賑やかな森に踊る@いつもの森
この森は地元では有名な森で人気もある。
いくつもの観察会グループがあり、かなり詳しい報告書のだされている。
そんなグループのひとつに参加した友人いわく、やたら詳しい人が多いらしい。
ワタシもこの森には結構通っているといっても単独飛行である。
多人数で情報を共有し蓄積するグループとは雲泥の差だと思う。
でも、やはり観察会グループに参加することは考えられない。
森には一人静かに沈みたいのだ。
思うまま気の向くままにフラフラしたいのだ。
なんなら人間を離れて森の生物になりたいのだ。
でも、グループに参加した友人から少し情報をもらった。情報だけ聞くのはちょっとずるいと思う。でも嬉しい。笑
現金なもので情報をきくと、もう出会えると確信して浮かれて森に入る。
まあ情報はもらったんだけど、結局身体に蓄積され血肉化された何かによってフラフラしているワタシがいた。
そんなふうに、だんだん賑やかになっていく森に浮かれていた。
そろそろバイカツツジかな、と覗き込みながら歩くと咲いていました。
毎年出会っているのですが、いつも咲いて少したってからの出会いで、雄しべの先の黄色い花粉がないんだよね。今年は咲きたての新鮮な花に出会いました。
そして下をみると、、、、おおおお、
めずらしく多数の花が咲きそろったタツナミソウがかなりいい感じの光に浮かんでいた。いいね、いいね。
そして、最初の情報の場所。エノキの葉にオオムラサキの幼虫をさがしてみたけど、、、、いなかった。そんな簡単じゃないよな^^;
気を取り直して歩く。
いつものように目につくものを片っ端から撮って歩く。
まあ、片っ端からといっても写真になるものをちゃんとチョイスしているんだけどね。
ただ、今回はもらった情報以外にゼフィルスに会いたいという思いがある。
ゼフィルスというのは、樹上性のシジミチョウの仲間で年に一度だけ発生するもの。日本には25種類いるんだけど、この森には3種類いるんだよね。
で、探しながら歩くんだけど全然いない。
下の池のいつもの堰堤から樹上を見渡すと、遠くに・・・
めっちゃ遠く。600mm相当のレンズでこの大きさ。もちろん近づこうとすれば落下して今回は間違いなく死ぬ。
飛んで近づいてくれないかなぁ、とじっとファインダーを覗き込んでるうちにジリジリと近づこうとしている自分に気づき、足がすくんでしまった。
だから、死ぬちゅうねん。
自分が怖くなり堰堤を離れる。
心を落ち着かせるために、池の翠を写しながら進む。
池の風景をとりながら、他のものにも気をまわす。
倒れそうな枯れ草に巻き上がる「とあるツル」が目につきファインダーを覗き込む。ツルにレンズが向くまえに「なんでもない枯れ葉」にフォーカスした。あれ?と思う。偶然のなんでもない枯れ葉なんだが、構図を決めシャッターをおしていた。なんだろう、感性の針が振れた。
もともとこういう写真を撮ろうとしていたんだと思い出す。
思い出し、考えながら歩いていたんだけど、目の前にゼフィルスが現れて思考が吹っ飛んでしまった。
このウラナミアカシジミもとても綺麗な生まれたてホヤホヤな気がする。
しかもとても好きな蝶なので、かなり長い時間遊んでいた。
さて歩いていくと、長細い葉の先にしゃがみつき甲虫が死んでいた。
こういうのにどうしても目が行ってしまうのは、成虫につく冬虫夏草にはこうした枝にしがみついたまま、身体からキノコが伸びているものがあるから。ついみてしまうが、二体ともキノコが生えている様子はなかった。
里までやってくると、蝶が飛んでいる。
今日は蝶をいっぱい撮ってやるか、と思ったのもゼフィルスに会えたから。
おっと、またオレンジ色がみえた。
よくみてみると、ウラナミアカシジミだった。
で、さらにみてみると、同じ木にアカシジミもいるではないか。
すごい、どうせなら並んでくれよ、とお願いしてみたが、それは聞き入れられなかった。
ここは、はじめて会う場所だった。これもインプットされ来年以降この木をチェックするんだろうなぁ、、、と予感する。
さらに歩くと真っ赤なキノコが目に入る。
キノコの同定はほんとできないんだけど、面白い形のキノコとか色がきれいなのはウキウキして撮っている自分がいるんだよね。
あとは、花だ。
と、そのまえに、杉の枯れ葉に絡みつくように落ちていて、何やらかわったものと思い証拠写真を撮ってきた。ちょっと調べてみたんだけど、これ、もしかしたらカヤランかもしれない。
葉っぱがそれっぽし、白いグニャグニャもそれっぽい。
杉の葉に絡みついていたのが、そのまま落ちてきたのかもしれない。
しかも葉も白のグニャグニャもまだ新鮮そうだから落ちたばかりなのか?
カヤランならずっと花を探していたんだけど、こんなとこにあったとは、といっても上を確認しなかった、、、、、orz
毎年の花を確認しながら歩く。
イボタの花がこんなとこに咲いていたんだ。
イボタは、ゼフィルスのひとつ、ウラゴマダラシジミの食草だから周辺を一生懸命さがしてみたんだけど、いなかったな。
ウラゴマダラシジミはこの森で会いたい蝶のひとつなんだよ。
湿地のほうにまわってみた
それと、こんなんに出会ってしまった。
だれの情報でもない。偶然。こういうことがあるから面白いんだよね
昨年であったエンシュウムヨウランとは全然別の場所。
ちょっと驚き、ちょっと嬉しかった。
こうして少しづつ自分だけの情報が蓄積されるってことでも、まあいいか。
あっ、アオバセセリやスミナガシが、いるかもしれないという道にもいってみたが、やはりそれほど甘くはなかった、笑
追記のウラギンシジミ