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認知症と高齢者の物忘れって結構違うんだよ
実はね、僕のおばあちゃんが認知症になっちゃってね、5分に一回同じ事を聞いてくるんですよ。
僕が会いにいくと
おば「こうちゃん何歳になったの?」
こう「38歳だよ」
おば「あら、そんなんになったの?まだ16歳ぐらいかと思ったわ」
おば「ところでこうちゃんは、今何歳になったの?」
こう「38になったんだよ」
おば「もうそんななの?まだ10代かと思ってた」
おば「こうちゃんは今年でおいくつになったの?」
こんな感じで同じことを何度も聞いてくるんですよ。
これって高齢からくる「物忘れ」とは違って、完全に「認知症」の症状なんですが、皆さん違いってあんまり知らないと思うんですよ。
今回は高齢者の「物忘れ」と「認知症」について話しますね。
医療従事者っぽくて、なんか良い感じだわ今日は。
そもそも人の記憶というのは、記名、貯蔵、検索の3段階で分かれます。
外から来る情報は、まず脳の中心部の海馬と呼ばれるところに一時的に保存されます。
そこの記憶は1時間から1ヶ月ほどかけて、残す情報と消す情報に分けられるんですよ。
残す情報は貯蔵される大脳皮質っていうところに移されます。
貯蔵された情報は海馬が検索をかけて取り出す事ができるようになるんですね。
高齢者になってよくある「物忘れ」というのがこの記憶の中枢である海馬の機能が低下するんですね。
そうすると「検索」の機能が低下するので
「あれ、これってどうやってやるんだっけ?」
みたいになっちゃうんですよ。
これが高齢者の物忘れです。
認知症になると、この「物忘れ」にさらに追加して、「記銘」の部分にも障害がでます。
つまり新しく物事を記憶することが難しくなるんですよ。
「あれ、あなた誰だったっけ?あぁ高橋さんね、よろしくね。……あれ、名前なんだっけ?」
みたいに、認知症のおばあちゃんとかって、何度も聞き返してくることあるでしょ。
あれは新しい情報が覚えられないからなんですよ。
それでいて昔の話はやたらするのは、検索の機能が落ちる前に「貯蔵」されていた情報を引っ張り出せるからなんですよね。
だから昔話はよくできるけど、最近のことは覚えられないんですよね。
これが「物忘れ」と「認知症」です。
こうやって忘れてしまうことのメカニズムが理解できると、
「あぁこれが認知症の症状か。仕方がないな」
って思えるじゃないですか。
でも「認知症」ってものが理解できないと
「こないだも言ったでしょ。なんでわからないの」
とか怒っちゃう家族もいるんですよ。
僕のおじいちゃんなんかまさにそうで、おばあちゃんが忘れちゃうことに対して
「さっきも言ったでしょ。なんでわからないの?これはこうゆうことなの」
みたいに結構キツく言っちゃうんですけど、やっぱり「認知症」の理解ができないのと、自分の奥さんが「認知症」であるって言うことが受け入れられなくて、ストレスになってるのかなと思うんですよね。
それで怒っちゃうっていう。
だからまずは人間の記憶の構造と「物忘れ」と「認知症」を理解してあげてください。
それで相手の行動も言動も受け入れてあげてください。
認知症の人と付き合うときは、相手のことを理解した上で、何度でも同じように答えてあげると良いですよ。
知識として相手の行動が理解できると、相手に対して怒るってことがなくなるので、相手を知る事が大事だよっていう話でした。
Ps:僕はもし高齢者になったら、ボケたふりしていろんなことをやってやろうと画策しています。もし僕がボケたら、皆さん生暖かい目で僕を受け入れてあげてください。