった。祖父祖母と末の叔父が住むアパートで小学生の兄と夕飯を食べ、母の迎えを待つ。平日に2時間程度のこの滞在は、わたし
昼食を食べたあと起きていられない。ホットカーペットの出力を「強」にして、簡易的な枕に頭をもたせ、簡易的な毛布をかぶってラジオをかけたままこの時間まで寝てしまっていた。外は暗い。 パーソナリティーが今日の天気とか週末の天気とかあとなんか楽しげなことについて話しているのを意識の端々に捉えながら、わたしは何か深刻な夢を見ていたらしい。目が覚めて右の手のひらを見ると、親指以外の全爪の食い込んだ痕が刻まれていた。愛のために闘っていたのか、夢の中のわたしは。 寝ているあいだにも何度か
最近、鼻毛が出るようになってきた。 鼻の穴が下を向いているわたしとしては、「鼻毛が出にくい」という一点においてミポリンに勝っている。そのことが子供の頃からのアイデンティティだったのに。 どんなに美人でも、鼻毛が出ることはある。同時にどんな醜女でも、鼻毛が出ないことはあるのだ。鼻毛が出ていると、一緒にいる相手に少なからず逡巡を与える。指摘するか、するまいか。指摘して傷ついてしまったらどうしよう。ただ体毛が体の一部からちらちらと見え隠れしているだけで、人間関係においてわずかなス