庭にわ2羽ニワトリがいる
動物園に子どもを連れてきた。初めての動物達に息子も大はしゃぎだ。ゾウさんの大きさに感動し、テナガザルの咆哮に驚き、今はふれあい広場でうさぎを追って駆け回っている。そんな息子を中腰で追いかけ続けるドルジ。しかしこの体勢、結構腰にくる。じわじわとダメージが蓄積されていくのが感覚で分かる。そして、四方に手足をバタつかせながら暴れる息子を抱っこした瞬間、その時はやってきた。ピンと張っていた血管が切れたかのような感覚と共に、激痛が全身を駆け巡る。そう、ドルジは今、完全にヤッたのだ。ヤッた人間はどうすることもできない。子どもを何とか離陸させて、床にうずくまるばかりだ。妻に事情を話し、時間もいい頃合いだったため帰宅することにした。一刻も早く帰って横になりたい。お土産購入もそこそこに、駄々をこねる息子を何とかなだめて駐車場へ向かうことにした。動物園の駐車場は広大だ。駐車した場所を覚えていないと探し当てるまでかなり時間がかかる。もちろんドルジは車を停めた場所を朝に記憶した。でも、ドルジの頭がニワトリであることをすっかり忘れていた。ドルジのストレージから車の位置情報は既に削除されていた。この後、人生で1番長い30分を体感し、相対性理論は存在すると確信するドルジなのでした。