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【エッセイ】人生を5つでお手玉するゲームだと考えた時
昨日紹介した『スザンヌの日記』。
この本に出てくることばで、人生の教訓にしているものがある。
人生を、五つのボールでお手玉をするゲームだと考えて見て。
それぞれのボールには、仕事、家族、健康、友達、誠意という名前がついている。
あなたはいま、その全部をうまく宙に浮かせている。
ところがある日、仕事のボールがゴムでできていることにようやく気がつく。
落としても、そのボールは跳ね返ってくる。
ほかの四つのボール 家族、健康、友達、誠意は、ガラスでできている。
どれも一度落としたら、生涯消えない傷がついて、かけて、もしかしたら粉々に割れてしまうかもしれない。
調べてみたら、このことばはコカ・コーラのCEOブライアン・ダイソン氏のスピーチだという記事があった。1991年9月6日に行われた大学の卒業式でのスピーチだそう。このスザンヌの日記は日本での発売が2002年。おそらく、この小説に出てくることばは、ブライアン氏のスピーチを参考にされたのだろう。
わたしは中学生にしてこの言葉を内に秘めることになるのだが、正直当時はよくわかっていなかったように記憶している。
ただ、それでも素敵なことばだなと感じたことはきちんと覚えていて、社会人になり仕事で辛くなったときや自身の精神が崩れそうな時にはこの小説を読むようにしていた。
仕事がつらくてつらくてつらい方。
心身ともにくたびれてしまっている方。
ゴムのボールだと気づいたとしても、仕事のボールを落とすことは大きな勇気が必要なことだけれど。
この言葉が読んだ方にとって支えになったり、ちょっと逃げてみる小さなきっかけになればいいなと思う。