離れていても、空はつながっている「この夏の星を見る」
こんにちは、読書子です。
本日、紹介する本はこちら。
辻村深月作「この夏の星を見る」
「この物語は、あなたの宝物になる。」
紹介文のこの言葉に惹かれ、手に取った一冊です。
読み終わった後は、すごく爽やかな気持ちになりました。
では、簡単にあらすじを紹介します。
『コロナウイルスの流行によって学校では登校や部活動など、様々な行動が制限され、全国の学生達は複雑な思いを抱えていました。
茨城県の高校2年生、亜紗も複雑な思いを抱える一人です。
コロナウイルスの流行で、彼女が所属する天文部の合宿が中止となり、限られた活動の中で何ができるか、亜紗は部員達と話し合っていました。
そこに届いたのは、東京都渋谷区の中学1年生、真宙と天音からのメール。
内容は、亜紗が所属する天文部が中心となって開催された「スターキャッチコンテスト」についての質問でした。
これをきっかけに出会った彼らは、オンライン会議を使って長崎県五島列島に住む高校3年生、円華や彼女の同級生など、全国の中高生と繋がっていきます。
そして、望遠鏡で特定の星を見つけるスピードを競う「スターキャッチコンテスト」を開催することになりました。』
コロナウイルスに流行により、今までできていた当たり前の生活が送れなくなる。
亜紗や円華達の学校生活の様子を読んでいると、行動を制限される息苦しさやもどかしさ、悔しさがよく伝わってきました。
ただ、行動が制限されている中で、自分達は何ができるのか?
始まりは一通のメール。
このメールが全国の学生達と繋がるきっかけになりました。
最初は亜紗の高校の天文部と、真宙の中学校の理科部でスターキャッチコンテストを開く予定でしたが、天文部の顧問、綿引先生が長崎五島列島に住む知り合いに声をかけ、高校3年生の円華達も参加することになります。
はじめは苦しい展開が続きますが、亜紗や真宙がオンライン会議を駆使し、全国の学生達と繋がっていく様子は、読んでいてグッとくるものがありました。
青春って素晴らしい。
また、本作は亜紗、真宙、円華を中心に話が進んでいきます。
思春期真っただ中の彼らの心情がとても丁寧に書かれていて、より物語に入り込めました。
亜紗や真宙、円華達が本作でどのような活躍をみせたのか。
そして、スターキャッチコンテストの勝敗の行方は?
この物語は、あなたの宝物になる。
気になった方はぜひ、読んでみてください。