こんなかっこいい女の先輩いて、私たちラッキー!
真実を見きわめるのに
二十五年という歳月は短かったでしょうか
茨木のり子の詩に出会ったのはいつだっただろう。
凛として、強くて、はっきりとした詩は、人生で上手くいかない時や腐っている時にお世話になった。
彼女は1926年 大阪生まれの詩人。第二次世界大戦を10代の終わりで体験したことを踏まえれば、有名な詩『わたしが一番きれいだったとき』の背景も見える。
生まれ育った環境や時代を見れば、なぜ私がこんなにも彼女の詩に惹かれるかわからない。
だけど、平成生まれの私は彼女の詩集をめくるたび思う。
この時代の私たちに、こんなかっこいい女の先輩がいてくれてよかった、と。
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
有名な『自分の感受性くらい』で、何も感じない現代人はいないんじゃないのかな?と思います。
いつだって、自分の胸に手を置いて生きていきたいなと思わせる詩。
だけど私のお気に入りは、『歳月』
2006年に79歳で急逝した際、彼女は「Y」と書かれた箱をこの世に残した。その中には、30年以上前に亡くなられた夫に向けた40篇近い詩が書き留められていた。それらは生前公表されることはなく、『歳月』というタイトルも宮崎治氏によって後から付けられたものだそう。
この詩はぜひ詩集を開いてみなさんに出会っていただきたい。
25年の歳月。私には想像もつかない歳月を超えて生まれた詩に、その愛の奥深さが広がっていくようだった。
しゃんとしなさい、背筋を伸ばして。
そんな声が聞こえてくる。
優しく強い、こんな言葉が時代を超えて生き続けてくれてよかった。
Written by あかり
アラサー女