劣等感(コンプレックス)の超克 Part5(霞ヶ関での武者修行)
前回の続きです。
今回は、全く休暇がなく、睡眠時間も削り、非人間的な生活を送っていた地獄の法律改正業務を終えた後のストーリーです。
社会人8年目の新しい部署では、管理職の1つ下のポストである総括補佐を拝命しました。
国際会議の運営
法律改正で、勤務時間が恐ろしく長く、コンプレックスしか感じていなかった部署から、英語を使用する国際会議の運営をする部署にきて、Comparative Advantage(比較優位)を感じました。
留学の成果である英語力を活かせるポストだったためです。
国際会議?!って、イメージが沸かないと思いますが、画像のような国家元首が登場するような、国際会議です。
※1番下に見える方は、誰かわかりますか?!
やはり、役所の仕事というのは、Big Scaleだと感じます。
男性管理職Aとの出会い
新しい部署に異動した当時は、管理職の上司は、優しい方でした。
しかし、この方が問題でした。
管理職の上のポストの交渉官との関係で、強く言えないため、毎回交渉官のレク(説明)に入るために、たくさんのツケ(宿題)をもらうことになりました。
異動したばかりのタイミングでは、まだ知識もなくわからないことばかりですが、宿題が火だるまのように増える様は感じ取ることができました。
それは、その管理職が、上司のみならず部下対しても強く指示できないためでした。
つまり、リーダーシップもマネージメント能力もなく、仕事が曖昧模糊としていたのです。
管理職失格の管理職でした。
この優しいが、決断力がなく、上司に従順すぎて、マネージメントの能力のない管理職を、管理職Aと呼びます。
桐島の所属省庁の異動時期は、毎年5~7月です。
係員(5月)<係長(5月後半)<担当補佐(6月)<総括補佐(6月)<課長(7月)のような形で、下位の職種の方が異動がはやく、下位の職種が着任した数週間後に、その上の職種が異動する傾向にあります。
そのため、私は、管理職Aと同じ期間を一緒にするのは、1か月程でした。
管理職Aの異動事情を把握していたため、Aに命じられたことは、忠実にすべてこなしました。
また、法律改正の後だったため、コンプレックスからきた負のエネルギーを正のエネルギーに変えるために、仕事を頑張りたいという気持ちがありました。
そして、Aとは良好な関係を築いたまま、Aの異動を迎えました。
女性管理職Bの登場
その後、女性管理職Bが登場しました。Aは男性でしたが、Bは女性でした。
あまり記載しすぎると個人情報に触れますが、都内の最高偏差値を誇る女性中高一貫校から、東大法学部からの、役所という絵に描いたような、女性でした。
頭は相当切れるし、管理職としてのマネージメント能力が高い方でした。
この管理職Bの部下になり、正直、私はこの役所に入って働けることに感謝しました。
上司との付き合い方、部下のマネージメントの仕方など、学ぶことばかりでした。もちろん、私自身もしっかりお叱りを受けましたが、そのことも、本当に勉強になりました。
この管理職Bとは、「一蓮托生」の付き合いになることを確信しました。
総括補佐の役割
総括補佐とは、係員(入省1年目)<係長(2~4年目)<担当補佐(5~8年目)<総括補佐(9年目)<課長のなかで、課長の下支えをする仕事です。
総括補佐は、一番忙しいといっても過言ではありません。
課長と総括補佐はどちら1人がいれば課が成立する構図になります。
そのため、急に局長から電話がかかってきて、課長が不在であれば、総括補佐が質問された内容にすべて回答できなければなりません。
そのため、課の要(かなめ)は、総括補佐だ!
課の仕事を知りたければ、総括補佐に聞け!
と言われます。
民間企業の人へのアドバイスとして、面談の際に、課長のみならず、総括補佐を同席してもらうことをお勧めします。
※総括補佐は、課長より忙しいため、同席できる可能性も低いですが、、、
総括補佐の仕事は、多過ぎます。
要求される仕事の難易度はそれなりに高く、すぐに案件にキャッチアップできる力や問題解決能力が必要になります。
大学受験に要領良く受かるというスキルは、こういった官僚の仕事には、役立つことが多いという事実が身に沁みました。
要領が良くないと、やる事の多さに押し潰されます。ぷよぷよをドンドン消していかないと、ばたんきゅ〜になってしまいます。
やはり、昔の官僚というのは、要領の良さが必須だったので、東大にササッと余裕で入って、公務員試験や司法試験にササッと合格するような人が向いていた気がします(ガリ勉で、東大に入ったような人な要領の悪い人は、官僚としては使い物にならなかったのでしょう!)
大問題勃発(管理職Aの置き土産)
役所という組織は、国際政治もビックリのGreat Gameが日々行われています。
政治家の先生方との駆け引き、上司との駆け引き、民間企業との駆け引き、など枚挙にいとまがありません( ´Д`)
管理職Aは言うなれば、超小国。周りの大国から舐められる存在でした。
人事担当課がアメリカだとすると、管理職Aはツバルとかトンガみたいな島国レベルでした。
そのため、管理職Aは、「人事」というGreat Gameで大敗北しました。
管理職Aは、人事担当課からすれば、赤子の手をひねるような取るに足らない存在でした。
こんな感じのやり取りがあったと想像できます。
省内の人事を巡るバトルは、毎年の一大決戦です。
各課は、優秀な兵士を集めるために、1年を通じてリクルータ活動を頑張ります。でないと、弱小課には、弱小兵士しか集まらず、負け戦が永遠と続くことになります。
読者の皆様は、管理職Aの対応の何がいけないか、わかるでしょうか?
ヒントは、Xさんはどのような人か想像するとわかります!
わかった人は、「霞が関検定1級」に合格できる力があります 笑
私の省庁では、ありとあらゆる事態に直面します。
少しでも気を抜くと食われてしまう、「弱肉強食の世界」です。
毎日が緊張の連続で、わくわく感もありますが、正直、疲れます 泣
外から見ると、国家公務員は守られていて、クリーンな世界に見えますが、とんでもありません!!!
民間企業で働いていれば、最初の10年間では自分の身に降りかからなさそうなことが、どんどん降りかかってきます(と民間企業の友人から聞きました)
それは、専門性がないことの裏返しかもしれませんが、人間社会を生きるタフさは、恐ろしく身に付きました 笑
それでは、「人事」というGreat Gameの続きは、次回をお楽しみ下さい!
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