心を空ろにさせないために……
哀しみや心の傷を封印するなどとんでもない。と、怒った。
そんなことをすれば心が空ろになる
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からみついた枯れ草を焼いてしまわなければ、畑は生き返らない。
わたしだっておなじことだ。心にからみついている思いをほっておいたら、きっと、いつまでも、このもやもやは消えない。
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怨んでもときはもどせません。
この先を、変えることしか、わたしたちにはできない……。
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「うまくいえないけれど、花乃さんなら、兄さまみたいに、霊狐と人が結ばれることの危なさをがなりたてるのじゃなくて、そうなってしまった思いを、抱きしめようとするんじゃないかって」
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小説「狐笛のかなた」上橋菜穂子著 より抜き書き
ほんとにそうなんだよなぁ、と思う。
心にからみついた哀しみも心の傷も怨みも距離をおき封印し忘れ去ることが解決ではない。
すべてを抱きしめて、この先を変えることしか解決はない。
肝心なのは、抱きしめることも先を変えることも、自分にしかできない……ということ。
素敵な小説でした。
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