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あなたの先祖を調査します「先祖探偵」

こんにちは、読書子です。
本日、紹介する本はこちら。
新川帆立作「先祖探偵」

「元彼の遺言状」を読了後、新川先生が執筆した他の小説も読みたくなり手に取りました。
新感覚の探偵小説で面白く、心温まるストーリーでした。
では、簡単にあらすじを紹介します。

『邑楽風子は依頼人の先祖を調べてくれる先祖探偵
「今年111歳になる曽祖父を探してほしい」
「学校の課題で家族史について調査したいから手伝ってほしい」
「先祖のたたりで息子がおかしくなったから調べてほしい」など
様々な事情を抱えた依頼人が風子のもとに訪れる。

そして、風子も幼い頃に生き別れた母親の居場所を見つけるため、自身の先祖を調べていた。
ある日、無戸籍の男性から「戸籍をつくる際、自身が日本人であると証明するため先祖を調べてほしい」という依頼を受けたことがきっかけで風子の運命が大きく動き始める。

「幽霊戸籍と町おこし」「棄児戸籍と夏休みの課題」「焼失戸籍とご先祖様の霊」「無戸籍と厄介な依頼者」「棄民戸籍とバナナの揚げ物」の5編からなる連作短編です。

主人公の風子は先祖探しを専門とする先祖探偵であり、依頼をこなしながら自身の母親の居場所を探している女性。

第一話「幽霊戸籍と町おこし」では、男性から今年で111歳になる曽祖父を探してほしいという依頼を受けたりや、第二話「棄児戸籍と夏休みの課題」では、親子から娘が通う学校の課題で家族史を調べることになったため、父方の先祖の調査をお願いしたいという依頼を受けたりなど。
風子のもとには様々な事情を抱えた依頼人が訪れます。

ただ、中には本当の目的を隠して依頼をしてくる人もいます。
例えば、第二話で「父方の先祖を調べてほしい」と依頼してきた親子。
最初、母親に反抗的な娘を見て少しませてるな、思春期の子あるあるだなと思っていました。
しかし、後半になると実は娘にはどうしても父方の先祖を調べたい理由があったことが分かります。
その理由を知った時、驚くと同時に娘なりに一生懸命家族と向き合おうとしていたんだとしみじみとした気持ちになりました。

そして、第四話「無戸籍と厄介な依頼者」で風子は無戸籍の男性からの依頼がきっかけで高里という探偵と知り合い、第五話「棄民戸籍とバナナの揚げ物」でついに母親の居場所を知る手掛かりを見つけます。

母親と生き別れた経緯や理由、母親の現在が明らかになった時、すごく切ない気持ちになりました。
母親は自身の子を思って風子と別れたけど、もし私が風子の母親ならどうしたんだろうとすごく考えさせられました。
また、自身のルーツを知った風子がこの先、どのように生きていくのか。
物語はここで終わりますが、できるなら風子の今後も見てみたいです。

他にも風子は調査で宮崎や岩手、沖縄など日本各地を訪れるのですが、そこで登場する郷土料理もこの作品の魅力です。
文章だけなのにどの料理もおいしそう
で私も食べてみたくなりました。

自身のルーツを知る「先祖探偵」。
気になる人はぜひ手に取って、ストーリーやおいしそうな料理の数々を堪能してみてください。





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