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スイーツメモリー(メロンソーダ)

生メロンクリームソーダ
 わざわざ生とつけた、うん、やっぱりメロンは美味しい。メロンをミキサーで撹拌して、なんて贅沢~
私が子供の頃のメロンソーダは、毒々しい緑色のソーダに丸いバニラアイス、赤いサクランボの乗ったものだった。そういえば、最近、あの赤いサクランボを見ない。昔はバニラアイスにも、プリンにものっていたけれど。あんな着色料まっかっかのサクランボ、昭和なのかなぁ。それでも子供の頃はあのメロンソーダが夢みたいに美味しいかった。

子供の頃、毎年ピアノの発表会があった。その日は、ひらひらするピンクの服を着せられて、母親と祖母と会場に行った。ある年は母親の友人もいた。母親の友人の着物を召した婦人は、演奏の後、私にお菓子の箱をくれた。喜んで開けたら、赤と黄色の二つの丸い缶の栄太郎飴だった。
「 …… 」
子供には、あんまり嬉しいお菓子じゃなかった。

発表会の後は、レストランで何か食べて帰る。その日の主役は私だし、頑張ったご褒美なのだから、当然、デパートのレストランで、旗の立ったお子様ランチとメロンソーダでいいではないのか。ところがそこでも、
「鰻がいい」
祖母の一言で、私たちは、薄暗い、地下の鰻屋へ入った。今なら、鰻が美味しいことも、高級なことも、薄暗い店でも立派なこともわかるけれど、小学二年生の子供にはわからない。誰も、私の意向などこれっぽちも、聞こうともせず、そのまま私たちは、薄暗い鰻屋で鰻を食べた。

祖母は大人になって思い返せば、ユニークで、面白い人だが、近くにいる人間はたまったものではない。ものすごく我がままで、自分勝手。孫を猫かわいがりするなんて言葉は、大人になるまで、知らなかった。別に意地悪されたわけでもないが、とくかく自分が一番。

私が、年を取ったら(もう取ってるけれど)もう誰かが何かを言っても、生メロンソーダがいいと、言おう。でも今は、鰻も大好きだ。鰻屋に生メロンソーダはないから、ちょっと、難しいけれど。

メロンソーダ

〇材料 … メロン 炭酸水 アイスクリーム

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