ドルジちゃん

奴隷として扱ってください。 〜スタッフ一覧〜 イラスト:黒うさぎ 主題歌:キンカメ …

ドルジちゃん

奴隷として扱ってください。 〜スタッフ一覧〜 イラスト:黒うさぎ 主題歌:キンカメ 総合演出:ポルコ

最近の記事

遅れてきた羞恥心

共感性羞恥心を知っているだろうか。誰かが恥ずかしい目に合っていると、自分も恥ずかしい気持ちになるあの不思議な感情だ。ドルジはこの共感性羞恥心を駆使して、世知辛い実力社会を何とか生き延びてきた。ドルジは学生時代、歌うアイス屋でアルバイトをしていた。この店ではアイスを作る際の歌のパフォーマンス目当てに多くの人が来客する。著作権を無視したネズミーランドの曲で替え歌を唄えば、苦虫を潰したように泣いていた赤子がペコちゃんのような笑顔になり、倦怠期で会話の少なくなったカップルも自然と目の

    • 記憶システム

      皆さんは傘という物をご存知だろうか。雨が降った時に脳天の上に広げる放射線状のアレのことだ。ドルジはこの人生で一体何本の傘と生き別れになったのか覚えていない。ある時は電車の中に、またある時は居酒屋の入口に。犬のマーキングの如く、数多もの土地にドルジの生きた証として傘を残してきたのだ。そんなある日、雨が降るたびに家から傘が無くなる実情に痺れを切らした奥さんから、ある通達を受けた。少々言葉尻が荒かったのでここには直接記載できないが、簡単に言うと『次に傘を無くしたらおまえの命も失うこ

      • 俺の山月記

        ドルジとお酒は切っても切れない縁がある。お酒に救われたこともあるし、失った物も数え切れない。当時まだ若手だったドルジは、取引先との飲み会で緊張からどんどんお酒が進んでいた。飲めば飲むほど場が盛り上がるので、自分のキャパなど考えずにやりたい放題した結果、気が大きくなり無双状態に変貌していた。そんなスーパードルジくんは取引先のお偉いさんとタクシーに同情して二次会会場へと移動していた。お偉いさんがドルジをからかって『まだ何も分かってない新米の癖に生意気だぞ』と言ってきた。いつものド

        • あたし待つわ

          ドルジはどん兵衛が大好物だ。子どもの頃から食べていて、土曜日の部活の昼食も、大体どん兵衛で済ませていた。ある練習試合の日、いつものようにお湯を入れて口笛を吹きながら完成を待っていると、コーチから檄が飛んできた。どうやら一軍の試合結果が不甲斐なかったらしく、お説教が始まったようだ。しかし、万年ベンチのドルジには知ったことが無い。ニンマリ顔で割り箸を開いた。しかし、その刹那、コーチから控えメンバーも集まるように命じられた。そう、体育会系の大好物「連帯責任」である。結果、部員全員が

        遅れてきた羞恥心

          ドドドでルルルな物語

          年度末は多忙を極める。ドルジは仕事で部署異動になったこともあり、てんやわんやの毎日だ。お陰でこのコラムの更新頻度も大きく落ちている。こんな環境の変化をキッカケに、自分の時間の使い方は急激に変わってゆく。よく会う友達と疎遠になったり、趣味だったゲームをやらなくなったり、そして気がつくと「そんな時期もあったな」と懐かしむことになるのだ。ドルジは小学生の頃、コロコロコミックで連載している星のカービィの漫画が大好きだった。単行本を買い揃えて、何度も読み直し、親に頼んでサイン会に参加し

          ドドドでルルルな物語

          庭にわ2羽ニワトリがいる

          動物園に子どもを連れてきた。初めての動物達に息子も大はしゃぎだ。ゾウさんの大きさに感動し、テナガザルの咆哮に驚き、今はふれあい広場でうさぎを追って駆け回っている。そんな息子を中腰で追いかけ続けるドルジ。しかしこの体勢、結構腰にくる。じわじわとダメージが蓄積されていくのが感覚で分かる。そして、四方に手足をバタつかせながら暴れる息子を抱っこした瞬間、その時はやってきた。ピンと張っていた血管が切れたかのような感覚と共に、激痛が全身を駆け巡る。そう、ドルジは今、完全にヤッたのだ。ヤッ

          庭にわ2羽ニワトリがいる

          STAY GOLD

          ある日ドルジが電車に乗っていると、おじさんが隣に座った。そのおじさんはカレーパンマンのような黄色いコスチュームを身にまとい、頭の上にはとぐろを巻いた金色うんちが鎮座していた。ドープネスなうんちマンは平然とスマホをいじり始め、全く周りからの目を意識していないようだ。昨日の夜は遅くまで飲み会だったドルジ。今日は疲れてるんだな。こんな幻覚が見えてしまうと、流石に自分の身体が心配になる。ところが、電車の揺れでうんちマンに軽くぶつかると、肩には確かな感触があった。どうやら彼は幻ではなく

          お前の血は何色だ

          今日は出張でホテル泊のドルジ。仕事柄たまに外泊があるのだが、いつも気持ちが高揚する。しかもこのホテルは大浴場がついている。こんな日はサウナで身体をいじめた後に、火照った胃袋へキンキンに冷えたアイスをぶち込んでチルタイムをキメるとしよう。さすれば脳はトリップし、金ピカの未来が待っているはずだ。そうと決まれば早速ブツをコンビニで仕込む。ロング缶の角ハイと抹茶味のハーゲンダッツを入手し冷蔵庫にイン。スキップで大浴場へと駆け込んだ。サウナと水風呂を繰り返して小1時間ほど経つと、脱水症

          お前の血は何色だ

          この馬鹿舌と言わないで

          去年の秋、同僚と3人で馴染みのない駅に降りた。ちょうど昼食時だったので、ふと目に止まったラーメン屋に立ち寄り、横並びで麺を啜った。食後に同僚Aが『ここのラーメンあまり美味しく無かったな』と言い、Bも呼応して『俺も思った。スープがイマイチだった』と答えた。ドルジはとても美味しいと思っていたので疎外感があった。もしかしたらドルジは他の人と少しベクトルがズレてるのかもしれない。でも、もっとよく考えてみた。そもそも、みんなラーメンは好きだろうか?ラーメンは今や国民食で、日本人のほとん

          この馬鹿舌と言わないで

          ドルジはセブンイレブンをよく利用する。年間でいくら使っているのか計算するのも怖いが、きっと50万円はくだらないと思う。セブンの商品のクオリティはコンビニと思えない程高い。もちろんその分値段も張るのだが、ついつい足を運んでしまうのだ。そんなセブンには「乾燥させた生ハム」という神おつまみがある。小さなサイコロ状の生ハムなのだが、噛めば噛むほど味が出てきてお酒のお供にぴったりだ。ドルジはポリッピーと乾燥生ハムをミックスして、ちびちび食べるのがたまらなく好きなのである。ただ、どうして

          アクバーの灯火

          鳥山明先生が亡くなり、過去の作品が連日テレビやSNSで流れている。それらは今見るとどうにも古臭い。でも、当時の僕達にとってはピカピカに輝いていて、胸を躍らせてくれていたのだ。ドルジはビアンカかフローラで悩み、クロノトリガーでお弁当を食べ後悔し、バーバラが消えて涙した世代だ。作者がいなくなってもキャラクターは後世に残りる。これからもたくさんの人が彼らに火を吹き込み、長く動きつづけるだろう。愛されたキャラクターは、それだけの人を突き動かす力を持っている。先日実家に帰ると、ドルジの

          アクバーの灯火

          無敵デー

          ドルジの奥さんは、子どもを連れて実家に帰ることがある。そんな日をドルジは『無敵デー』と呼んでいる。この日はリビングで何をしても咎められることのない自由な日だ。そうだ、今宵は酒を飲みつつ、大画面で水曜日のダウンタウンを観て、横に寝そべり放屁でもキメることとしよう。そう決心したドルジは仕事帰りにスーパーでおつまみを購入することにした。普段はポリッピーを鳥の餌みたいにちびちびつついているドルジも、この日ばかりは豪華な鰻とお刺身盛り合わせをチョイス。松本人志の顔を思い浮かべながらスキ

          ファーストインパクト

          横浜に最新のテクノロジーを駆使した大きなテーマパークが出来るらしい。ジブリパークの開業やUSJ拡大などテーマパーク業界は少子化にも関わらず大きく活気付いている。ドルジの小さい頃、郊外に小さな遊園地があった。目玉になるようなアトラクションは無く、古臭いメリーゴーランドや、すぐに脱出できる迷路、コインを入れると数分だけ動く動物の乗り物などがあった。今考えるとこんな所、何が楽しいのか分からない。けれども当時のドルジはこの遊園地に初めて来た時、本当に夢の世界に来たのかと思って大いに喜

          ファーストインパクト

          後輩の女の子

          職場のとある業務を後輩の女の子と2人で担当することになった。彼女はとても気立が良くて仕事も出来る子で、ドルジは先輩としていい所を見せたいという雑念をモチベーションに業務に当たることにした。既にその業務の経験があったドルジは後輩へ的確に内容を説明してタスクをパスする。もちろん渡した業務はどんなミスがあってもフォロー出来る、ドルジの範疇内の内容だ。何かあった時に、すかさずフォローすればドルジの株はストップ高間違い無しだろう。この業務は3日程度で成果の報告が来るはずだ。そんな気持ち

          ドルチェ&ガッバーナ

          ドルジは季節の変わり目の秋に毎年一度は大風邪を引く。今年も例に漏れず、高熱でダウンしてしまった。喉が真っ赤で食欲も無くなり、なんならいいダイエットウィークだ。ただ、やはり身体は辛いし、精神的にもキツい。特に嫌なのが風邪を引くと同じ曲がずっと頭の中でリピートすることだ。今回は何故か米津玄師のLemonが永遠に流れている。「夢ならばどれほど良かったでしょう。」ずっと最初のフレーズが繰り返されてなかなかサビまで辿り着かない。この現状、確かに夢ならばどれほど良かった事か。この苦しみや

          ドルチェ&ガッバーナ

          ノリオ

          戦争が始まった世界。平和と言われた日本も、いつ何が起きてもおかしくない。このハードな状況下で我々は常に危機感を持って行動をしなければならないのだ。食事一つをとってもそう。先日ドルジは手巻き寿司に命を取られかけた。最寄りのスーパーの手巻き寿司は乾燥海苔が売りで、コンビニおにぎりのようにご飯と海苔がセパレートされている。一口食べた時のパリっとした食感がたまらないのだ。具材はドルジの好物の納豆をチョイス。空腹のドルジは大口を開けて豆達を迎えに行った。すると目測を誤り、パリパリの海苔